強固な経営基盤、大手企業との取引実績を武器に躍進する開発企業の強み

1985年の設立以来、携帯電話等の各種情報端末、車載機器等の組み込みシステム開発に高い技術力を発揮し、企業としての成長を続けてきた同社。

2020年にはJASDAQ市場への株式上場も果たし、強固な経営基盤、そして各業界の大手企業との取引実績を武器に、現在も堅調な事業展開を継続している。
1985年の設立以来、携帯電話等の各種情報端末、車載機器等の組み込みシステム開発に高い技術力を発揮し、企業としての成長を続けてきた株式会社ゼネテック。2020年にはJASDAQ市場への株式上場も果たし、強固な経営基盤、そして各業界の大手企業との取引実績を武器に、現在も堅調な事業展開を継続している。
現在の同社は、CAD等の3Dデータをもとにしたオフライン・ティーチングやシミュレーションに関するシステムを開発するエンジニアリングソリューション本部、製造業や流通業に対する作業現場のレイアウト・人員配置をデジタルツイン技術によってシミュレーションするDX事業本部、自社開発の防災アプリとして携帯キャリアのプラットフォーム上で人気上位を獲得している『ココダヨ』を展開するココダヨ事業本部、そしてソフトウェアとハードウェアの両面から顧客企業の開発ニーズに応えるデジタルソリューション本部という、4つのビジネスドメインによる事業に注力している。中でも、同社の高い技術力を象徴しているのがデジタルソリューション本部の活動である。部門をマネージメントする小川隆史氏は、その事業内容について次のように語っている。
「デジタルソリューション本部では、ソフトウェア、ハードウェアの両面における受託開発に加え、デジタルサイネージに関するIoTプラットフォームの構築等、幅広い領域の開発に取り組んでいます。売上の比率で言うと、自動車業界向けのソフトウェア開発が活況となっている現在は、オートモーティブ関連の開発が約3割、IoTやカメラ等に関するシステム開発が約3割となっており、それ以外には発電プラントのシステム評価といったプロジェクトや半導体製造企業向けの基盤・ハードウェアのご提供といった業務を担っている状況になっています」(小川氏)。
その事業展開において特徴的なのは、デジタルソリューション本部の事業の関しては一次請けのプロジェクトのみを受託している点にある。クライアントとなっているのは、製造業界における最大手メーカー、そして自動車業界のメーカーや “Tier1”と呼ばれる企業からのニーズに応え、直接取引を行っているという現実が、同社の技術力の高さ、そして強固な信頼性を物語っていると言えるだろう。
「当社は、社員数300名規模の企業ですが、その規模でソフトウェアとハードウェアに対応できる珍しい存在だと言えると思います。エッジとクラウドをセットにしたシステム開発をワンストップで担える対応力、そして大手企業の開発に関しても最上流の部分から携わることができる技術力が評価され、それを強みとしているのが我々の最大の特徴だと言えるでしょう」(小川氏)。
企業価値の向上を目指すビジョンを掲げ、人員増強に注力する今後の展開

同社の事業展開を支えるのは、オフライン・ティーチングシステムを開発するエンジニアリングソリューション本部、製造業や流通業へデジタルツイン技術によるシミュレーションを提案するDX事業本部、自社開発の防災アプリ『ココダヨ』を展開するココダヨ事業本部、そしてソフトウェアとハードウェア両面の受託開発を担うデジタルソリューション本部という、四つのビジネスドメイン。

その中で、同社の技術力の象徴的存在であるデジタルソリューション本部は人員拡大を目指した活動を進めている。
直近の目標として、企業としての価値を表す時価総額を500億円に飛躍させる「Vision500」というコンセプトを打ち出している同社。そのコンセプトを形にするための今後の事業展開について聞いたところ、小川氏は人員の拡大と同時に、開発事業の進化を目指す考えを示している。
「自動車業界を例に挙げると、自動車に関するシステム開発に関しては一つのカテゴリーに属するプロジェクトをトータルに担うことで、受注側はもちろん、発注側であるクライアント企業にもメリットがあります。しかし、その受注を実現するためには人員規模を大きくする必要があり、そのプロジェクトをマネージメントする人材も増強していく必要があります。そのために、私達は“分母”を増やしながらクライアントから大型の案件を受注し、その最上流からの構築に携わっていくことを目指しています。また、自社のIP(Intellectual Property)を獲得しながらライセンスビジネスにもチャレンジする等、受託開発の取り組みから事業の幅を出し、また人員体制の強化によってボリュームを増やすという取り組みにも注力していきたいというのが、私達の考えなんです」(小川氏)。
同社の開発事業に携わる中で感じられる面白味は、一つには自身が手掛けたシステムやプロダクトを身近な環境で目にすることができること。小川氏は「家族に小さく自慢できるんです」と笑うが、世の中に広く普及しているモノに関われることは、開発を担当する技術者のモチベーションを支える重要なポイントだと言えるだろう。そして小川氏がもう一つ挙げてくれたのが、同社ならでは環境が可能にする“チャレンジすること”の面白さだ。
「業界のリーディングカンパニーからの受託開発を数多く手掛けながらも、当社は大手企業の資本提供を受けていない独立系の開発企業であるという特徴があります。その特徴があることでしがらみのない事業展開が可能であり、どんな業界であっても、そしてどんな事案であってもチャレンジすることができるんです。最近では、趣味で楽器を演奏しているメンバーが“譜めくりを自動化するプロダクトをつくれないか”というアイデアを出し、実際に提案先を探して実行したという例もありますし、定期的に開催される『ビジネス戦略会議』で様々な意見を出し合いながら議論を進めています。自分達がやりたいビジネスを自由に発案できるという環境があることも、当社で働く上での魅力になっているのではないでしょうか」(小川氏)。
第二創業期の“ワクワク感”を社員が感じ、仕事を楽しめる環境の構築を進める

社員達の思いを形にしながら、その結果を企業としてのビジネス拡大の可能性に繋げ、そして組織の活性化にも繋げていく。

そんな理想的な環境を実現するためにも、より多様な人材を迎えながら、自社にある経営基盤と技術力、そして新たな刺激をミックスしながら発展を目指したいというのが、同社の考えなのである。
これからの事業展開を見据えて人員拡大に取り組む同社だが、その狙いの一つに「最上流の工程を担えるエキスパートの輩出」があると、小川氏は語っている。
「人員の“分母”を増やし、その人員達に幅広い業務を経験してもらいながら、エキスパートへと成長してほしいというのが私の考えなんです。私が入社後に抜擢した経験の浅い人材も、大手の自動車企業から高い評価を頂いていますし、当社のメンバー達はエキスパートになれるポテンシャルを秘めていると思っています」(小川氏)。
同社の社員達の特徴については、「非常に素直な人が多い」と語る小川氏。メンバー構成に関しては中途入社の比率が高いにもかかわらず、新しい人材を受け入れる土壌があることでそれぞれの社員達が力を最大限に発揮できる環境となっているという。これまでも、開発するメンバー達が働きやすい環境をいかにつくるかということを最重要課題としてきた同社だからこそ、新しいメンバー達の参加を刺激とし、活発なコミュニケーションを事業推進の原動力としながら新たなチャレンジを繰り返してこられたのかもしれない。
「私自身、当社を“ワクワクしながら仕事ができる会社”にすることを常に意識していますし、そのためにも各メンバーが自身のアイデアを形にするためのチャレンジを、1回でもいいので経験してほしいと思っています。様々な制約に束縛されることなく、やりたいことを発信し、そして実行できるのが社員にとって最適な環境だと私は考えていますので、社員それぞれが思いを発揮できる職場をつくっていきたいと思います」(小川氏)。
社員達の思いを形にしながら、その結果を企業としてのビジネス拡大の可能性に繋げ、そして組織の活性化にも繋げていく。そんな理想的な環境を実現するためにも、より多様な人材を迎えながら、自社にある経営基盤と技術力、そして新たな刺激をミックスしながら発展を目指したいというのが、同社の考えなのである。
「37年間の歴史がありますが、当社はまだまだ発展途上の会社だと思っています。まさにこれから“第二創業期”としての発展を目指す中で、社員全員がワクワク感を感じながら仕事を楽しめる環境を一緒につくっていける仲間を、一人でも多くお迎えしたいですね」(小川氏)。
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