<strong>常務取締役（研究開発本部長・品質生産本部長）　大久保 善彦 氏</strong> 1955年生まれ。日本大学理工学部工学科卒業。1978年、ポリマテックに入社。1993年、同社取締役に就任。同年、常務取締役就任。

大久保氏は新卒社員第一号の技術者だとうかがいましたが…。

かつて当社は工業用ゴム製品の注文を受け、外部の工場に作らせて、それを納品するという商社的な役割の企業でした。しかし、私が入社した年に社長が交替したことをきっかけに、独自の技術を持ち、新商品を開発するメーカーとして再スタートを切りました。そこで、技術を担当する人間が必要となり、私が新卒社員第一号の技術者として入社したわけです。「絶対に世界一の製品を作る」という社長の大きな夢に向かって、我々は一丸となって業務に取り組みました。 それと同時に、我々と思いを共有できる社員を採用するため、北は北海道から南は熊本まで、各地の大学を駆けずり回り、自ら採用活動を進めました。そして時間をかけ、社員一人一人の心に社長と私の思いや情熱、 “ポリマテックDNA”というべきものを刷り込んでまいりました。今や、その当時のメンバーが技術部門の責任者となり、今度は若い社員たちにポリマテックDNAを受け継ぐ役割を担っています。

技術者にとって一番必要なものとは何ですか。

“情熱”だと思います。「こんなものを作りたい」という熱い思いを持ち、とことんそれを追求し続けていく姿勢が技術者にとっては何よりも重要です。壁にぶつかっても決して諦めず、その壁をぶち破るか、あるいは他の方法を模索して到達点にたどり着くことが使命だと思います。言葉は悪いですが、仕事に対してバカになれる人間を、当社は望んでいます。現在、約100人の技術者が在籍していますが、彼らに情熱を持ち続けさせることが、上司としての私の最重要任務だと考えています。 職場では義務、ノルマ、命令という形で仕事をさせることは決してありません。社員の主体性、自主性を何よりも重要視し、自分で本当に興味があることに情熱を持って取り組める職場環境が整っていると思っています。また、技術者は常に勉強が大切です。いつも多方面にアンテナを張り巡らせる、どんなに忙しくても１日数時間は勉強の時間に充てる、専門の書籍を読み、自分のものにする。そういったことを習慣づけていくことがスキルアップのための重要課題だと思います。私も若い技術者には事あるごとに「勉強しろ、勉強しろ」と言っています。また自分が興味を持って参加したいというセミナーなどには積極的に送り込むようにしています。

御社の技術者の仕事の進め方を教えてください。

3ヶ月ごとに一人一人が現在の仕事を見直し、自分自身のテーマを設けて企画書を作ります。この、自らテーマや目標を立てるという作業が何よりも重要なのです。何が何でも達成しようという意欲が生まれますから。企画書にはこの期間にこれだけのことをして、これだけの予算を使うという具体的な内容を書き記し、それに添って業務を進めていきます。上司からの指示を受けて受動的に働くのではなく、自分の仕事の管理は自分で行うというのが当社のスタイルです。もちろん予算管理も自分で行います。100人という少人数の技術者集団で大企業と勝負するには、一人一人が主体性を持って業務を行わなければ不可能なのです。 残業時間もそれぞれの技術者によって大きく異なります。コツコツとデータを積み上げながら仕事を進める人間もいれば、一瞬のひらめきを元に集中して仕事に取り組む人間もいる。そういった個人のスタイルに任せています。今まで、そのようにして業績を伸ばしてきました。当社のモットーは世の中に無い新しい商品を作り続けること。そして、「新商品の売り上げ比率が総利益の50パーセント以上になること」という、他社ではあり得ない厳しい目標を掲げていますが、ほぼ毎年、その数字をクリアしているのです。

後、どのような企業になることを目指していますか。

ひと言で言うと「世界のチャンピオン」。どんな小さい分野でもいいから数多くのナンバー1を獲得したいと思っています。現在も、世界シェアナンバー１の商品を数多く出していますが、それをもっともっと増やしていきたいですね。この業界はナンバー１だけが多大なメリットを受けることができるのです。 2002年、サッカーのワールドカップが日本で行われた年に、当社では「グローバルトップ11」という目標を掲げました。11人の優秀なサッカー選手がいれば日本が世界一になることも夢ではありません。それと同じように当社も「11個の世界ナンバー１を持とう」と提案したのです。2008年現在、その目標は達成に近づいています。今はもっともっと上の目標設定を思考中です。

どんな人材を求めていますか。御社を希望される方にメッセージをお願いします。

夢を追える人、我々と価値観を共有できる人にぜひ入社していただきたいと思います。多くの企業では、いろいろな面で抑圧された中で技術活動をしているのではないでしょうか。当社は若い技術者たちが中核となり、生き生きと仕事ができる自由な職場環境が整っています。また、目標に向かって突き進む一体感も強い会社だと思います。ぜひ、我々と一緒に世界のナンバー１を目指してください。