株式会社ソーシャルインテリア

生活や仕事をする上で、欠かせない「家具」。クオリティーも価格も様々な家具を、これまでとは違った形で利用するサービスを提供している会社がある。家具のサブスクリプションサービス『サブスクライフ』を運営する、株式会社ソーシャルインテリアだ。

『サブスクライフ』は、支払い総額が定価を超えない家具/家電のサブスク・レンタルサービス。月額500円から、利用期間も自由に選べる。商品は全て新品で、利用期間終了後に「終了･返却」「購入」「継続」を選べる。

インテリア家具は、デザイン性や利便性に優れ、日々の生活を豊かに彩ってくれる。しかし、人気ブランド家具やデザイン家電は、高額な商品も多く、購入をためらいがち。そんな時でも、『サブスクライフ』を利用すれば、憧れの人気ブランド家具を月額使用料で使うことができ、気に入ればそのまま購入して所有もできる。ライフスタイルの変化に合わせて“必要な時、必要な分だけ選ぶ”という家具の新しい利用も可能だ。

国内外のメーカーと提携して、数多くの家具を揃えている点が、一般的な「レンタル家具」とは異なる。オーダーが入った時点で家具メーカーに連絡し、メーカーからユーザーへ商品が届く。在庫を抱えないビジネスモデルで経営リスクを抑えている。

ユーザーから「終了･返却」された家具や家電は、メンテナンスして2次流通に回す。ブランド家具・家電をオフプライスで買える『サブスクライフ オフプライス』を運営し、家具や家電をリユースで販売する。そのほか、家具メーカーの倉庫に眠っていたり、廃盤等の理由により通常の市場では販売できなかったりするアウトレット商品も『サブスクライフ オフプライス』で取り扱っている。

ソーシャルインテリアのミッションは「よいものを長く使う、循環社会の実現」。ハイクオリティーな調度品や用度品を利用することで、家具や家電を簡単に廃棄しない世の中を作る。そのためには、クオリティーの高い製品がユーザーに利用される仕組みが必要。『サブスクライフ』と『サブスクライフ オフプライス』の二つのサービスは、循環社会の実現へ向けた取り組みでもある。

ソーシャルインテリアでは、メーカーにリユースの収益を分配する『Program CRAFT』という制度を導入している。『サブスクライフ』で返却された家具をメーカーがリペア・メンテナンスを担当し、『サブスクライフ オフプライス』で販売して収益を分配する仕組み。これにより、「よいものを長く使う、循環社会の実現」にメーカーも参加できるのだ。

家具の新しい利用法をサブスクモデルでサービス提供しているソーシャルインテリア。『サブスクライフ』や『サブスクライフ オフプライス』は主に、BtoCのサービスである。もう一つBtoBのオフィスづくりサブスクサービスも展開している。

起業・新会社設立、オフィスの移転、増床、レイアウト変更等に伴い、企業はオフィスづくりをする。しかし、オフィスの構築は初期費用がかかり、何かと面倒な処理も多い。そこで、『サブスクライフ』のビジネスモデルを活用して、オフィスづくりをサブスクサービスで提供している。

オフィス家具のレンタルは使い続けると商品価格を超えてしまうこともある。ソーシャルインテリアなら商品価格を超えない月額料金設定。期間終了後は、「返却」「購入」「継続」を選べるのも、『サブスクライフ』と同じ。継続を選んだ場合は、サポート費用を毎月支払うだけで、災害や通常使用範囲での商品破損の保証をはじめ、メンテナンスや処分、あるいは移転先探しや増床に関する相談の専任担当が総合サポートする。

オフィスづくりサブスクサービスの利用に当たっては、豊富な商品ラインアップで経験豊富なコーディネーターがオフィス空間を提案。内装から処分までワンストップで対応し、オフィス構築後も事業の状況に応じて空間アップデートサポートを実施。フレキシブルなオフィスを提供する。効率的で働き心地の良いオフィスを構築することで、従業員満足を高められる。

また、『サブスクライフ』が循環社会を実現するための取り組みに注力しているため、オフィスづくりサブスクサービスの利用が、企業のSDGs対策になる。フレキシブルなオフィスは社員のエンゲージメント向上に寄与するが、これまでの価値観では、不要品は廃棄になっていた。オフィスづくりサブスクサービスを活用することで、オフィス家具を廃棄せずに循環モデルになるため、SDGs対策になる。

さらに、オフィスづくりサブスクサービスの利用は、初月・初年度費用の大幅削減によるキャッシュフローの改善・費用の平準化が見込める。企業会計の観点で見れば、経費処理が可能なため管理の手間を削減できる。オフィス家具を購入し所有すると、10万円以上は資産計上となるため、会計処理が煩雑となる。オフィスづくりのサブスクサービスを利用して経費計上すると、バランスシート（貸借対照表）は計上不要となり、会計処理がシンプルになる。

オフィスづくりサブスクサービスは、企業のオフィス構築に関する多くの課題を一挙に解決するビジネスモデルであり、クライアント数が急増している。同社の売上の8割近くを稼ぎ出し、今後もサービスの拡大が見込まれる。

そこで、ソーシャルインテリアでは、メンバー増員を積極的に進めている。サービス開発するエンジニアやオフィス構築支援のプロジェクトマネージャー、『サブスクライフ』のデジタルマーケティング担当、CS（カスタマーサクセス）等、複数のポジションで人材を求めている。

「正社員約50名、業務委託も含めると80名規模の会社です。平均年齢34歳で、スタートアップとしては落ち着いた雰囲気を持つ“大人ベンチャー”です。『三方良し』をバリューに掲げ、他がやれないこと、自分達だからできることに、やる意義と勝機を見出し、インテリア業界革命プラットフォームの構築を目指しています」（採用責任者・金部理恵氏）。

東洋経済すごいベンチャー100に選出、日本サブスク大賞でブロンズ賞を受賞、2020年9月、2022年3月に大型資金調達を実施し、事業拡大フェーズに入った。

「次のフェーズに進むに当たって、人材の充実が経営課題です。特に発信力の強化を必要と感じており、PMやデジマの人材を求めています。仕事の裁量は広く、やるべきことも沢山あり、メンバーはみんな志を高く持って仕事に臨んでいます。ソーシャルインテリアの事業は、新しいライフスタイル・カルチャーを作る試み。他社で培ったスキルで、存分に活躍できるフィールドがあります」（金部氏）。

2022年12月にオフィス機能を青山のコワーキングスペースに集結する。オフィス構築支援を手掛ける会社なのだから、自社オフィスを作ってショールームのように活用する手もあるが、業務の効率化を最優先した経営判断だという。

「コワーキングスペースのファシリティは業務に好影響をもたらすと考えています。コワーキングスペースのオフィススペースは、ある程度インテリアを自由に変えることができるため、取引メーカーの家具を活用して、日本で一番イケてるコワーキングスペースのオフィスを作る予定です。リモートOK、フレックスも導入していますが、スピード感を求められるフェーズに入り、オフラインコミュニケーションを大切にしているため、快適なオフィスに出社してもらいたいと思っています」（金部氏）。

家具に関連したBtoBのSaaS型の新サービスもローンチ予定のソーシャルインテリア。オフィスワークを大切にしながらも、社員のワークライフバランスを考え、リモート・フレックスで働き方を社員がコントロールできるようにしている。社割でブランド家具が買えるので、インテリアに興味がある人材には、気になる企業かもしれない。