株式会社シンセイコーポレーション

株式会社シンセイコーポレーションはアジア各国を股にかけ、デジタル関連製品や電子部品を取り扱う商社。

同社の歴史は、変化の歴史をたどっている。創業よりアジア各国を中心に貿易事業を展開していた同社は、2006年頃より製造やエンジニアリング部門を強化し、IT通信、デジタルといった分野に参入。各種デジタル関連製品の部品や原材料を大手家電メーカー各社へ供給し、業界最大手になった。特に、IT製品の開発には積極的に取り組み、同社が開発に携わったワンセグチューナーはヒット商品となる。時代のニーズの変化に柔軟に対応する姿勢が同社の強みだ。

現在は、データ通信端末やワンセグチューナーといった通信・PC周辺の製品を展開するデジタルIT製品事業をはじめとし、モーターやプリント基板などの各種電子部品を扱う電子部品事業、金型を扱う機構部品金型成型事業、服飾雑貨を扱うテキスタイル・雑貨事業の4つの事業を展開している。

1973年の設立以来、「イノベーション」を合言葉に数々の事業を展開してきた同社。強固なチャレンジ精神が同社を発展に導いてきた。

現在の主力事業は、次世代の通信技術として注目される「モバイルWiMAX（ワイマックス）」に対応したデータ通信端末の販売。

モバイルWiMAXとは「WiMAX（Worldwide Interoperability for Microwave Access）」という無線通信規格を移動通信に活用する技術のこと。高速・広範囲・ワイヤレスでのインターネット接続を実現し、無線LANよりも広い範囲をカバーし、ADSL並みの速度とリーズナブルな料金でデータ通信をすることが可能であるという。業界の限界を打ち破る次世代の通信環境を創造するこの技術は、2006年には韓国、2008年にはアメリカでそのサービスが開始され、その他の世界各国でも普及しつつある。

同社は2年に及ぶ開発期間を経て、日本初となるモバイルWiMAX対応データ通信端末の開発に成功し、モバイルWiMAXサービス事業者であるUQコミュニケーションズ株式会社から製造業者として正式に認定される。そうして、データ通信端末製品「UQ WiMAX」が誕生。UQコミュニケーションズ社は2009年2月に同製品を用いたモバイルWiMAXの通信サービスを開始しており、6月まではユーザのお試し期間として無償でのサービス提供、7月から有料サービスをスタートする。MVNO（仮想移動体通信事業者）を開始する企業は17社が内定しており、「ニフティ」「BIGLOBE」などのインターネットサービスプロバイダーがサービスを開始、またはサービス開始を予定している。また、モバイルWiMAX対応データ通信端末製品のベンダーとして認められているのは、日本国内において同社を含めた2社のみ。同社の製造ノウハウ、商社としてのネットワークが評価された結果であろう。

外出先や移動中など、どこにいても高速インターネットを利用することができることがモバイルWiMAX対応データ通信端末の特徴。加えて、同社製品はコンパクトであり、Macにも対応していることから人気が高いという。既存のデータ通信端末と比較すると、高速かつ低コストであることが強みであり、外でPCを利用する機会の多いユーザをターゲットにした製品ではあるが、その使用料の安さから、ADSLの契約をしている自宅ユーザの取り込みもねらえるという。

技術革新が続く通信マーケットにおいて、新技術をいち早く取り入れ、ビジネスとして確立した同社。今後もその先進性は色あせることなく、次々と新たなマーケットを見出し、チャレンジしていくことだろう。

※MVNO（Mobile Virtual Network Operator　仮想移動体通信事業者）：携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受け、自社ブランドで通信サービスを提供する事業者

過去より、新しい技術やサービス、「新しいこと」「面白いこと」に着目し、事業開発を進めてきた同社。今後も、コンテンツ分野への参入など、業界・分野を問わず事業拡大を進めていくという。

そんな同社で求めるのは、創造することに対して積極的な人物。
「石橋をたたいて渡るのではなく、面白そうなことがあれば興味を持って取り組み、物事を自分からどんどん仕掛けていくような好奇心旺盛な人は大歓迎です。遊びも仕事も頑張り、ビジネスにつながるヒントを様々なところから掘り起こし、当社の事業として実現してほしいと思っています」（採用担当者）。

自身の発案が会社の事業プランとなり、多くの消費者の生活を潤すサービスとなる、そんな経験をすることも可能だ。面白いことに目がない、目の付け所には自信がある、という人はぜひ同社にて事業の創造に挑戦してみてはいかがだろうか。