温度・湿度の計測器「おんどとり」の企画から販売まで全てを自社で行う電子機器メーカー。
株式会社ティアンドデイは、1986年創業の電子機器メーカーだ。長野・松本に拠点を置く同社が、2016年夏、県外初となる拠点「東京デザインサイト」を、東京・渋谷に立ち上げた。
同社の主力製品は「おんどとり」という愛称で知られるデータロガーだ。データロガーとは温度や湿度を記録する機械のことで、ティアンドデイでは企画から設計、開発、製造、販売まで全てを自社で行っている。
「創業以来、いろいろな計測器を作ってきた会社です。約20年前に、データロガーとしては小型で、価格帯が2、3万円の製品を出したところ、それが大ヒット。多くの現場で使われることになりました。以降、温度・湿度の測定をするという基本的な部分は変えずに、インターフェイスを進化させながら現在に至るまでうちの主力商品であり続けています」(営業部・鈴木 亮太氏)
「おんどとり」はコンパクトで電池で動作するため、どこでも設置ができる。ゆえに汎用性が高く、温度や湿度の記録が必要なところであれば、あらゆる場所で活躍している。
たとえば、展示物の管理が必要な博物館や美術館では広く使われている。また、店舗のディスプレイやショーウィンドウの中に設置されていたり、物流関係だとトラックなどによる運送時に適切に温度や湿度が管理できているかを確認するために、冷蔵庫や冷凍庫の中に設置されていたりするという。
人気コーヒーチェーンでは、商品の管理などと合わせて、居心地のよい空間をつくるために「おんどとり」が活用されているという。全国の直営店のほぼ全てで、店内の至る場所に設置されているそうだ。
「かつては手作業で記録していたものが、自動的にパソコンやスマホに記録でき、簡単に確認できる。おかげさまで、ニッチな市場ではありますが、同価格帯のデータロガーにおいては圧倒的なシェアを誇っています」(鈴木氏)
創業以来、ずっと右肩上がりで成長を続けてきた同社が、今、なぜ「東京デザインサイト」を開設するに至ったのか。それは、もう一つの「事業の柱」を作るためだ。
エンジニア人口が多い東京で採用を行い、渋谷を拠点に新規事業を作り出す。
「ありがたいことに”おんどとり”は売れ続けているので、時間と体力がある今、もう一本、自社の事業の支えになるサービスを作っていきたいと考えています。”おんどとり”対応のアプリケーションはWindowsが中心でしたが、iOSやAndroidのウェイトも高めていきたいし、クラウドサービスにも力を入れたり、IoTといった分野にも取り組んでいきたいと考えています。そして、そういう技術者は東京の方が多いだろうということで、この東京デザインサイトは新技術の拠点とし、松本と連携しながら、新しいものを生み出す場所として機能させていければと考えています」(東京デザインサイト マネージャー 両角 佑太氏)
具体的には、2つの方向性がある。一つがIoTを取り入れた新規事業だ。「おんどとり」のブランドや「データロガー」といった計測機器の分野で、ハードやデバイスといった形にも全くこだわらず、新しいものをイチから考えていくという。
「松本の技術者はデータロガーしか作れないわけではありません。彼らの持つ技術と新しいITやIoTの技術をうまく組み合わせながら、”こういうものがあったら便利だよね”という視点で一緒に考えていきたい」(両角氏)
そしてもう一つは、「おんどとり」のIoT化だ。最新版のインターフェイスとしてIoTを導入することで、より便利な製品にしていこうと考えている。同社の強みとして、両角氏は「機械製品を作ることに対する敷居の低さ」を強調する。
「これは私が入社して一番強く感じたことなのですが、ハードを作るための高い技術力、ノウハウを持っている会社なんです。データロガーという製品の特性上、”どんな環境にも耐えられるか”という要素は非常に重要なのですが、そうした点も踏まえて、いとも簡単にハードを作ってしまう人たちがたくさんいるんですね。だから、アイデアを出せばいい感じでプロトタイプを作ってくれるんですよ」(両角氏)
一朝一夕のものではない、優れた技術がある点は、長きにわたってものづくりに関わってきた中小企業ならではの底力といえるだろう。
社員が力をより発揮する上で、企業としての「安定」という側面も欠かせない。
「”おんどとり”の事業が順調なおかげで、新規事業のためにアイデアを練る時間と資金がある程度確保できています。のびのびと働きながら、新しい製品を世の中に出していくために力を注いでもらいたいです」(両角氏)
求める人物像は明確だ。「アイデアがあるのに今の環境では何もできず、くすぶっている人。そんな人で、”やりたい”という強い気持ちがある人に来てほしいですね」(両角氏)
エンジニアが働きやすい開発環境・勤務形態をイチから整えていく。
現在、「東京デザインサイト」のメンバーは両角氏を含め4人。今後は採用を進め、6人くらいのチームにしていく予定だ。
開発環境については、エンジニアの希望に応じるとのこと。たとえば希望するPCを会社で用意し貸与してくれるという。また書籍の購入はもちろん、勉強会は有料また業務時間中のものであっても、会社の負担で自由に参加できる。
「勤務時間についても、基本的には一緒に顔を合わせて仕事をしたいのでリモートワークは認めませんが、作業ペースや仕事に合わせてフレキシブルに働けるよう考えていきます。また、会社用の携帯電話と2台持つのが嫌な人は、通信手当として月に1万円を支給しています」(両角氏)
本社が安定企業であるメリットは、もう一つある。基本的に長野県松本の本社と連動しながら働いていくことになるため、現地と合わせるかたちで残業はほぼなしとなる。仮にあっても少しで、残業代も全額が支給となる。
さらに土日祝日は完全に休みで年間休日は126日。このあたりも、地方の優良企業が母体にある大きなメリットだろう。新しいことにチャレンジするための環境としては申し分なさそうだ。念のために付け加えると、よほど希望しない限り本社への転勤もない。勤務地は渋谷だ。
「創業から30年を超えた地方の中小メーカーと聞くと、もしかしたらガチガチの古い体質だと思うかもしれません。しかし、最初の拠点を東京の渋谷のど真ん中に作ってしまうようなチャレンジ精神溢れる会社だということを理解してもらえれば。技術者を含め、うちの人たちは面白いと思えることをずっとやってきて、ここまできています。そのさらに先頭に立つことを臆さない人に来てほしいですね」(鈴木氏)
「30年やってきて、ここから新しいスタートともいえます。アイデアがあっても、一人でかたちにするのは難しいですが、仲間がいれば実現できるでしょう。ぜひ一緒にこの渋谷から面白い仕事を生み出しましょう!」(両角氏)
長野県松本市 本社でもエンジニア募集中。
東京デザインサイトが始動し、メンバーがIoT化の牽引に力を発揮すると、松本本社にも良い刺激が。これまで実現が難しかったデザインやアプリ周辺の動きが形になってくると「こういうこともできない?」「本当はこんな動きにしたかったんだよね!」とアイディアが次々と。
松本と渋谷。ハードウェアの実績とIoT化の新しい力。
今後も両者が強みを生かし、互いに影響を与え合い連携していくことで、「世の中をちょっと便利にする」製品をユーザーに届けていく。
長野県松本市の本社でも新しいこと、楽しいことが好きなエンジニアを募集中。
希望により東京での面談、面接も可能。
株式会社 ティアンドデイの社員の声

30代前半
2017年06月入社

40代前半
2007年10月入社

30代後半
2008年04月入社