目指している企業像をお話し下さい。
人に、安心安全を与えるということは非常に大切だと考えています。ただ、軍事利用や犯罪等に利用される危険もある技術ではありますので、そのリスクは常に考えておかなければいけません。 その考え方の背景にあるのは、前職時代に教え込まれた水道経営の考え方です。私は電機メーカーに入った人間ですので、その頃に学んだことは受け継ぎたいと思っています。開発中のチップはそれに近いところがあります。安心安全を与えるチップを、世の中にタダに近い価格で売っていくことで、世の中に貢献していきたいと考えています。 目の前の利益だけを追い求めてしまうといずれ破綻してしまいますが、人のためにモノを作るなら方法は色々あります。会社でやっていくには、そういう考えをしないと誰もついてきません。特に国から助成金やJ-Startup(経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム)に選んでいただくなど様々な支援をいただいているということもありますので、社会の公器とならなければいけないと考えています。
貴社のビジネス展開において、ビジョンを教えて下さい。
まずチップのハードウェアに関しては、色々なものに組み込まれて、1つのビジネスにはなっていくと見込んでいます。そのためには現在のGPUとの比較で1/100といった劇的なコストダウンを実現しなければいけません。見守りカメラやドライブレコーダー、ドローン等、身の回りの至るところに当然の如く入って行って、エッジ・プロセッサの代名詞的な存在となることを目指していきます。 一方で、私達がハードウェア以上に有望視しているのがソフトウェアビジネスです。サブスクリプション型のビジネスモデルを構築することでハードウェアビジネスよりも高い収益性が見込めるビジネスになるでしょう。
高田社長が技術者として大事にしてきたことをお話し下さい。
こだわりです。誰もやらないことを一番にやるということが大事です。今はベンチャー企業なので特に尖がる必要がありますが、前職時代も必ず何か新しいものを取り入れろと教え込まれました。例えば携帯電話の場合は、私はグラフィックスをやっていたので、ゲーム性能に神経を尖らせていました。当時製造されていたゲーム機の回路をそのまま携帯に持ってきて、3Dゲームを出来るようにしました。「2位じゃ駄目なのですか」という考えでは、何も作れないだろうと思います。
社員に求めること、またモチベーションアップのために工夫をしていることはありますか。
会社がまだ小さいので、私が言う前に動いていただけるのが嬉しいです。弊社はどちらかというと言いっぱなしのところがありますので、逆に「この事業はこうしましょう、この部分は僕がやります」という風にリーダーシップを発揮していただきたいと思います。 モチベーションアップのために工夫をしていることは、いかに良い仕事を与えて、本人が成果を出すことで満足してくれるかだと思っています。多分、ベンチャーに入るエンジニアは、やりがいを見つけに来る人が多いので、それをいかに作ってあげるかが大事です。仕事は一杯あるので、オーバーフローにならないよう、適材適所を考えながら割り振っています。
最後に転職者へのメッセージをお願いします。
我々が作っているチップは、万人が意識せずに持っているものになるでしょう。いわゆる縁の下の力持ちですね。ただ悪用もできるものなので、しっかり理念を堅持してやっていく必要はあると思っています。 そういった中で求めるエンジニアは、高校生から年配の方まで、あまり制限を設けようと思っていません。逆に幅広い方が良いと考えています。軸があるとすれば「破壊と創造」をしてくれる人です。世の中の当たり前を打ち破って、新しいものを作って行く人を求めています。そのための環境は整えていきますので、我こそはと思う方は是非ご応募下さい。