新坂 満氏

業務パッケージメーカーと近しい存在であることが強み！

実は子どもの頃は話し下手で、もっぱら聞き役に回るほうでした。人前に出るのも嫌いだったのです。そんな性格は学生の頃まで続きました。ところが、大学に入学すると、そんな私が応援団に入部させられそうになりました。困り果てていたところを助けてくれたある先輩がゴルフ部の部員で、こんどはゴルフ部に誘われることになったのです。家は裕福ではなかったので、ゴルフなど高嶺の花と思っていたのですが、先輩の「そんなに金はかからない」という一言を信じて入部することにしました。興味があったからです。入部してみるととても面白く、のめり込んでしまいました。そして3年の時には主将を任されるまでになり、集団をまとめていくことの面白さを感じるようになったのです。今思えば、部員が優秀だったのに自分が「うまくまとめている」と勘違いしていたのだと思っていますが（笑）。その頃から、いずれは社長をやってみたいと思うようになりましたね。 趣味のゴルフは、結果的に仕事に大いに役立っています。一部上場クラスの企業経営者とラウンドさせていただく機会もありますし、楽しくラウンドすることで「また新坂と回ってみたい」と思っていただけます。ゴルフ場では最後にお風呂に入るので、まさに“裸の付き合い”ができます。あの時、私を助けて入部を勧めてくれた先輩に感謝ですね（笑）。

ご自身の職業観、仕事哲学についてお教えください。

一言でいえば、「仕事とは、人として成長できるステージである」ということです。 もちろん、収益を上げて生活の糧を得るための手段でもありますが、それが成立するのも、お客様に選ばれてこそのことだと思います。当社が取り扱っているのはデジタルな製品ですが、お客様や我々は”人”であり、人には感情というものがあります。お客様にとって、当社の社員がどれだけ優秀であっても、挨拶一つろくにできないような人間ならば一緒に仕事をする気になどなれませんよね？そういう、人として当たり前のことを大切にしたいと思っています。ですから、採用の時も、専門知識や経験、能力などより、「こんにちは」「ありがとう」「ごめんなさい」がちゃんと言える方であるかどうかを重視しています。 大人になると言えなくなるものなのです。だからこそ、仕事は行動の必要性を気付かせ、学び直させる貴重な手段でもあると考えています。単にこなすだけの仕事ではつまらないですしね。仕事を通じて自分を磨き上げるような気持ちで取り組むと、同じ仕事でも、何倍も手応えのあるものになると思います。

社員を大切にされているとのことですが、社員への想いについてお話しください。

お客様に求められる人材になってほしい、と願っています。そのために、先ほど申し上げたように、挨拶がきちんとできて、人から好かれる人間性を備えてほしいと思っています。 当社の業務は、ある意味“指名制”です。お客様から声をかけていただかないと仕事になりません。マーケットには、最も優れたものが選ばれるという力学、原理が働いています。そういう存在になるために、人間性を磨き続けてほしいと思います。 もちろん、会社としてもバックアップします。何事も経験が大事ですから、私がお客様のところに出かける時はなるべく若い社員を同行させています。また、メーカーの製品に関する研修だけでなく、自己啓発などの外部研修にも積極的に行かせています。

来客にも気を配られていますね。

社内の会議室を利用して、よくお客様を招いて業務パッケージ活用法のセミナーを開催しています。その運営をどうするか、社員が集まって議論をするわけです。 例えば、以前（社内リニューアル前）当社は社内に入る際は玄関で靴を脱がなければならなかったのですが、お客様をお通しする際はどうするか？という問題提起がありました。いちいち靴を脱いでいただくのは、お客様を煩わせてしまいます。特に、経理や人事のスタッフは女性の方が多く、冬場はブーツで来られる場合が多いのでなおさらです。そこで、土足のまま入れるように、事務所リニューアルを機に、変更した方がよいかなどと議論して決めて、現在、会議室は靴を脱いていただくことをなくしてお通ししています。 また、冬は受け付けた者がお客様のコートをお預かりしてハンガーにかけるなど、ちょっとしたことでも気を配ろうと皆で話し合っています。そうしたことは、当社にいる間は少しでも心地よく過ごしていただきたいという思いでやっていることなのですが、そういった場が社員の人間性を少しでも磨くことになれば、との思いもありますね。

では、これからはどういった会社にしていきたいとお考えでしょうか？

変わらないのは、お客様から「ありがとう」と言っていただけることを自分の喜びにできる会社にする、ということです。カスタムメイドのシステム開発の場合、お客様にとっては出来上がったシステムは“100点”が当たり前です。そこから、納期の遵守具合、コストパフォーマンス、システム開発会社スタッフの対応などが少しずつ点数が引かれる、いわゆる“減点方式”です。それに対して、パッケージソフトの場合は“70点”からスタートする”加算方式”です。理由は、パッケージだからそれに合わせる必要があると考えて頂けるからです。そこからより100点に近づけて行けば、それは私達の評価となります。その加算点に対して、お客様から「ありがとう！」と言って頂けます。業務パッケージの仕事には、そういうアドバンテージもあるのですね。 そして、今回、“次のステージ”に進めて行きたいと考えております。新しい人材には、次の世代を担って頂きたいと思っております。そして、いろいろ提案してほしいですね。我こそはという方のご応募に大いに期待しています。