株式会社ABILITIST

フォトリアル品質の3DCG制作やVRを含めた動画制作などの3DCGを軸に、インテリアやライフスタイルのビジュアライズ領域で成長を続けている株式会社ABILITIST。代表取締役・CEOの松上明弘氏が2016年に設立した同社は、当時から手掛けてきたインテリアを軸としたデザイン活動で評価を獲得してきた。その同社では現在、3DCGやビジュアライズに特化したチーム『LIT design』における活動を積極化させている。

『LIT design』では、インテリアメーカーやライフスタイルブランドをメインクライアントとし、ビジュアルコンテンツによるブランドの可視化を行う。
主な案件に関しては大手メーカーからの直接オーダーを受ける形となっている。制作に関する依頼や相談は増えており、期待が寄せられている様子だ。その活動に関して、代表の松上氏は次のように説明してくれた。

「精度の高い1つのプロジェクトを実施する際に、各分野の最先端を走っている一流のプロが集まります。表面だけでなくブランドの主張や文脈も含めて、クリエイティブに一貫性を持たせるために、各社が協業する体制をとることが多いのですが、当社はそのビジュアル担当として参画するという機会が多いです。社内や業種の枠を超え、各分野を突き詰めている方々とのプロジェクトはとても刺激的で魅力的です。要望や相談を含め、もっともっと高みを目指さなければと日々、目まぐるしくも恵まれた環境です」。（松上氏）

制作実績から生まれる高い信頼性、品質が評価され、数多くのプロジェクトにアサインされている同社。その強みは何よりも質の高い成果物を作る執念にあると語る一方で、松上氏は次のような自社の特徴も語っている。

「制作に関する高い目標を掲げ、成果物はもちろんその到達に向けた姿勢や過程も大事にしています。また、新規クライアントさんの獲得に関して営業と制作を分断はしておらず、得意な人や適性に応じて役割や担当は明確にしますが、あくまでクリエイターの集団です。私がメーカー様の立場なら、やりたい事や作りたいものの情熱を制作する人に直接共有したいし、逆にクリエイティブに対する拘りやそれぞれが考えるベストなアイデアをぶつけて欲しいと思うからです。（松上氏）

制作の品質を強みにしながら、CG制作というフィールドで事業を拡大させている同社だが、今後も『LIT design』の活動をより活発化させる予定だということだ。

「CG制作に対するニーズは高まり続けています。その背景には、メタバースやNFTアートといったトピックによって注目度が増したということもありますが、何よりも人々がCGに触れる機会が多くなりました。映画やゲーム以外の、SNSでもCGを駆使するようになったことから敷居が下がっていると実感しています。最近では生成AIによって、ビジュアライズ業界も変革し始めました。一般のユーザーはもちろん、多くの企業様がCGやAIを理解する土壌ができ、技術的な“ここまでならできる”という基準や予算感への理解にもつながっているのではないでしょうか」。（松上氏）

CGという表現手法が一般化することでその展開性への理解も深まり、仕事としての可能性も大きくなっているというのが同社の考えだ。そのチャンスを捉え、質の高さを価値として世の中にインパクトを与えていきたいというのが、同社の考えである。『LIT design』の立ち上げメンバーであり、3DCG制作に関する自身のキャリアを発展させるために同社に転職したCOO・クリエイティブディレクターの植村明斗氏は、同社での業務にある魅力について次のように語ってくれた。

「私自身は、コマーシャル系のCG制作会社に在籍していましたが、ライフスタイル領域のビジュアライズ表現をどこよりも尖らせていくというビジョンに共感して当社に入社しました。『LIT design』では、たとえばインテリアや家電、家具などの限定された領域だけではなく、形のない商品を対象としながら抽象的に表現するという活動ができるはず。幅広い制作ジャンルにおいて、CG技術やAIでニーズに応えることができる、そしてあらゆる業界・メーカーをはじめ、潜在的なクライアントにアプローチできるという面白味が、当社の業務にはあると思っています」。（植村氏）

形のない商品・サービスをも抽象的に表現できるCGの可能性を追求し、あらゆる業界のクライアントにアプローチしながら自社の価値を展開することができる。同社では、その魅力やビジョンに共感できるクリエイターを迎えながら、関わる全ての方々からの『LIT design』への期待に応えていきたいと考えている。自社で力を発揮してもらうメンバーについて、松上氏は次のような人物像をイメージしているという。

「CG制作業界で5年以上キャリアを積んだような経験者で、特定の何かで誰にも負けないスキルやセンスがある方。建築やライフスタイルに興味を持ち、こだわりの中で暮らしている人や写真がうまい人、センスのある人に積極的にお会いしてみたいと思っています。そんな方々に、新たな価値を生むようなクリエイティビティを発揮していただきたいです」。（松上氏）

これまでCG制作に関するスキルを独学で身に付けた方、写真やアートに触れてきた方々に関しても、門戸は開かれていると語る松上氏。幅広い人材にチャンスがあるのも、クリエイティブに懸ける思いを持ち続ける、モノづくりを“作業”として考えない創作意欲を重視するといった、同社の社風があるからこそだろう。その点に同意を示しながら、植村氏は次のような思いを語ってくれた。

「当社では、いいモノをつくるためのこだわりを何よりも大切にしています。そのこだわりに共感し、個人レベルでもトレンドを研究しながら“何がいいモノなのか”を常に考え続けられる方に、ぜひ加わっていただきたいと思っています。ご自身のフィーリング、思いを大事にしながら、こだわりを持って取り組んでほしいですね」。（植村氏）

創作意欲、こだわりに加え、同社が大切にしているマインドについて、松上氏は次のように語っている。

「変態レベルでCGや何かしらを突き詰めていても、会社の方向性や求められるものが違えば評価さない事は当然あるかと思います。ビジョンに共感して、裁量を持ってやりたい方にぜひぼくたちのチームや環境を知っていただきたいと思います。自分たちが磨き上げたもので、常に“何かを仕掛けていきたい”という意識を持ち、そして“自分にしかできない事”を考え、追求していくことを目指しています。そんなベンチャーマインドを持ちながら、自分自身とチームの未来を切り拓いていって欲しいです」。（松上氏）