<strong>人事総務部 統括部長 長谷部 勝 氏</strong> ソニー・ヒューマンキャピタルの人事責任者である長谷部氏に、採用に関するポリシーについてインタビューを行いました。

御社の人材に対する考え方について教えてください。

当社のお客様は、5万人のソニーグループ社員が基本ですが、その家族を含めると10万人規模になります。それに対して、社員360名ですべてをまかなっていきますので、一人一人が担当領域の専門性を高めつつ、常に組織一体となって、最良な策を提供する志を持って臨まなければ立ち行きません。当社のサービスの原点は、相手が望むものを理解し、その人の立場で物事を進めることですから、察する・慮るという人としての力を最重要視します。知識や専門領域の習得はその後のプライオリティになりますが、これも非常に大切です。なぜなら、それがなければ相手の期待に応えることはできないから。「助かりました、ありがとう」という言葉をもらうために、日々努力し、自分自身も成長しようという人材を当社では必要としています。

御社での仕事のやりがいについて教えてください。

何よりも、人の役に立ちたいという思いで入社してくる人ばかりですから、そのような思いは必ずかなえられる、というやりがいがあると思います。また、先ほど申し上げた通り、常に向上心を持って自分を磨き、業務に取組むことが大切な職場ですから、同時に自分の価値を高められることも、大きいのではないでしょうか。 ソニーグループは「出入り自由」な、人が流動する企業体です。その意味でも、当社で経験を積み、資格を取って、次なる飛躍を目指して辞めていただいても結構なのです。それくらいのやる気を持ってきていただけると良いですね。

御社の組織文化はどのようなものですか。

それを説明するには、まず最初に、当社の2008年のキーワードとして掲げられている「輝く」というものをご紹介しなければなりません。ソニーには、斬新な技術、世界で熱望されるプロダクトといった「輝き」があります。一方、当社の輝きは、製品ではなく社員の「行為」にほかなりません。輝きをもった行為を積み重ねることで、輝く組織、文化を築きたいと考えています。当社の事業はまったく異なった専門領域を有する組織機能の集りですが、この輝きを得るために一丸となって努力します。 また、業務の間に関連性はなくとも、「顧客満足」という共通言語のもとに全ての行為がつながっています。 当社には、「CSAA（Customer Satisfaction Action Award）」という制度があり、マニュアルにはないが相手を慮ったもう一つ上の気遣い、行為を行った人を表彰しています。これは、会社の品格である「社格」を上げるためにも機能しています。 毎月、各部門からその月に顧客満足度の高い行為をした人を推薦し、各部長が表彰者を決定します。社員同士がお互いの仕事に関心を持ち、ほめあう事は会社の一体感を醸成していると思います。ごく何気なく行った行為を誰かが見ていて、ほめられるということは、なかなか嬉しいことですよね。時には、「ちっともほめてくれない」と私にぐちを言ってくるような社員もいますけれどね。