航空業界や製造業のシステム開発に強み。中国のオフショア先とも連携
株式会社コシダシステムエンジニアリングは、システムの受託開発とSESを手がける会社だ。SESにネガティブなイメージを抱く人もいるかもしれないが、同社の場合は事情が異なる。大手システム開発会社数社と長く取引関係にあり、それらの会社がプライムで請けた案件について、パートナーとして重要な部分を任されるケースが多いのだ。必ずチーム単位でプロジェクトに参画し、プロジェクトを通じて得たノウハウを、会社としてしっかり蓄積している点も同社の特徴。受託開発の方も、長く取引のある大手のクライアントや、その紹介で請けるケースがほとんどだ。中国にあるグループ会社と連携し、オフショアも活用しながら、大規模案件にも対応する。特に航空業界や製造業のシステム開発の経験が豊富で、強みとしている。
同社は、自動車電装品などを取り扱う技術商社、株式会社コシダテック傘下の会社だ。コシダテックは事業多角化の一環で、2002年にIT事業をスタート。コシダシステムエンジニアリングの創業は2013年だが、その歩みはコシダテックのIT事業開始時に遡る。コシダテックは商社であり、海外事業に精通していることから、上海に拠点を開設し、日本からのシステム開発案件を、オフショアで請ける形で事業を開始した。次第に案件が増えるなかで、中国側は上海と常熟に計3社の現地法人を設立し、その後、日本側もコシダテックのIT事業の機能を分社化する形で、コシダシステムエンジニアリングを立ち上げた。現在は、案件を請けて、コシダシステムエンジニアリングが単独で開発することもあれば、中国のグループ会社と連携して進める場合もある。
主要な取引先は、コシダテック時代から15年以上のつきあいとなる会社ばかり。システム納品後は保守運用も請け負う。クライアント側のシステムや業務に関する知識の蓄積が進んでいることから、今や、同社はクライアントにとって欠かせないパートナーとなっている。
クライアントから感謝状や業務中の細かい目配りも。強固な信頼関係を構築
コシダシステムエンジニアリングのWebサイトには、手がけてきた事例の一部が載っている。その一つが、とある航空会社の基幹システムの一つの開発を手がけた事例だ。航空系は経験豊富で、長く得意としてきた領域。航空会社では、複雑で膨大な業務を最適に進めるために、100を軽く超える数の基幹システムが動いているという。同社も受託開発とSESの両方で、数々の案件を手がけている。Webサイトに紹介されているのは、そのうちの一つで、国際収入システムに関わるものだ。
この事例では、既存システムや周辺システムの理解に加え、航空業界の業務知識、国際航空連盟の要求などの理解が必要とされた。事前の情報収集や調査、基本設計を日本でコシダシステムエンジニアリングが行い、詳細設計、コーディング、単体試験をオフショアで実施。その後、機能試験やシステム試験、総合試験を、再び日本で同社が行うという連携により、速やかに開発を完了させた。ほかの基幹システムとの兼ね合いで、スケジュール変更は絶対にできない案件だったが、遅延なく、クライアントの満足のいく品質で開発を終え、お互いの信頼関係をさらに強固なものとした事例だ。
このように、実績を重ねるごとに信頼関係を構築し、クライアントの良きパートナーとなっているのが同社の特長。「お客様から感謝状をいただいたり、忘年会に呼んでもらったりしています。そのほか、日常の業務のなかでも、何かと当社のメンバーのことを気にかけてくれています」と、クライアントとの良好な関係を語るのは取締役の富田智良氏だ。
この関係性を背景に、コシダシステムエンジニアリングのメンバーは、常に「どうすればお客様にいい提案ができるか」と考えながら行動している。日頃の業務での気づきをどんどん提案し、クライアント側もその提案を歓迎。受け入れて案件化するほか、開発の中で重要な局面では、知識と経験が豊富な同社を頼りにするという。
「お客様から『これをやってほしい』、『こんなことができないだろうか』といったご要望を多くいただきます。大変ありがたく、全てに応えたいのですが、マンパワーの不足で対応できないこともあります」(富田氏)
クライアントの期待に応え、同時に、コシダシステムエンジニアリングとしても仕事の幅を広げ、さらなるノウハウ蓄積につなげるためにも、同社は今、切実に新たな仲間を必要としている。
将来はAI技術を活用して自社製品も!働きやすく温厚な人ぞろいの職場も魅力
コシダシステムエンジニアリングの主要なクライアントは大手であり、取り組む案件も、最先端の技術を取り入れていることが少なくない。例えば、AI技術をCRMに活用したシステムなどだ。クライアントとともに取り組むことで、同社にもノウハウが蓄積されていく。「AIは今後、積極的に取り組み、当社としても強みにしたいです」。富田氏は言う。その先には、いずれAI技術を組み込んだ自社プロダクトを作るという展望もあり、社内ではそんな将来の話もみんなでフランクに話しているという。風通しがよく、アイデアソンなどの改まった場は特に設けていないが、日常会話の中でどんどんアイデアも口にできる空気がある。
日々の案件を通じて、一人一人のスキルも上がっていく。クライアントのパートナーとして積極的に提案する同社に、指示待ちの仕事スタイルはそぐわない。各人が問題意識を持って取り組むとともに、業務知識の習得とOJTを通じた指導も徹底。若手ならプログラマーからスタートしてSE、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーとキャリアを積むなかで、提案できるエンジニアに育っていく。それが仕事の手応えややりがいにもなる。
目標設定や人事考課などの制度はごく一般的な内容だが、社員への目配りが行き届き、それぞれの志向を把握。必要な経験や伸ばすべきポイントなどを考慮した上で仕事もアサインする。これも、手当たり次第に案件を獲ってくる会社とは異なり、長いつきあいの優良なクライアントと仕事をして、案件にも一貫性があるからこそできることだ。ちなみに残業は、平均20時間と極めて少ない。社内はもちろん、クライアントとも協力して、業務負荷が過剰にならないように配慮しているからだ。ワークワイフバランスは良好で、心身ともに健康に、仕事に臨める環境でもある。
中国のグループ会社と連携しているだけあって、社内も多国籍だ。中国、韓国出身の社員に加え、中国から長期出張で日本に来るメンバーも机を並べる。温厚な人柄の社員ばかりで、多国籍でも軋轢などとは無縁。和やかに、協力しあって仕事を進めていく雰囲気だ。良きクライアントと良き案件、良き社員に恵まれている同社。落ち着いた環境で、エンジニアとして着実にステップアップしたい人には最適な会社だろう。