資産形成したい個人と事業資金を借りたい企業をつなぐ貸付投資のオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」を運営
▼Fundsとは
Fundsは、資産形成したい個人と事業資金を借りたい企業をつなぐ貸付投資のオンラインマーケットだ。 当社の定める選定基準をクリアした上場企業などが、自社グループの事業に必要な資金を調達する目的でファンドを組成し、それに対して個人が少額(1円〜)から出資し分配金を得ることができる。
アイフル株式会社や大阪王将を展開する株式会社イートアンドなど、複数の上場企業が当社プラットフォームを利用し、これまでに15本のファンドを公開、約11億6,800万円を調達している。その多くが、ファンド公開と同時に数分で満額を達成していることも、「Funds」の大きな特徴である。
同社代表の藤田氏は、「Fundsの提供を通じて、より多くの方が、簡単・気軽に”貸付投資”に参加できるようにすることで、資産形成の裾野を広げていきます。これまでに無い新しいミドルリスク・ミドルリターンへの投資機会を創出し「貯蓄から投資へ」の新しい流れを生み出していきたいと考えています。」と話す。
ソーシャルレンディングの運営経験を生かし、同社を2016年に創業。過去に自分の会社を創業しバイアウトした経験を持つ。
共同創業者取締役:柴田 陽氏(左)
2013年来店促進アプリ「スマポ」を楽天にバイアウト。日本交通のタクシー配車アプリ、バーコード価格比較アプリ「ショッピッ」など、数々のWebサービスを立ち上げた実績を有する。
目指すは、国民的な資産形成サービス。優良企業の成長を後押しする、新しい資金調達チャネルとして定着するのがゴール。
同社は、国内最大の融資型クラウドファンディングのメディアとして2016年に創業し、2019年1月には日本初となる貸付投資のオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」をリリースしました。ファンド組成企業が資金調達を成功させると、同社に対して調達資金の数%が手数料として支払われるという成果報酬型のビジネスモデルで、投資家側の手数料は完全無料。上場企業の信用(クレジット)に投資できる「貸付ファンド」が組成できるオンラインマーケットという画期的なビジネスモデルが評価され、数々のスタートアップのピッチコンテストで受賞している。
日本国内の個人向け社債は、社債発行額全体の4%(2017)と極めて少なく、たとえ信用力の高い企業であっても事業会社にとって個人から直接調達する方法は株式に偏重している。 「Funds」は、個人に対してミドルリスクミドルリターンのFixed Income商品をオンラインで手軽に提供するとともに、信用力の高い企業の株式以外の調達手段となることをゴールとしているのだという。
経営陣は過去に会社売却経験のある連続起業家であり、金融およびスタートアップ出身の優秀なエンジニア、デザイナー、弁護士や会計士、コンプライアンスオフィサーを擁している。 2018年3月にはシリーズA(約3億円)、2019年にはシリーズB(約7億円)を調達し、大手企業との業務提携も次々と発表。2020年1月には「未来の不安に、まだない答えを」を新たなMissionに掲げ、社名を「ファンズ株式会社」へ変更し、事業拡大に向けて全力でアクセルを踏むフェーズにあるといえる。
「今、貸付投資の投資家は、国内で数万人と言われています。その規模を拡大し、業界への貢献を目指しています。日常的に使えるサービスを提供し、いずれは貸付投資のインフラ、国民的な資産運用サービスになりたい」と代表の藤田氏は目標を語ってくれた。
リモートワークもOK!リフレッシュできるカフェスペースなど、メンバーの効率化を目指す
同社のメンバーの平均年齢は30歳前後。いずれも精鋭メンバーのため、社内にはプロフェッショナル同士の信頼に裏打ちされた自由さがある。藤田氏も、誰かが独裁的にリーダーシップを発揮するのではなく、それぞれの分野で専門性を発揮し、自立運営できるように、フラットな組織を目指している。
そのため、組織運営にも、メンバーのさまざまな意見や提案が反映されている。特に、今はスピードが重視されるスタートアップの時期。業務の効率化のために、最新のコミュニケーションツールの導入や、ムダな業務の徹底的な排除などを行い、日々、組織運営を洗練している。勤務時間も自己裁量に任せているが、メンバー全員が効率を重視。決められた時間でパフォーマンスを発揮し、夜遅くまで働くケースは少ない。
オフィス自体にも自由な雰囲気がある。オフィスに入ってすぐにオープンなカフェスペースがあるほか、オフィスの一角には、なんとトレーニングマシンを設置。いつでもリフレッシュできる環境となっている。「椅子としてバランスボールを持ち込んでも構いません。外のカフェでのリモートワークもOKです」と藤田氏。メンバーが働きやすくなり、業務効率が上がるなら、決まった型にはこだわらない姿勢である。
メンバー同士の関係も良好だ。ときおり、デスク越しに穏やかに談笑するメンバーの姿も見受けられた。また、「隔週に1度のランチは全員で外食する」というユニークなルールもある。それもメンバーの距離を縮めるために一役買っているようだ。
このように自由な雰囲気の中、大きな裁量を持ち、新しい事業分野に挑戦できること、それがメンバーのやりがいとなっているのは間違いない。「特にFinTechは、世の中的にも注目されている領域。メンバーは、『自分たちが大きなことをやってやるんだ』という期待感があると思います」と藤田氏は語る。
事業としては、今ある上場企業中心のサービスに加え、未上場企業を支援できる仕組みや、他のFintech企業との新サービス創出も検討中。市場の伸びを見る限り、その躍進はしばらく留まりそうもない。
「フロンティアの市場開拓は、エキサイティングです。そして、スタートアップをつくるのもおもしろい。今の当社は、この2つを味わえる絶好のタイミング。こんな環境は、なかなかありません。同じ夢を持つ仲間をもっと増やし、一緒に頑張っていけたらと思います」と藤田氏。静かな口調とは裏腹に、熱い思いが言葉にこもっていた。