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インタビュー画像写真左から、 有馬 啓二郎氏(ブランド事業統括部門 ブランドインフラ一部 統括グループ 兼 開発グループ 副主事) 米村 美佳氏(ブランド事業統括部門 ブランドマーケティング部 コンテンツ開発グループ 主事) 髙木 萌氏(システム本部 デジタルソリューション開発部 DXテックグループ 主任) 山口 正展氏(システム本部 デジタルソリューション開発部 DXテックグループ 部長代理)

「ビジネス構築の高速化プロジェクト」の目的や概要、体制についてお教えください。

(山口氏) 近年、様々なキャッシュレスサービスが続々とリリースされ、サービスの改善も速いスピードで行われています。一方、当社は長年金融系の基幹システムの運営をベースとしており、更新等の意思決定や開発プロセスのスピード感がないことが課題でした。このままでは、会社の成長に致命的な要因になってしまう、という問題意識の下、市場ニーズや技術トレンドに即したサービスやプロダクトをスピーディーに開発していける体制をつくろうと生まれたのが、「ビジネス構築の高速化プロジェクト」です。 従来は、オンプレミス環境においてウォーターフォール型で構築していた開発体制を、安全・安心な部分は維持しつつ高速かつ柔軟に行っていくために、クラウドネイティブなシステムをアジャイルな開発体制によって構築していくという変革を行っています。 (有馬氏) 当初はサービスやプロダクト別に4チームでスタートしましたが、現在は8チームに増えています。それぞれ、基本的にジェーシービー社員によるビジネス側としてのプロダクトオーナーと、インハウスエンジニアや外部のシステム開発パートナーのエンジニアで一つのチームをつくり、一緒になってスクラム開発しているところが当社としては画期的です。我々4名は、そのうちの1チームのジェーシービー側のメンバーです。

貴チームでは、どういったプロダクトを開発しているのでしょうか?

(米村氏) 「ブランドキャッシュバック」という、JCBブランド会員がカードを利用したら、何%かを後日お戻しするというプロダクトです。最近登場したQRコード決済はどこもそうしたキャッシュバックを行っていますが、JCBブランドとしてもそれに対抗し、お客様のニーズにお応えすべく「ブランドキャッシュバック」を導入して競争力をもったうえで、今後プラスに持っていく機能更新を図るというステップを考えています。 (有馬氏) 「ブランドキャッシュバック」は海外向けと国内向けに分け、チームを分けて担当しています。海外向けは私がプロダクトオーナーを務め、3カ月先行して開発しています。そこに国内向けと兼務の山口が加わり、海外向けの開発経験を国内向けの開発にフィードバックするという役割を担っています。また、国内向けの開発で得た気付きを海外向けにフィードバックするという機能も発揮しています。つまり、開発プロジェクトを海外向けは前からリードし、国内向けは後ろから押すという機能分担をしていることになります。

どういった開発手法で行っているのでしょうか?

(髙木氏) ビジネス側と開発側が一つのチームになってスクラム開発しています。開発基盤は全体的にGCP(Google cloud platform)を採用し、インターネット関連サービス提供会社に所属しているスタッフにもアドバイスで加わってもらい、マネージドサービスをフル活用するクラウドネイティブで構築しています。 とはいえ、いっぺんに全てを変えるのではなく、レガシーの良い部分を残しつつ、プロダクトやサービス単位で新たなシステムを構築して連携を図るというスタイルを取っています。難しいところは、まさにその連携を図る部分。システムのつくり方が違うので、テストをどう行うか苦労しました。また、堅牢でなければならない金融系のシステムに求められる様々な規準を守りつつ、スピードも上げていかなければならないところのバランスをどう取るかも難しい問題でした。そのあたりは全員で知恵を出し合ってクリアしていきましたね。 (米村氏) お客様に選ばれるより良いプロダクトとはどういったもので、それをどうつくればいいかということを全員で話し合いながらゴールを決めてきました。そこが非常に斬新であると感じています。 元々、長い歴史の中で培ってきたサービスやお客様の基盤の中に、新しい価値を掛け合わせていくところに面白さを感じています。この開発スタイルは、時代の流れやお客様の意見を柔軟に吸収し反応を確かめつつ改良していくのに適したやり方だと実感しています。

プロジェクトの雰囲気や、チームづくりで心掛けていることは?

(有馬氏) 発言しないと考えていることが分からないので、誰でも好きなことが言える心理的安全性を感じられるよう努めています。とは言え、目指す方向がバラバラでは元も子もないので、押さえるべきことは押さえての上のことですが。 (髙木氏) 私は2021年4月に中途入社したばかりですが、とても和やかな雰囲気だと感じています。ビジネス側と開発側の壁が一切なく、いい意味で気を遣わなくて済む雰囲気がありますね。勤務形態はリモートが基本で、オンライン会議システムを繋ぎっぱなしにしていますが、毎週金曜日は出社してリアルなコミュニケーションを取っています。 (米村氏) オンライン会議では言い出すタイミングが取りづらくて言葉を飲み込んでしまうことがあるので、やはりリアルに対面してコミュニケーションを取る時間も重要ですね。特にスクラム開発ではなおさらだと思います。 (山口氏) 学ぶという点では、GCPに触ったことがない人のためにハンズオンの研修を実施する等しています。また、勉強会を開いてそれぞれのメンバーの得意分野を話してもらったり、カンファレンスに参加した人がいたらそこで学んだことをフィードバックしてもらい、皆で議論する等をよくしています。

プロジェクトの今後の展望についてお話しください。

(有馬氏) プロダクトは、APIで外部と接続しやすい基盤上に置いています。今後、サードパーティー等多様な外部と接続し、新たなサービスをどんどんつくり出していきたいですね。 (山口氏) 当社の主な事業領域として、会員を募集してカード発行の拡大を図る「イシュイング」、加盟店を開拓する「アクワイアリング」、ブランドを広め浸透させる「ブランド」の3つがあります。 現在は、当社の強みであるブランド事業領域を中心としたサービス開発を実施していますが、いずれ、他の事業領域にも、このプロジェクトを広めていきたいと思っています。

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