住商情報システムグループの一員として「ERP」「証券」を柱に
「ERP」と「証券」分野に強みを持つソフトウェアハウス、株式会社パイオニア・ソフト。
同社の主要な取引先は、住商情報システム株式会社と大手証券系SIerだ。証券会社における証券基幹業務システムの開発が同社の事業の大きな柱。そして、住商情報システムの基幹製品であり、国産ERPソフトウェアパッケージとして導入実績数No.1を誇る「ProActive」のカスタマイズ・導入開発が、もうひとつの柱だ。このほか、ECやCRMのパッケージカスタマイズ開発を行っている。
2008年に33期目を迎えた同社。住商情報システムグループの一員として、また大手証券系SIerとの長い信頼関係から、安定した開発案件が供給されるが、それに甘んじることなく“技術力”と“コミュニケーション力”に優れたエンジニアの育成を行っている。
「証券システムの開発といえば、パイオニア・ソフト」
同社の売上全体において最も比率が高いのが証券分野だ。
「証券システムの開発といえば、パイオニア・ソフト」。そんな社会的認知を受けることを目指して、同社は20年前から取り組みを続けている。
証券システムにおいて何よりもものを言うのは、長期間にわたり蓄積されたノウハウだとされている。金融制度は頻繁に改正され、そのたびに影響を受けるシステムであるため、確実にキャッチアップしていくことが重要だ。
特に昨今の金融業界では規制緩和による業界再編が進んでおり、これまでにない変化の時を迎えている。その中で、他の証券会社といかに差別化して生き残りを図っていくか、それがシステムにも求められてくるというのだ。同社は実は、破綻した山一證券のシステムに参画していた経緯がある。山一で培ったノウハウをもとに、たった3名のエンジニアを現在の大手証券系SIerに送り込んだという。それから9年、今では証券システムに関わる同社のエンジニアは70名を超えている。
営業窓口端末システム、法定帳票出力システム、制度改正や新商品への対応などの基幹業務に携わる者が30名。インターネットトレードの構築、運用に携わる者が40名と、幅広い技術に対応できるのも同社の強みだ。何よりも厳しく品質が求められる金融システムの構築において、同社の社員が活躍している。
大手証券系SIerのオフィスで業務を行うが、派遣ではない。要求分析、要件定義から設計、製造、テスト、保守と一連の流れを任されている。同社と大手証券系SIerとの信頼関係はしっかりと築かれているという。
ERP、EC、CRM等・・有名製品導入の上流工程に携わる
「ERP」分野と「EC」「CRM」関連分野については、住商情報システムグループと強いタッグを組んだ事業展開を行っている。
「ERP」に関しては、住商情報システムの基幹商品「ProActive」のカスタマイズ・導入開発を行う。導入コンサルティングから要件分析、カスタマイズ開発、導入、ヘルプデスクまで、同社の社員がプロジェクトマネジメントを行っている。顧客先での上流工程作業、詳細設計~導入サポートまでのプロジェクトを中心に、同社のエンジニアが中心となって進行していく。また、カスタマイズだけではなく、標準導入プロジェクトにおける運用ソリューション提案、教育、サポートも手掛けている。
なお、住商情報システムでは、「ProActive」だけでなく「Oracle EBS」、「SAP」なども扱っており、これらに関する技術を持ったエンジニアの育成も強く要望されている。このため、ERPのエキスパートを育てていくことも今後の同社の重要なミッションとなっていると、業種ERP事業部事業部長補佐馬場孝行氏は説明する。
「EC」「CRM」関連分野については、パッケージベンダーの営業に同行し、要件定義、パッケージと業務のフィット&ギャップ分析、設計、開発、保守までを一貫して行う。エンドユーザは百貨店、アパレル、化粧品など。この業務でのやりがいは、出来上がったものが動いているのを、知り合いに見せられることに尽きるだろう。色々な顧客と実際に顔を合わせて設計を行っていくため、業務知識も幅広く身につく。新技術の実装を任されることもあり、勉強するべき事柄には欠かないようだ。
「これらのパッケージソフトは知名度の高い、汎用的なものばかりなので、これらをマスターした当社の社員の市場価値は相当なものだと自負しています。」と馬場氏。
同社の九州開発センターでは、開発と保守を中心に担当している。このため、東京の社員は上流工程に特化するケースが多いのも特徴だ。
事業部長補佐 馬場 孝行 氏
人を大切にする会社
創業当時、ソフトウェア開発さえやっていれば儲かった時代、社員はおざなりにされていた。そこから次世代を見据えて出資をしていた現社長の森永 守房氏が経営立て直しに着手する。会社とはすなわち人である、人を大切にすることこそが会社の成長に欠かせないという同氏の信念により、様々な改革がなされ、そのときに醸成された社風は今もなにひとつ変わらずに残っていると言う。
同社の経営理念は「若・熱・創・豊・然」。その意味するところは、「若」々しさから生まれる新発想、「熱」い情熱から生まれる可能性、「創」造的好奇心から生まれる新技術、「豊」かな生活を地球にもたらすシステム構築、画一化されない自「然」な環境での自己実現の機会を与える企業。
これらを実現するために、日々の同社の活動は行われているのだと言う。
現在、安定した事業を行っている同社だが、今後さらに拡大の弾みをつけたいと考えている。そのために一緒に同社を盛り上げて行ってくれる人材には大きな期待を寄せている。