株式会社アーバンリサーチ

株式会社アーバンリサーチは、メンズやレディースウェアなどの企画・販売・製造を行う会社だ。本社を大阪市西区京町堀に置き、東京に支社とプレスルームを設けているほか、大阪府内にディストリビューション（流通）センターやWebスタジオ、デザインルームを設置している。売上高は458億円（2015年）、545億円（2016年）、625億円（2017年）と堅調に推移しており、今後もゆるやかに店舗展開を続けながら、既存店の⼒も⾼めていく方針だ。
また売上比率も、一般的には10％前後で推移するのだが、24％を占めている。
これは他社と比較しても高い割合であり、今後はEC比率を40％まで高めていく。

アーバンリサーチはジーンズカジュアルショップとして1974年に創業し、1989年に株式会社ジグ三信として法人化。2001年に現社名に変更した。大阪を中心に関西全域で店舗を拡大し、2002年には渋谷店、2005 年には名古屋店をオープン。さらに2010年には初の海外進出（香港）を果たし、2014年には台湾に海外現地法人を設立した。

「伝統は革新の連続」という考えのもと、新しい伝統づくりを模索するアーバンリサーチ。企業理念に「すごいをシェアする」を掲げ、「街をにらみ　売り場を探り　時代を見通す」店舗展開を行っている。「すごい」とは、感動やエネルギー、若さ、品質を指し、それらを顧客や取引先、社員とシェアしていくため、アーバンリサーチは以下の3点を重視している。

1つが“フレキシビリティー（柔軟性）”で、スタッフ自身がワクワクするアイデアや個性を柔軟に取り入れ、新鮮で価値あるものを提案する。2つ目が“顧客起点”で、顧客にとって必要なもの、興味のあるもの、楽しいと感じることなどをスタッフ自らが提案し、新しいニーズを掘り起こして価値あるものへと昇華させる。3つ目は、クオリティとオリジナリティの両方をあわせ持つものに「価値」を見出すこと。時代を見つめ、新しいものだけでなく流行に左右されない価値を提案していく。アーバンリサーチの社名の由来は、ワールドワイドな視野で街を探ること。そうして「キラッと光る、価値ある会社、楽しい会社、そして尊敬される会社」を目指していく。

アーバンリサーチはカジュアルテイストをベースに、世界中からデイリーウェアーやドレス、シューズ、雑貨などをセレクト。「都市に生きる自分らしい人々」へのライフスタイルを提案し、現代の感覚をフレキシブルにモノやカルチャーに乗せて伝える“スペシャリティーショップ”を、北海道から沖縄まで全国展開している。また、オンラインショップを自社運営するほか、ファッション通販大手「ZOZOTOWN」などへの出店、カフェ、レストラン、フラワーショップの運営なども手掛けている。

PRとしてファッションショーに力を入れ、ブランド単独での定期的なファッションショーに加え、東京で年に2回開催されるプレタポルテファッションショー「東京コレクション」にも参加を開始。その後は国内だけでなく海外からも取材や問い合わせを受けるようになり、世界へ向けてのPRも着々と成果が現れ始めている。

また、2014年6月から東京・池袋パルコで試験導入されたバーチャル試着システムを独自開発した会社としても知られている。「ウェアラブル クロージング バイ アーバンリサーチ（Wearable Clothing by Urban Research）」の名称で、インターネット関連企業・ワープジャパン株式会社と1年かけて共同開発した。

アーバンリサーチが保有するeコマースサイトの商品データを使い、画面に映し出される自分自身の映像にスカートやワンピースなどの3Dデータを重ね合わせ、リアルタイムでバーチャル試着体験ができるというもの。マイクロソフトのKinectと60型の大画面液晶ディスプレイ、iPadから構成され、電源とWi-Fi環境があればどこでも設置簡単にできる。狭いスペースでの取扱商品の多様化や、eコマースの新たな手法など実用ツールとして開発され、将来的には「アパレル自動販売機」や無人店舗化も目指している。

従業員数は約1500名で、無期雇用者に占める女性比率は約70％、有期雇用採用者では67％と女性が多数を占める。2016年3月末時点での役員や管理的地位にある女性比率は28.2％（39名中11名）で、2016年4月から4年間、女性活躍推進対策として計画的に女性従業員の継続的な就業を支援する環境整備を進めており、より柔軟な働き方を支援するための制度づくりと周知に積極的に取り組んでいるところだ。

若手が多く組織構成もフラットで、自由で柔軟な風土も特徴に挙げられる。年齢や入社年次、肩書きなどに関係なく意⾒やアイデアを出せば背中を押してもらえる社⾵で、一人ひとりに与えられた裁量も大きいです。社内SEの場合、⽉平均の残業が10時間以下という働きやすさもあり、ノー残業デーなど仕事とプライベートのバランス充実の施策も進めている。

会社全体で運用されている社内コミュニケーションツール「ヒトカドっち」は、日々の仕事の中で感謝の気持ちを伝えたり、相手の良いところをバッジに置き換えて送り合う、というもの。働く店舗や部署が違っていても、その人がどんな“ヒトカド”な部分を持っているのか、何を目標に進んでいるのかが一目で把握できる。IT部門は社内各部署・店舗や外部ベンダーをつなぐコアメンバーとして、システムの運営やビジネスプロセス改善を少数精鋭のチームで⼿掛けている。また、カスタマー満⾜に向けたさまざまなコンテンツ制作に取り組むこともできる。

アパレルやセレクトショップと聞くと「オシャレな人や感度の高い人ばかりの職場」というイメージがあるが、アーバンリサーチの場合はもっと範囲が広い。アパレル業界の中でも比較的規模の大きな会社ということもあり、ファッション以外にもITやカルチャーなど、「自分はこれが好きだ」という分野にチャレンジできる度量がある。

さらに、キャリアアップ志向の人にもしっかり応える企業基盤もある。さまざまな個性を活かし、クオリティとオリジナリティの両⽅をあわせ持つ「価値あるもの」を創造していく、最適の職場環境が整っている。