成長の秘訣は「クライアントとの強いパイプ」と「挑戦する社風」
株式会社ティ・エー・シー企画は、グラフィックやWebデザイン、セールスプロモーションなどを手がける広告制作会社である。1972年創業と長い社歴を誇る、この業界では老舗と言っていい存在だ。創業時からのグラフィックの制作に加え、Webサイト制作、クライアントの抱える課題の抽出から企画・提案までをトータルで手がけるセールスプロモーションも好調で、今後の伸びが期待される。
取引は、大手広告代理店や大手印刷会社といった代理店経由のほか、官公庁、大手家電メーカーや大手飲料メーカーなど数々のナショナルブランドの企業との直接取引も多い。社員数も約50人と、この業界にしては大所帯なのが特徴だ。
同社が創業40年と長きにわたり、この業界の第一線で走り続けている理由は主に2つある。
1つは、こうした安定的なクライアントとの強いパイプを維持していること。その背景には、確かな品質で信頼関係を築いてきたことがある。クライアントの志向を汲みとるとともに、消費者の目線に立ち、両者を的確につなげるコミュニケーションの取り方に長けている同社。制作物の見やすさ、使いやすさを念頭に置いた上でのクリエイティビティ溢れる成果物が強みだという。
そして、もう1つは、常に時代を先取りし、新しいことに挑戦してきた社風だ。古くはいち早いDTPへ全面移行、さらにWebという概念が少しずつ世の中に認知されはじめた頃、いち早く大手メーカーのWebサイト構築を手がけたのが同社だ。「企業サイト」というものがほとんどなかったような、本当の黎明期。海外の事例などを参考に手探りで制作したそのサイトは、その後、続々とオープンする企業Webサイトのベンチマーク的存在になったという。
そして今また、スマートフォンやタブレット端末など新たなツールへの挑戦も進んでいる。強みを確立した分野を安定収益源として大事にしつつ、常に次の成長分野へと挑戦し、新たな収益源に育てる―その好循環が40年という歴史につながっている。
クライアントのニーズに応える先進性とマーケッターとしての視点
同社について語るうえで、象徴的なプロジェクトを1つ紹介しよう。
クライアントは外資系家電メーカー。紙のパンフレットをタブレット端末版にリニューアルした事例だ。対象は、とある家電製品。それは型番も様々なら、その付属品も輪をかけて様々で、型番と付属品の組み合わせが非常に複雑だった。紙のパンフレットではわかりにくいうえに、製品のリニューアルがあるたびに更新や差し替えを行わなければならず、手間とコストが膨大にかかる。そこで、タッチパネル式で型番とその付属品が簡単に表示できるタブレット端末版のパンフレットに置き換えたのだ。
納入先は大手家電量販店。全国の店舗に配置し、店員が説明用に持ち歩くほか、ユーザーが店頭のタッチパネルを操作し、自分で探せるようにもした。わかりやすく使いやすいと好評で、さらには、この実物を見たクライアント企業の本国のトップにも気に入られるという嬉しい事態に。このプロジェクトは、外資系メーカーの日本法人が直接の取引相手だったが、たまたま本国のトップの目にもとまり、他国での導入も検討されているという。
このプロジェクトには、同社の強みが凝縮されている。クライアントは世界的なメーカー、グラフィックで培ったユーザー目線の使いやすさ、新しいツールへの果敢な挑戦、そしてクオリティの高さが信頼を得て、さらに次の取引へとつながるという好循環―。このようなプロジェクトを次々とクリアしていくなかで、信頼できる制作会社として確固たるポジションを確立してきたのが同社だ。
現在、同社の事業は、グラフィック部門が安定的な収益を挙げながら、次第にWebとセールスプロモーションの領域の比重が高まっている。広告業界全体の流れとしては、情報を受けとる媒体が変化し、広告は、マスメディアからソーシャルメディアへと向かっている。ユーザーの志向が多様化するなか、同社はクライアントの望む技術やクオリティをクリアしながら、より提案面を強化していくことを目指している。
こうした新たな領域の事業が拡大していることを背景に、人材が必要となってきている。まだまだ伸びしろのあるこれらの領域。それはそのまま、同社の成長余力でもある。人材を得て、さらなる成長を目指す。
大手企業のプロジェクト中心!十分なスキルと経験が得られる環境
同社で働く魅力とは、代理店経由、直接取引を含めて様々な業界のプロジェクトを次々と経験できることに尽きる。常に新鮮な気持ちで仕事に向き合える。そして、取り扱うのは、日本を代表する企業のものが多い。自分が手がけた制作物が、何らかの形で広く世の中の人の目に触れることも、作り手としてやりがいと面白さを感じる部分だろう。
その分、クリエイターに求められる要求は高い。だがその厳しさのなかで、自分が思った以上のスキルが身についていくのも事実だ。様々な業界のプロジェクトを手がけるということは、広い視野が備わるということでもある。あるプロジェクトで経験したことが、他の業界の案件で役に立つなど、多角的な視点が、提案やアイデアの幅につながっていくのだ。十分に独り立ちできるスキルと経験が得られる環境と言えるだろう。
そんな同社が、採用の際に重視するのは、チャレンジする気持ち。「チャレンジ」とは、ありふれた言葉かもしれない。しかし、同社で働くのは、本当にチャレンジの連続だ。次々とアサインされる様々なプロジェクト。あらゆる業界への興味と、新しい技術やツールへの探求心が欠かせない。そんな環境にあえて身をおきたい、成長したいという人に向いている会社だ。
社内は明るく広々としている。デスクで仕事に集中する人がいる一方で、オフィスの片隅では談笑する人たちもいる。緊張感がありながらも、風通しの良い明るい雰囲気だ。1つのプロジェクトが終われば、打ち上げでお互いを労い、仕事の場面とは異なる交流をはかる。クリエイターの集団らしく、お互いの能力に敬意を払いながら、適度なコミュニケーションが保たれている。仕事を軸として、高い志を持つ仲間を得たいという人には最適な環境だろう。