設立1年目から黒字化を達成。「つなぐ」技術で企業全体のシステムを最適化するベンチャー企業
テノン・システムコンサルティング株式会社は、SAPを中心としたERPコンサルティングと、企業内システム連携(EAI)や企業間電子商取引(EDI)、ビジネスプロセス管理(BPM)などのSOA(サービス指向アーキテクチャ)コンサルティングを核に事業を展開するベンチャー企業だ。
部分最適で構築されたシステム同士をいかに結合させるか、また、ERPパッケージと既存業務をいかに融合させるかなど、企業“全体”のシステムの最適化という課題を、「つなぐ」技術によって解決する。そのようなコンセプトに基づく事業展開で、同社は会社設立(2004年)後、1年目から黒字化を果たしている。
業績の黒字化によって得た余剰資金を活用して新たな収益軸を作ること。それが現時点における人材採用の大きな目的である。2010年度は8~10名の採用計画を行なうなど、勢いをさらに加速する方針を見て取れる。
多様なバックボーンを持つ人材と特定業界で積み重ねた独自の方法論が強み
様々なバックボーンを持つ人材からなる複眼的な組織構成と、特定業界に特化することで蓄積した独自の方法論が同社の最大の強みである。
同社は少数精鋭ながら、ERPパッケージベンダー、システムインテグレーター、コンサルティングファーム、経営企画・財務・経理など業務部門の出身者など幅広いバックボーンを持った人材で構成されたコンサルタント集団だ。各メンバーが、ERP、CRM、SOA領域を中心とするビジネス分野のスペシャリストと、テクニカル分野のスペシャリストであり、さらにそれぞれが複数分野に専門性を有することで高度なインテグレーションサービスを提供している。
また、製薬、機器・診断薬、化学業界といった特定業界に特化することで構築してきた自社ソリューションを、業界・業務分野特化型のシステムソリューションや自社開発のパッケージソフトウェアとして提供することで、システム導入コストの削減とベストプラクティスの導入を実現している。
プロダクトとITを知り尽くし、豊富なコンサルティング経験を有することが、全業務に及ぶ横断的な視点と細部への理解をもたらし、システム全体の最適化に留意した設計と導入を可能としているのである。
これらの強みを背景として、今後は新たな業界・業種に向けた汎用的なソリューションの展開を目指している。
働く人にとって「最高の環境」と、ベンチャーらしさを失わない企業風土が魅力
同社は、働く人にとっての「最高の環境」づくりを目指し、成果主義に基づく給与体系やMBO(目標管理制度)による適正な評価など、社内環境やインフラの整備を進めてきた。
社員一人ひとりがプロフェッショナルとして成長できるようキャリアパスモデルを策定し、コンサルタント未経験でも、導入トレーニングと実践的なOJTでプロとしてのスタートを切れる仕組みを作っている。
その一方で、ベンチャー企業としてのカルチャーも失わないことが同社の魅力だ。経営陣から若手まで全員が参加し「テノンはどのような存在であるべきか、今後どうなっていきたいか」を議論するオフサイトミーティングを開催するようなざっくばらんさ、風通しの良さは健在だ。
専門性の深さと同時に守備範囲の広さが必要とされ、環境の変化も激しい同社の仕事にはハードさも伴うが、それ以上に「新しい世界を切り拓く」楽しさとやりがいがある。プライマリな受注案件が多いことも魅力だ。チャレンジ精神やバイタリティーが旺盛な人なら自身の価値を高めるチャンスが尽きない会社である。