日軽金グループのシステム会社として、グループ会社の多彩な事業展開をサポート
日軽情報システム株式会社は、アルミニウム総合メーカー“日本軽金属”グループの情報システム設計・構築・運用を担っている企業である。かつて日本軽金属のコンピュータ部門だった同社は、1983年にシステムのコア業務に特化すべく分社化した。
現在、日本軽金属グループはアルミ素材から中間製品、加工製品まで、異なる得意分野をもつグループ会社が連携し、“チーム日軽金”として総合メーカーならではのサービスを展開している。そのグループの一翼を担う同社は、これまで培ってきた技術資産をベースに、グループ全体の情報インフラをシステム面からサポート。業務分析・要件定義にはじまり、設計、開発・構築、テスト、導入、保守運営など、上流から下流に至る工程を一気通貫で担当している。従業員約120名のうち、9割近くが技術部門という、まさに技術を中核にすえているエンジニア集団だ。
「アルミニウムの使い道は、さまざまな業界で広がる余地があります。日軽金グループは業界のリーディングカンパニーとして、従来の“素材メーカー”としての機能に加え、加工によってアルミニウムに秘められた可能性を引き出す“ソリューション企業”として発展を遂げようとしています。生産・物流・販売業務の改修・リニューアルに伴ってグループ内の連携が密になり、情報システムが担う役割も大きくなっているのです。グループからのサポート要望に一つでも多く応えることが、私たちのミッションです」(管理部 部長 塚田 直人氏)
同社ではシステム開発・ネットワーク構築の業務を行う一方で、AIやIoTなどの最新の技術を活用した研究開発プロジェクトも強化しているとのこと。
「シーズ観点からIoTを活用したシステム製品のプロトタイプを作成し、グループ会社の協力の下、製造現場でシステムを検証する。そして製造現場からフィードバックされた情報をもとにシステム製品を標準化し、グループに横展開する動きを推進しています。センサー技術を使って品質の歩留まり向上・作業環境の安全化を図るなど、成果は着実に出てきています。グループ会社は“チーム日軽金”として方向性を共有しているため、こうした試験的な取り組みにも協力的ですね」。(塚田氏)
成長意欲旺盛なエンジニアに、長年培った経営資源(知識・技術)をつなげたい
同社の今後の展開を見据え、塚田氏は課題として“人財”について言及している。日軽金グループの業績は好調に推移しており、東南アジア・アメリカなどへの海外進出も進んでいる。それに伴い、「システムの最適化を図りたい」「営業管理システムに最新ツールを導入したい」といった新しい相談が増えているのだ。しかし塚田氏によると、すべての相談に応えきれていない状況とのこと。
また、組織全体の高齢化も着手すべき課題として挙げられた。現在の平均年齢はおよそ43歳で、50代の上級SEも少なくないとのこと。能力においては何の不安もないが、今後持続的にグループのシステムを支えるためには、これまで培ってきた知識・技術を次世代につなぐ取り組みが欠かせない。同社の事業を長期的に支えるシステムエンジニア・ネットワークエンジニアの採用、および長期的な育成が重要なテーマとなっているのである。
そうした課題を踏まえ、同社はどのような人物像を求めているのか。塚田氏は3つのポイントを挙げている。
1つ目に挙げたのは、自走できる人材だ。日軽金グループ各社の業務を理解し、“チーム日軽金”の自覚をもち、自ら進んでシステムを改善しようとする人財とのこと。
2つ目に挙げたのは、どん欲に上流工程にチャレンジしようとする人財だ。同社のエンジニアは、日軽金グループが展開する事業と、その事業を動かす業務を深く理解し、共に業務を良くしようとする姿勢が大切になってくる。同社では年に1回、キャリアや担当業務について上司と話し合いができる場が設けられている。実際、2年前に入社したエンジニアが、「上流工程にチャレンジしたい」と相談し、現在はプログラマー経験を経て、業務分析・要件定義や基本設計などに携わっている例もあるとのこと。
3つ目に挙げたのは、最新技術への興味である。グループ会社の現場からは、常に「ITを使って何かできないか?」という相談が舞い込んでくる。そうした時に一歩先の提案を行うためには、日頃から最新技術にアンテナを張っていることが大切である。
「以上の素養を備えた人に、ぜひ即戦力として経験をフルに発揮してほしいですね。もちろん、将来的には会社の中核メンバーとして事業を引っ張っていく活躍を期待しています」(塚田氏)
勤続30年のエンジニアも活躍中。長く働ける環境で、エンドユーザー直のやりがいを
エンジニアにとっての醍醐味は、何と言っても日軽金グループのユーザーと直にやりとりしながら仕事ができることである。自ら構築したシステムが、実際に現場で動いている様子を間近で見ることができるのは何よりの喜びではないだろうか。ユーザーが近いだけに、お褒めの言葉と同じくらい、ご指摘の言葉も受ける。だからこそ、大きな手ごたえが感じられるはずだ。
同社では新入社員研修や階層別研修などで工場実習・見学を行っており、業務においても製造現場に出向くケースが多い。より良いシステムづくりを行う上で、現場との密な会話のキャッチボールが欠かせない。製造現場で動く工程、そこから生まれるアルミ製品に関する知識を身に付け、“アルミのことなら何でもわかるエンジニア”を目指し、一つひとつ階段を昇っていける環境が整っている。
さらには、エンジニアとして長く安心して働ける環境も、やりがいある仕事を続けるための大切なポイントの一つだ。かつてシステム業界でも、35歳限界説がクローズアップされたこともあった。そうした観点で見れば、エンジニアの平均勤続年数が19年という同社は、システム会社の中でもかなりの社員定着率と言える。
「繁忙シーズンになると当然業務量も増えてきますが、それでも月の平均残業時間は30時間いかないくらいに収まっています。信頼関係ができているユーザーと直で仕事をしているので、タスクのスケジュールも比較的組みやすいのではないでしょうか。有給休暇も気兼ねなく取得できる環境ですし、産休・育休の際にも周囲のエンジニアがカバーしやすいですね」(塚田氏)
同社の社長をはじめ、取締役の面々はすべてが技術畑の出身である。エンジニアの目線で事業・サービスを考えているのはもちろん、エンジニアが働く環境に目を向けていることも、働きやすさにつながっている要因の一つであることは間違いない。日軽金グループの中で、同社が背負っているミッションは非常に大きい。働きやすい環境で、やりがいある仕事がしたい人にぜひお勧めしたい企業である。