起業のきっかけについて教えて下さい。
「起業したかった」という思いよりも、「やりたいことを実現するためには起業という方法が最善だった」というのが正直なところです。エンドユーザーが自由にシステムを使いこなすことで、よりスピーディーにより価値の高い仕事ができるような環境を作っていきたいというのが、起業して「StiLL」という製品を作った一番の理由です。 会社設立から17年経ちますが、1日として同じような日はありません。日々、色々な方から刺激を頂いたり、新たなテーマを発見したりと、本当に飽きることなく仕事に取り組めているので、幸せだなと思います。 起業する前は大企業で働いていましたが、会社の仕組みのなかで、それなりに役割が与えられ、そこにソリューションテーマを見出して仕事をする事はやっていました。ただ本当に役に立つ事と、ビジネスに適応させる事は難しいものです。自分の意志が、自分でやりたいことを見つけて実現していく方にすすんでいった状況では、選択肢は企業しかない事になりました。自分に価値観がありかつそのことが好きであれば、何歳になっても自分がやりたいことに挑戦し続けられるような人間でいられると思いますね。
「StiLL」という製品は大変多くのユーザーに支持されていますが、システムを開発される上で大切にしていることは何ですか?
システムを「どのように使うか」をまず一番に考えるということでしょうか。 起業前に営業経験が長かったからか、お客様と技術者の間に立って、両方の立場で考えることの重要性を常々感じていました。 新しい技術が次々と出てくる今、その新技術をどのように活用してもらうかという技術よりの視点も非常に大切だと思いますが、仕事・業務の視点が抜けてしまい、技術者の自己満足で終わってしまってはいけないと思います。 ITを活用することによって、既存の業務をどのように改善していくのか、ITを使ってお客様が実現したいことをどのようにサポートしていくか、ということを最も大切にしています。
内藤様ご自身が仕事をする上で大切にしていることはどんなことですか?
「日々教えられる」ということです。起業してからの17年間で1万5千人以上の人と出会いました。全ての出会いを記憶しているわけではありませんが、本当の気持ちで真実の会話になった人のことはよく覚えています。技術との出会い、人との出会いが綿々とつながって、今の自分があるということを実感しています。 何歳になっても新しい自分になれるんだということを体験してきましたし、50歳を過ぎてからやっと「勉強」がどういうことなのかわかった気がします。日々学ぶことで、追求したいことや目標も変化してきました。「起承転結」ではなく「起承転々」の真最中です(笑)。
理想の組織像について教えて下さい。
お客様にとって価値のある組織であり続けたいと思います。お客様に負けない組織と考えます。だからこの組織は常に成長しないと成り立ちません。また変化に柔軟に対応できる組織が理想ですね。少数精鋭で、技術的にも人間的にも「強い」組織を目指しています。 一人ひとりの社員に対しては、単価に換算される「作業者」でいてほしくないという気持ちを強く持っています。人間らしく、クリエイティブな仕事ができるエンジニアでいてほしいですね。 それぞれの社員が、新しく創造することを含めて、常に最善を尽くす姿勢を持ち、その中から発見もあり、自分の能力を存分に発揮できるような会社であり続けたいと思います。