マーケティングとマネジメントの両輪でスモールビジネスを支援
株式会社エックスラボは、インターネット広告代理店事業を軸に、様々な事業創造に取り組みながら持続的な成長を遂げる大阪のベンチャー企業である。現在はコンサルティング事業にも注力し、新規事業の収益化を目指しているところだ。
同社の中核事業であるインターネット広告代理店事業や、新規事業として注力し始めたコンサルティング事業のクライアントは、クリニックや整骨院、飲食店、人材派遣会社などの様々な業界のスモールビジネスオーナーです。クライアントのほとんどが、大手広告代理店などは一切挟まない直契約で、それぞれのビジネス課題に応じ、様々な角度からのサポートを行っています。
インターネット広告代理店事業で取り扱う媒体は様々だ。あくまでも集客に主眼を置き、リスティング、アフィリエイト、YouTubeの動画広告など、あらゆる手段を組み合わせながら成果を追求する。さらに、クライアントの課題状況から、WEBサイトやランディングページの改善や新規制作、メールマガジンの制作・運用などの提案も行い、マーケティング全体のフローを最適化していく。
「以前、とある頭痛治療セラピストを育成する塾のクライアントに対して、広告、ブログ、メルマガなどの施策を組み合わせた支援を行いました。その結果、支援開始時点では塾生の数が10名前後でしたが、2年弱で累計100名強を獲得しました。年間約100万という高単価なサービスなので、1億円超えの収益をもたらしたことになります」(取締役/COO 深石圭氏)
このような成果をベースに同社は各クライアントからの信頼を強め、1社あたりの取引量を増やしてきた。既存顧客との関係を深め、クライアントのビジネス拡大によって自社の収益も高める。サービスの質を維持するために、対面でのコミュニケーションを重視し、営業エリアは主に東名阪に絞る。それが同社のビジネスモデルだ。
そういった中で同社の事業領域はマーケティング分野に留まらず、マネジメントの分野にまで拡大してきた。クライアントのビジネス成果にコミットし続けようとすると、取り組むべき課題はマーケティング領域だけでは済まないことも出てくる。特にクリニックや整骨院、店舗などの場合、現場での対応が継続的なリピート客の獲得に深く関わってくるため、組織作りや現場でのオペレーションが課題となることが少なくない。そういったクライアントの課題を解決するために生まれたのがコンサルティング事業である。
コンサルティング事業では、WEBマーケティングとマネジメント、2つの領域を扱う。それぞれ経営者やマネジメント層などの階層別にメニューを用意し、セミナー形式で提供する。必要に応じて個別コンサルティングにも対応する。あくまでインターネット広告代理店事業とは独立した事業だが、対象はインターネット広告代理店事業と重なるため、組み合わせてサービスを提供するケースもある。同事業は2019年3月、『OGS(Organic Growth System)』というブランド名で始動したばかりだが、受講した経営者からは多くの好評価を得ているという。今後は同事業の認知度をさらに強化させ、マーケティングとマネジメントの両輪でスモールビジネスオーナーを支援していく計画である。
多様な生き方に対応できる会社を目指し、本格的な組織作りを進める
同社は2012年12月、代表取締役・藤勝行氏が1人で立ち上げた会社だ。最初の2年間で約8億円の売上を作ると、業績拡大に合わせ、徐々に従業員を増やしてきた。もともと積極的に組織を拡大するつもりはなかったが、従業員のキャリアビジョンを考えた時に、組織化の必要性を感じるようになり、永続的に続く会社作りを目指すこととなったという。
藤氏が本格的な組織化に向けて最初に取り組んだのが人事部の創設である。きっかけは既に事業成長を実現している先輩経営者からの助言だった。
「営業かデザイナー、またはプログラマーのいずれかを採用するかを相談したところ、まず採用すべきは人事だと言われました。営業もデザイナーもプログラマーも直近の利益を作る職種であるのに対し、人事は未来の利益を作る職種だと言われたことが響きました」(藤氏)
さらにその後、別の経営者から組織化に関するトレーニングを紹介され、その担当講師が深石氏だった。当時、深石氏は組織マネジメントのコンサルティング会社に勤め、中小企業の支援をしていた。そのトレーニングを藤氏が受講したことが、深石氏がエックスラボ社に参画するきっかけとなった。
2018年6月、深石氏が入社後に人事部を創設し、本格的な採用活動を開始。当時7名程度だった従業員数は、現在(2019年10月)、23名にまで増えている。
「“事業創造で世の中を強くする!もっと面白くする!”というミッションは、当時から藤が言い続けていたことです。スモールビジネスの経営者や従業員の成長を支援し、自立できる人々を増やし、日本全体を元気にしたい。そういった想いを聞きながら、そこにジョインして世の中に価値を生み出したいと考えました」(深石氏)
また、藤氏の人間性に惹かれたことも深石氏が参画した動機の1つだった。上記の企業理念や、既存顧客のビジネス成長にコミットし関係性を深めることで結果的に自社の利益も拡大していくという事業方針は、藤氏の失敗体験から生まれたものだという。失敗に学び、あくまでポジティブに、仲間を集めてゴールを目指そうとする藤氏を支えていきたいと参画を決めたのである。
一方、藤氏が組織化を図る際に考えたことは、人それぞれの多様な生き方に対応したいということだった。
「マネジメントしたい人、スペシャリストになりたい人、自分で挑戦したい人。私はそれら全てを内包できると考えています。今はマーケティングを軸にした事業を行っていますが、これから生まれる事業はそこにこだわる必要はなく、メンバーが決めれば良いと思っています。そのためには、プロフェッショナルなマーケティングカンパニーとして自主性の高い社員を育成する必要があります」(藤氏)
藤氏が目指す組織作りは今まさに始まったばかりだが、人事部には深石氏をはじめ組織作りと人事のプロフェッショナルが集う。そしてその組織作りに向けた基礎固めは着々と進行中だ。
EC事業の本格始動を目指しクリエイティブ職の採用に注力
同社は2012年12月、代表取締役・藤勝行氏が1人で立ち上げた会社だ。最初の2年間で約8億円の売上を作ると、業績拡大に合わせ、徐々に従業員を増やしてきた。もともと積極的に組織を拡大するつもりはなかったが、従業員のキャリアビジョンを考えた時に、組織化の必要性を感じるようになり、永続的に続く会社作りを目指すこととなったという。
藤氏が本格的な組織化に向けて最初に取り組んだのが人事部の創設である。きっかけは既に事業成長を実現している先輩経営者からの助言だった。
さらに別の経営者から組織化に関するトレーニングを紹介され、その担当講師が深石氏だった。当時、深石氏は組織マネジメントのコンサルティング会社に勤め、中小企業の支援をしていた。そのトレーニングを藤氏が受講したことが、深石氏がエックスラボ社に参画するきっかけとなった。
2018年6月、深石氏が入社後に人事部を創設し、本格的な採用活動を開始。
「“事業創造で世の中を強くする!もっと面白くする!”というミッションは、当時から藤が言い続けていたことです。スモールビジネスの経営者や従業員の成長を支援し、自立できる人々を増やし、日本全体を元気にしたい。そういった想いを聞きながら、そこにジョインして世の中に価値を生み出したいと考えました」(深石氏)
また、藤氏の人間性に惹かれたことも深石氏が参画した動機の1つだった。上記の企業理念や、既存顧客のビジネス成長にコミットし関係性を深めることで結果的に自社の利益も拡大していくという事業方針は、藤氏の失敗体験から生まれたものだという。失敗に学び、あくまでポジティブに、仲間を集めてゴールを目指そうとする藤氏を支えていきたいと参画を決めたのである。
一方、藤氏が組織化を図る際に考えたことは、人それぞれの多様な生き方に対応したいということだった。
「マネジメントしたい人、スペシャリストになりたい人、自分で挑戦したい人。私はそれら全てを内包できると考えています。今はマーケティングを軸にした事業を行っていますが、これから生まれる事業はそこにこだわる必要はなく、メンバーが決めれば良いと思っています。そのためには、プロフェッショナルなマーケティングカンパニーとして自主性の高い社員を育成する必要があります」(藤氏)
藤氏が目指す組織作りは今まさに始まったばかりだが、人事部には深石氏をはじめ組織作りと人事のプロフェッショナルが集う。そしてその組織作りに向けた基礎固めは着々と進行中だ。
さらに同社は、社員同士が刺激し合って成長できる環境を作るために、3ヶ月に1度の全体懇親会やシャッフルランチといった部署横断でのコミュニケーションを強化する様々な取り組みを行っている。そういったイベントへの参加率はほぼ100%という高水準であることから、アットホームな仲の良い雰囲気の中でお互いを尊重しつつ、成長や結果にコミットしている状況が把握出来る。
最新の機材を揃えたり、自由に外部セミナーを受けられるよう部署ごとに年間50万円の予算をつけたり、子育て中の社員のために時短勤務制度を採用したり、組織化に着手して間もないベンチャー企業としては、仕事がしやすい環境、スキルを磨きやすい環境が整備されていることも魅力的だ。
「それでもまだまだ未熟な組織です。制度や仕組み、組織やチーム自体を一緒に創って行きたい、『今無いのであれば作れば良い』というマインドを持ったメンバーと一緒に働きたい。現実に向き合えば大変なことやネガティブになることも沢山ありますが、そのネガティブな面も捉え方次第では原動力に変えることができます。そして、苦労を乗り越えることが出来れば壮大な景色が見てくる。そんな景色を皆さんと一緒に見たいと考えています」(深石氏)