株式会社モード・プランニング・ジャパン

1991年3月に設立された株式会社モード・プランニング・ジャパンは、日本全国にある認可保育所『雲母（きらら）保育園』や東京都認証保育所といった保育サービスと、保育・医療・福祉分野に特化した人材支援サービスの二軸を事業の柱としている。

現在、事業の中核となっている保育サービスは2001年にスタート。保育園を運営する中で、保育士等の関連人材が大きく不足している業界共通のニーズを認識し、2003年には人材サービス事業を開始。いち早く「待機児童問題」等、日本の社会的需要の大きい分野に取り組むことで順調に成長を遂げ、近い将来の株式公開を視野に入れている。

そもそも、保育園の運営は社会福祉法人や公的機関が母体となっていることが多い。その中で同社は2001年から"株式会社"として保育サービスに参入。従来の慣習に縛られることなく、時代に合った新しいモノ・コトを取り入れ、常に「変化」を続けてきた。

その一つの例が「食育」である。近年では、株式会社が運営する保育園も増え、競合大手の存在感が増す中、同社の食育は競合に対する大きな強みとなっている。法令等で定められている必要な人員配置に加えて、国家資格を持つ管理栄養士・栄養士を正社員として採用。サイクルメニューを用いず、施設ごとにオリジナルの献立を提供するなど、食育にはかなり力を入れている。

この活動により、2008年には『雲母保育園』の管理栄養士が、農林水産省が提唱する「地域に根ざした食育コンクール」で「特別賞・審査委員会奨励賞」を受賞する等しており、同園の食育は業界内外から注目を集めている。

モード・プランニング・ジャパンが保育・医療・福祉分野に特化した人材サービス事業を開始したのは2003年のこと。保育園を運営する中で保育人材の需要を実感したのが参入の理由である。

強みとなっているのは、同社が保育園を経営する中で、運営する側の課題感を何よりも切実に把握していること。加えて、自社社員の保育士と数多く接することで、保育士の気持ちの“リアル”をよく知っていることもポイントだ。単なるデータ的なマッチングに留まらず、保育園側と求職者側の双方のニーズを共有・反映させている。

同社のように、保育サービスと人材サービス事業の両方を、規模感を持って展開している企業は少ない。二つの事業が結び付くことで大きなシナジーが生まれ、同社は成長を遂げてきた。

今後に目を向けてみよう。まず、人材サービス事業だ。しばらくは、保育・医療・福祉分野では求人倍率も高く、人材ニーズが非常に高い水準で推移していくが、日本で求職者は大きく増えないといわれている。この事態に対応するには、効果的に求職者に情報提供をして、これまで以上に深く踏み込んだマッチングを実現する等、人の力とITを掛け合わせることが重要だと同社は認識している。

保育サービス事業を見ると、日本では保育園が拡大し待機児童問題も解消に向かっているため、今後、施設が増えるフェーズではない。選ばれるサービス作りをすることが大切になる。そして、保育ブランドとして『雲母保育園』の認知を高めていくことがポイント。よりWEB戦略や、広告・集客への取り組みが増えていく。

さらに同社では新規事業を立ち上げようとしており、特に海外事業に力を入れていくという。日本国内で培った経験、ノウハウを海外で展開する形だ。特に、出生率が高く、経済成長率も伸びている東南アジア各国に注目。女性の就労が増えると保育のニーズが高まるため、東南アジアのマーケットが大きくなると同社は予測する。既に、2018年にベトナムに子会社を設立して人材サービス業を開始。食育等にも注力した日本式の幼児教育サービスの展開に向けて取り組んでいる。

人材サービスの強化・保育サービスのブランディングをして、海外進出を進めていくためにも、ITを活用した「情報発信力」を今後さらに強化していくことが重要になる。

そのため、2022年4月に社内の関連部署を統合する形で「デジタル統制課」を発足。これまで、IT関連の業務は開発系とマーケティング系に分かれていたが、開発と集客を一本化して行うことで、社内の風通しが良くなり、エンジニアやデザイナー、マーケター間のコミュニケーション不足が解消されたという。

さらに、デジタル統制課がWEBでの情報発信やマーケティング等、デジタル戦略を一手に引き受けることで、関連業務の内製化も進めている。業務のスピードアップに加えて、メンバーが他の業務にも関心を持つことで交流が生まれたことにより、トレンドにマッチした情報発信が可能となっている。

現在、デジタル統制課は本社で5名ほどの規模で運営されている。ちなみに同社の約1,200名いる従業員のうち、およそ1,100名が保育園職員、保育士、管理栄養士、看護師として保育園運営事業に携わり、100名ほどが総合職として本社に勤務し、保育園の運営支援や人材支援サービスに従事している。

今後、情報発信力を強めるため、IT系を中心にさらなる人材強化を図っていく同社。国内だけでなく海外への進出を構想し、株式公開も視野に入れた大きな成長ステージに入っていくだけに、変化を恐れず、周りにある環境、仕組みに甘んじることなく、常に新しいモノ・コトに挑戦していくメンバーを募集している。

保育園の運営や人材サービスといった“人”に着目したサービスを展開しているモード・プランニング・ジャパン。この領域で大きく事業を成長させながら、社員の“やりがい”も常に追求している。自らの成長とともに会社の成長も感じられる環境で働きたいという人にはピッタリの会社だろう。