これまでのキャリアについて教えてください。
当社を創業するまで、大手コンサルティング会社でコンサルタントとして仕事をしていました。 最初の勤務地は米国のシカゴ。製造業やサービス業のお客様を相手に、若さに任せてとにかくがむしゃらに動き回りました。「難易度の高いタスクにチャレンジし、結果が出ればより難易度の高いタスクへの挑戦の機会を与えてくれる」という恵まれた環境で伸び伸びと仕事ができました。 その後、日本に帰国し初めて国内でコンサルティングプロジェクトに配属になったのですが、そこでメインのお客様となったのが某都市銀行。独特の慣習が息づいている世界で、稟議書類にハンコを押す欄がなんと「コ」の字形にずらっと並んでいる。これはなんだ!という感じで……(笑)。 そんな環境が肌に合わず少々エネルギーを持て余していたころに配属されたのがハイテク関連の製造業でした。ものづくりに携わる職人気質のエンジニアを中心としたお客様に戸惑いつつも、それまでとは違う世界が開けたようで新鮮な気持ちになりました。大学時代にソフトウェア工学を専攻していたことも惹きつけられる要因になったのかもしれません。
それがビジネスキューブ・アンド・パートナーズの設立に結びつくわけですね?
お客様が困っていることにもっと踏み込んでコンサルティングをしたいという気持ちと、私の親も会社を経営しており、起業することに抵抗がなかったことが大きいですね。 それから忘れてはならないのは、アクセンチュアを辞めても、引き続き私に対して仕事を依頼してくださった方がいたということ。正直、起業するにあたってはまったく違う業種を手がけることも視野に入れていたのですが、そのお客様の存在は独立してもコンサルティングの世界で仕事をするきっかけになりました。まさに恩人と言える方ですね。
仕事を行う上で心がけていることは何ですか?
「相手の困っていることは何だろう?」「それに対して自分は何ができるだろう?」という非常にシンプルな考えをすべての出発点にしています。 ただし「困っていること」の種類は多種多様であり、ただやみくもに動いては満足な成果を得ることはできません。お客様が「困っていること」に気付き、それを分析・体系化しながら、解決への道筋を描くとともに、自社で解決できることなのか、パートナーに頼むべきことなのか、きちんと取捨選択するように心がけています。いい意味でメリハリが大切ですね。 自分の興味はものづくりの世界にある。そして、ものづくりの世界で苦労しながらも仕事に打ち込んでいる職人気質のエンジニアに対する尊敬の気持ちと、少しでもお役に立ちたいという想いが根底にあります。
ビジネスキューブ・アンド・パートナーズの「青写真」とは?
一つの理想として思い描いているのは、「コンサルタント」としてスタートしたメンバーが成長し、第三者へのサポートを通じ自らが新規事業の企画や実行といった形で主導的にビジネスを動かす「プロデューサー」へと成長して行ける、そんな挑戦を行う仲間たちが集う場所、にして行きたいと考えています。そういう意味では、今はまだ道半ばにも達していない状況ですが、昨年社員の中から海外現地法人の代表者が誕生した成功事例を活かして行きたいと思います。 メンバーには当社という「場」が楽しいことに気付いてもらって、アピール次第でいくらでも環境を変えていけるのだから、幸せになるために活用してほしい。
プライベートな時間に楽しんでいる趣味などはありますか?
1年半ほど前からテナーサックスを始めました。音色がいいなと思って。かつて競泳などで鍛えた肺活量も活かせるかなと。でも、まだ皆さんに披露できるレベルではなく、休みの日に妻に車でカラオケボックスまで送ってもらって、こっそり一人で練習に励んでいる次第です。当社のメンバーはたぶん知らないと思いますよ。 会社とサックスを比べて成長の具合はどちらが上か?うーん、会社のほうが圧倒的に上をいっていますね(笑)。でもいいんです、姪の結婚式で演奏するのが目標ですから。ちなみに姪はやっと小学生になったばかり、まだまだ時間はたっぷりあるので大丈夫かな(笑)。