日本ドナルドソン株式会社

たとえば、街中を走っているバスやトラック。日本の自動車メーカーが製造しているバスやトラックのほとんどに、ドナルドソンのエアーフィルターが標準搭載されている。<br /><br />同社は高いフィルトレーション技術で、さまざまなエンジンを保護するためのソリューションを提供。ディーゼルエンジン用のエアフィルターのシェアが１位であるほか、PC用ハードディスクドライブ・フィルターから航空宇宙産業用フィルターまで、最先端のフィルトレーション技術で作られたさまざまなフィルターを世界のメーカーに供給している。<br />ドナルドソン社の製品は、私達の目に見えない部分で、実は身近にたくさん存在しているのである。

日本ドナルドソンは、世界各国各地域に33を数える工場、総勢10,000名を超える社員を擁するグローバルな企業体で、アジア太平洋地域の研究開発拠点も兼ねている。当然日本ドナルドソンの従業員の地位も、いわゆるの現地子会社の従業員のそれとは違う。同社の従業員一人ひとりが、グローバル展開上の重要拠点を支える、責任あるポジションなのだ。<br /><br />通常、外資系メーカーの日本法人は、本社で開発されたものを売るための現地法人としての位置づけであることが多く、日系メーカーに比べても、その仕事の幅も責任も限定されてしまうことが少なくない。まして、海外勤務に従事するチャンスにはめったに恵まれないことが多いのが現実だといわれている。<br /><br />日本ドナルドソンでは、アメリカ本社での研修のほか、インドネシアのジョイントベンチャーに出向したり、中国工場の立ち上げに参画するなど、海外での重要プロジェクトで活躍するチャンスもある。文字通り、グローバル企業のダイナミズムを肌で感じることのできる環境がある。

日本ドナルドソン単体では、従業員数は約300名。組織としては決して大きな規模ではないが、取引先は自動車メーカー各社をはじめとした、大企業。そのビジネスやプロジェクトの規模は、大企業に十分匹敵しており、それをわずか300名の従業員で動かしている。これは、一人ひとりに課される仕事の責任の大きさを意味する。<br /><br />だからこそ、与えられるチャンスも大きい。前述のとおり、アメリカをはじめ海外で仕事をする機会だけでなく、本人の希望に応じて異なる職種を経験できるケースもある。様々な選択肢がある分、自己のキャリアに対して判断力や責任が問われることになるが、一つの会社の中で自分でキャリアを様々に展開することができる、恵まれた環境を有する会社であることは間違いない。最高峰の技術レベルを活用しながら、世界を舞台に活躍できる会社は、決して他に多くはないはずだ。<br /><br />ドナルドソンは日本への進出当初、優秀な人材をいち早く確保するために、「魅力ある日本中小企業」を目指した。年功給、終身雇用といった日本企業的な安定感に加え、70年代という早い時期に週休2日制を導入するなど、働きやすさを追求。近年はそれに、従来の欧米的なマネジメントを融合し、外資と日系企業のよさを併せ持つ組織へと成長した。<br /><br />個人の自由度が比較的高い同社は、キャリアやライフスタイルにこだわりがある人にとっては、この上ない環境が用意されているといえるだろう。