プラネックスコミュニケーションズ株式会社

プラネックスコミュニケーションズ株式会社は、情報通信ネットワーク機器の開発・販売を行うメーカだ。
同社は1995年に設立、2001年にはJASDAQに上場。その後もM&Aなどを通じて拡大を続けてきた。現在、傘下にソフトウェアモバイルソリューションの株式会社アメリカンメガトレンド、FX（外国為替証拠金取引）の株式会社MJをしたがえ、グループ全体でシナジーを高めている。

会社スローガンに「デジタルディバイドを解消し、情報化社会における市民生活の向上に貢献する企業であり続ける」とあるように、同社では、ユーザのニーズに即した製品を徹底して研究し、企画・開発を行い、さらに高い価格競争力を維持できるビジネスモデルを構築している。製品の開発は、台湾にある子会社「プラネックスTW」に委託しており、同社は企画と販売に特化することで、市場の変化に対応しやすい体制を整えている。

取り扱い製品としては、コンシューマ向けの無線LANを中心に、スイッチングハブ、ルータ、アダプタ、Bluetooth、NAS、ゲーム関連製品など多数。また、法人向けの広域無線ネットワークシステムの構築も行なっている。

同社が得意としているのが、無線LAN関連製品だ。この分野において、2008年には新たに11n Draft 2.0対応高速無線ルータなどを発売し、売上額を大きく伸ばしている。また、同社では、プレイステーション・ポータブルなどのゲーム機同士が対戦を楽しむためのツール「Xlink Kai」を開発しており、サーバの運営を行なっている。XLink Kai対応の無線LANアダプタも同社のロングセラー。家庭用ゲーム機ユーザの多くが未だネットに接続していないため、今後、この分野はますます伸びると見込んでいる。

安価で付加価値の高い製品をラインアップすることで、支持される同社。無線LANについては、店頭シェアの2位を獲得している。今後、この強みを生かして、法人（中堅・中小企業）を新たな開拓市場と位置づけ、積極的に展開していく予定だ。

その一つの例として、同社の広域LANシステム「防災用監視映像集配信サービス」が、総務省主催の「u-Japanベストプラクティス」の事例に採用されたという。長崎県島原市の市内全域を複数の無線LANで中継接続、市内広域をカバーし、各小学校の児童の登下校をチェックする自動見守りシステムを提供するというものだ。

今後も、ブロードバンドとインターネットは生活に密着した技術として、様々なビジネスに活用されるだろう。無線LANの高速化が進むことで、ゲームや家電のネットワーク接続も進む。そんな夢のある市場を創っていく立役者となれることも、同社の強みと言えるだろう。

今後、同社の展開において、グループ各社との相乗効果をさらに高めていくことが計画されている。特に、MJ社の連携強化による、同社の海外展開戦略は重要だ。

現在、同社がノウハウを持つネットワークとサーバ技術により、信頼性・安定性の高い、スケーラブルなシステムを提供することで、外国為替証拠金の取引システムに大きなアドバンテージを与えている。その結果、昨今の市場のFXに対する注目度の高まりとあいまって、MJ社は成長し、グループを牽引する企業となった。その収益力を強みに、今後、世界展開を進める予定。既に北米とシンガポールに子会社を設立し、製品を販売しているが、今後、高機能、低価格でありながら高品質な「世界No.1」の製品を開発し、ＢＲＩＣsを中心とした海外へ展開していくのが同社のビジョンとなっている。

同社では、「モノ作りを仕事とする人間が言われたままに働いてどうする？」との考え方の下、一人ひとりの社員が強いプロ意識を持ち、道を切り開いていくことを奨励している。「やりたいことがある」「挑戦したい」という言葉は大歓迎。優れた製品を世界に発信していくチャンスにあふれる同社で、ものづくりに打ち込んでみてはどうだろうか。