ネット専業で最大規模、中古車情報サイト『車選び.com』と販売支援システム『symphony』
株式会社ファブリカコミュニケーションズは、カーアフターマーケット(新車販売以降廃車に至るまでの全てのマーケット)に軸足を置きつつ、ITを組み合わせながら多角的なビジネスを展開している会社だ。現在、同社の事業はUCS事業とAS事業に分かれている。UCSは「U-CAR ソリューション」、ASは「Auto Service」の略となっており、具体的にはそれぞれ以下のような事業を展開している。
UCS事業では、『車選び.com』を中心とした事業を展開する。『車選び.com』はネット専業の中古車広告メディアだ。同サイトに掲載されている中古車の台数は現在(2020年3月)、約28万台。この数字は、紙媒体も含めた中古車広告媒体業界全体の中では後発ながら堂々の第3位、ネット専業に絞れば第1位の規模となっている。最大の特徴は、中古車販売に係る全ての業務を一括管理できるクラウドERP販売管理システム『symphony』との連携である。『symphony』は仕入販売管理や顧客管理、CRM、グループウェア、集計分析といった機能を備えるクラウドシステムである。『車選び.com』に掲載するのと同時に業界最大手のカーセンサーなど、同社が提携する様々な外部サイトへの広告出稿、『ヤフオク!』および『Yahoo!ショッピング』への簡単な出品システムを備えることで幅広いアドネットワークを構築している。UCS事業ではこの『車選び.com』を軸に、一般カスタマー向けの買取の一括査定や、加盟店同士などで在庫を共有するサービス『NET-STOCK.Pro』といったサービスを展開。人と人、人とサービス、サービスとサービスをつなぐプラットフォームを目指し、保証、認定、業務販売などとサービスを拡充しているところだ。
A事業の中軸サービスは、同社の創業事業の流れを汲む自動車事故修理サービスであり、中部地方を中心に『鈑金塗装ファブリカ』として展開している。自動車事故が発生した際、通常は、ドライバーが保険会社に連絡をして車の修理の手配をしなければいけない。だが、事故の現場では、車両の修理以外にも、警察への対応などやらなければいけないことは山積している。しかも非常に動揺した精神状況でそれらの対応をしなければいけない。『鈑金塗装ファブリカ』は、そのようなドライバーの負担を軽減するサービスだ。事故現場からファブリカに電話すれば、保険会社への連絡、レッカー車の手配、修理の受付から修理完了、納車、その間の代車(レンタカー)の手配など、一切の手続きを完全サポートしてくれる。また、修理のプロセスを可視化し、作業進捗をリアルタイムに把握することができるよう、ドライバー、保険代理店、修理工場、ファブリカをつなぐマネジメントシステム『COLS』を自社開発により導入していることも特徴の1つだ。『COLS』の導入によって、修理期間中のアイドルタイムの削減、各作業時間の短縮を実現することが可能となっている。
カーアフターマーケットからITへ軸足を移しながら事業を多角化
『板金塗装ファブリカ』『車選び.com』の他にも、春日井市にてネット予約が出来るなど利便性の高い『中部車検センター』の運営など、多角的な事業を展開するファブリカコミュニケーションズ社。特に最近は、全国の自動車修理工場や『車選び.com』の加盟中古車販売店などに向けたWebソリューションの提供にも力を入れている。地域密着型のビジネスを展開する中古車販売店や自動車修理工場の業界では、長らくWEBマーケティングへの取り組みが進んで来なかった。そのため、優良なサービスを提供していてもあまり認知がされていないケースが少なくない。優良なサービスを提供する事業者が認知されないことは、エンドユーザーにとっても不利益が生じることになる。そこで同社は、自社サービスの開発・運営で培ったシステム開発技術やマーケティング力、クリエイティブ力を活かして、集客支援を行っているのである。2015年11月にも「地域№1」を目指す車検工場の集客を支援するサービス『REGION ONE』を立ち上げたばかりだ。
同社のルーツは1992年に代表取締役CEO・谷口政人氏が愛知県春日井市にて個人事業として創業した自動車板金塗装業にある。チャレンジ精神旺盛な谷口氏は1994年2月には自動車車検事業をスタートさせ、同年11月には法人化を果たした。その背景には、車検業界の価格の不透明さをなくしたいという想いがあった。その後1995年には中古車販売、さらに1998年には保険業務とアグレッシブに事業を展開すると、2002年には有名タレントをイメージキャラクターに使うまでに業績が拡大。同年3月には『板金塗装ファブリカ』のサービスを開始するに至った。
その一方で、同社はインターネットの普及によって世界が劇的に変化することを睨み、“変化を好機ととらえ、新たな価値・サービスを提供し、社会に貢献する”との経営理念を策定。ITに比重を置いた事業展開へと移行しはじめた。2003年にはシステム開発会社を合併して『車選び.com』の開発をスタートし、2004年5月にリリース。当時、中古車情報は紙メディアが中心で、在庫の情報にタイムラグが生じていた市場で、ネット専業で参入することで差別化を図ったのである。
2005年にはカーアフターマーケットにとどまらない事業展開を開始。8月にはフラッシュストリーミングサービスを核とした映像配信事業をスタートし、続いて11月には地元広告会社との共同出資によるインターネット領域を中心とした広告コミュニケーション会社・メディア4u社を設立している。その後も『充電ポイント.com』『車検比較.com』などをリリース、2011年には子会社・ブクレコ社を設立してソーシャルリーディング『ブクレコ』をリリースするなどして現在へと至っている。
2020年には、構想5年費やした車の維持費節約アプリ『Carpon』をリリース、さらにマイカーをリースに切り替えられる『マイカーリースバック』など新規事業をリリースし続けている。
『車選び.com』、『symphony』はもちろん、『ブクレコ』や『メディア4u』、さらに直近リリースしたばかりの『Carpon』まで、同社および同社のグループ会社が提供・運営するシステムは全て内製で開発されたものだ。自社プロダクトおよびサービスの開発や運営を通じて培った技術力やマーケティング力が現在の同社の強みとなっている。
成長市場のカーアフターマーケットで挑戦的なビジネスを展開
現在、『車選び.com』の加盟店を増やすことを目的として全国各地に営業拠点の開設を進めている同社では、全社的に人的リソースが不足している状況だ。特に自社サービスのブラッシュアップだけではなく、加盟店などを対象としたWEBソリューション事業にも力を入れているため、開発スタッフが圧倒的に不足している。2013年4月には自前のオフショア開発拠点としてベトナムにFabrica Vietnam社を設立し、開発力はこれまで以上に向上したが、これを活かすためにも国内側のエンジニア、クリエーターを増員する必要がある。
現在、同社の平均年齢は30代半ばだが、ベテラン層と若手が多いため中間層が少ない。特に開発チームは圧倒的に若手が多い。同社が求めているのは、これら若手をリードしていける、またはマネジメント出来る経験、スキルを持った人材である。
同社の最大の魅力は、カーアフターマーケットという成長市場でチャレンジングな事業を展開していることだ。近年、国内人口の減少や若年層の車離れと言われる中でも自動車の保有台数は増えておりその市場規模はモバイル端末などにもひけを取らない規模だ。その中でも同社は『板金塗装ファブリカ』や『symphony』など、他社にないサービスを提供することで持続的な成長を遂げている。
カーアフターマーケットで幅広くビジネスを展開するファブリカでは、自動車サービスに関する様々なデータを保有している。
そのデータを集約、整理して、専門性が高く、わかりにくい自動車サービスの中で、ユーザーにとって本当にお得なサービスを広めていく『Carpon』をリリースした。
そんな同社の成長を支えているのは、スピーディな意思決定を実現する企業風土だ。社長である谷口氏と社員の距離も近く、直接的なコミュニケーションの中で各社員に大きな裁量が与えられる。ゴールだけは明示されるが、そこにたどり着くための方法は各自の裁量に任される。
総務部 人事課・黒田挙斗氏は、社員と社長との距離の近さについて、次のように語る。
「現在の社員数は約140名ですが、その全てがチャットワークで社長と繋がっており、悩みがあれば直接相談することができます。先日は内定が決まった学生から相談を受け、一緒に食事をしながら話を聞きました。谷口は、社員数が200名になるまでは続ける意向です」(黒田氏)
性別に関わらず活躍できる環境も魅力だ。同社には人事部兼営業部の部長、デザイン課の課長をはじめ、マネジメント職として活躍する女性も多数在籍する。中には産休・育休が明けてから昇進した例もある。
また、座りっぱなしで長時間仕事をするエンジニアのために、健康器具を社内にそろえるなど、社員の働く環境にも気を配る。
「弊社は社内の環境をより良くしていこうと考えている人が多数を占めている会社です。これからも環境はどんどん良くなっていくでしょう。転職で成功するのは難しいと言われますが、率先して変えていこうというマインドを持った方にとって、弊社への転職は確実に成功となるはずです」(黒田氏)
中部エリアで大規模なWebサービスに関われるチャンスは決して多くはない。同社の場合、職種に関わらず、マルチに活躍できる風土もあるので、物づくりの醍醐味を存分に味わいたいというエンジニア、クリエーターにとっては絶好の環境だ。今後、規模が拡大するにつれて新たなポストも増える。より自分の力を発揮できる舞台を探している人にこそ注目して欲しい会社だ。
株式会社 ファブリカコミュニケーションズの社員の声

20代後半
2013年04月入社
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40代前半
2009年06月入社
仕事をただ「こなす」のではなく、仕事を通じて自分が「成...続きを読む

20代前半
2016年04月入社