Shiji Japan株式会社

ホテルやレストラン、エンターテインメント、小売業といったホスピタリティ業界に特化し、業務に役立つシステムをフルラインナップで提供しているグローバルソリューションベンダーの、Shijiグループ。2018年7月に設立され、2019年2月に本格稼働を始めたShiji Japan株式会社は、同グループにおいて日本市場を開拓するミッションを担う存在である。

Shijiグループの提供するソリューションは、次のとおり。

・POSシステム『Infrasys』
・レジャー／エンターテインメント会員管理システム『Concept』
・予約関連ディストリビューション『Shiji Distribution Solutions』『IcePortal』
・決済システム『Shiji Payment Solutions』
・レストランデジタルソリューション 『MyCheck』『Infrasys Mobile Ordering』
・ゲストインテリジェンスシステム『ReviewPro』
・クラウド／モバイルPMS（Property Management System）『Shiji Enterprise Platform』
・ホテルクーポンコントロールシステム『KPC』
・電子署名ソリューション『E-Signature』

これらのソリューションは、予約受付、チェックイン、レストランやスパの利用、チェックアウト、滞在中のサービスに対するフィードバックといった、一人のゲストがホテルを利用するあらゆるシーンに対応している。

Shiji Japanでは、これらのうち現在は主に『Infrasys』を提供している。
「2022年夏頃からは『Shiji Enterprise Platform』（PMS)の本格的な扱いも始め、いずれは日本でもフルソリューションを扱いたいと考えています」と日本支社長の中野博文氏は話す。
特に『Shiji Enterprise Platform』は、プラットフォームという名称の通り、Shijiや他社のソリューションを搭載する次世代PMSとして重要な基盤となるプロダクトだ。

同社のソリューションは、100%AWS上で構築されている。特長は、オープンAPIというコンセプトにより、サードパーティーのソリューションにも柔軟に接続できる拡張性や汎用性の高さにある。また、ホスピタリティ業界のあらゆる業務に対応した数千種類の機能から選んでのカスタマイズが可能だ。

こうしたプロダクトとしての品質だけでなく、コンサルティングスタッフによる導入やサポート対応力の高さが評価されているという。

「同様の製品を持つコンペチターはITベンダー色が強く、製品を導入したら終わりでサポート品質が見劣りすると言われています。ここを強みとして、目下、リプレイス営業に取り組んでいるところです」（中野氏）。

導入対象は、グローバルのラグジュアリーホテルを皮切りに、国内のホテルから個人営業の飲食店にまで広げていく。グループにおいて、大きな市場を持つ同社への期待値は高まっている。

Shijiグループは、1998年に中国の北京市でスタートした。2007年の株式上場後、大きなエポックとなったのは、2014年のAlibabaからの490万ドルの出資（出資比率14%）。その資金力をもってM&Aや他社への資本参加にも積極的に取り組み、今日におけるソリューションのフルライン体制とグローバル体制を整えた。

今日では、アジア・パシフィックリージョンの13カ国・地域に20ブランチを展開し3,500名以上を擁するほか、北米リージョンでは3カ国に6ブランチ・200名以上、ヨーロッパリージョンには5カ国6ブランチ・320名以上を擁している。合わせて21カ国・地域で4,000名以上が働いている。
「当グループの方針として、各国に拠点を設け、それぞれの国の言語でお客様に密着したサービスを提供することが挙げられます。日本法人はシンガポールにあるアジア・パシフィック地域本社の管轄下となりますが、グローバルなエンタープライズでありながら日本人スタッフが日本のホスピタル産業を相手とする、事実上の日本企業と言えるのではないかと思っています」と中野氏は話す。

開発拠点はアメリカや香港、ヨーロッパに置かれており、プロダクトの改善要望やトラブル解決のエスカレーションの際に密なやり取りが行われている。
「日本のお客様の要求水準が高いので、これを伝えることで全体的な品質を向上させる機能が日本法人には期待されています」（中野氏）。

なお、グローバルにおける顧客のホテルは6万カ所以上、飲食店は20万店以上、小売店は40万店以上に及んでいる。ホテルとしては、ザ・ペニンシュラ、ハイアット、ヒルトン、シャングリ・ラ、マリオット、ウェスティン、ディズニーリゾートといった世界トップクラスのラグジュアリーホテルが顔を揃えている。また、中国国内の3,000店舗を超えるスターバックスの全店舗にも『Infrasys』が導入されているという実績を持つ。
「国際政治の世界では経済安全保障がいわれ始めていますが、Shijiグループの全てのソリューションはAWS上で稼働しており、セキュリティ上の懸念はクリアされています」と中野氏は説明する。

Shiji Japanの社員数は、14名（2022年1月現在）。コンサルタントと営業担当者、バックオフィスで構成されている。中野氏以下、ホテル等のホスピタリティ業界出身者が80%を占めているのが大きな特徴だ。
「IT業界にありながら、心はホスピタリティ業界に極めて近いメンバーで構成されております。当社は双方の業界をブリッジする存在であると自負しています」（中野氏）。

日本のホスピタリティ業界におけるテクノロジーの進化は遅れており、ホスピタリティ業界に特化したソリューションベンダーの同社が貢献できる余地は大きい。「成長していく度合いは、当社の努力次第」と中野氏は話す。

もう一つの組織風土における特徴は、英語を使わない日はないというグローバルな環境。
「プロダクトに対するお客様の要望を伝えたり、システムトラブル解消を相談する先は海外の開発センターで、使用言語は英語です。メールボックスの半分は英語で占められているという状況で、語学力が磨かれることは間違いありません」（中野氏）。

そのほか、会社としてオンライン学習プラットフォームサービスに加入しており、業務に必要な素養やスキルを無料かつ自由に学んで自己啓発を図ることも可能だ。

同社のコンサルタントの業務は、大きく導入プロジェクトと導入後のサポートに分かれ、日本中のホテルを巡る出張が多い。
「現地へは1～3名で入りますが、常に日本の本社とも連絡を取り合ってバックアップを受けつつ、業務に取り組んでいます。お客様のオペレーションは千差万別で当社のソリューションをアジャストさせることが難しいケースも少なくありませんが、そんな時に代替案を示して落着させることがコンサルタントの腕の見せ所です。ベンダーの人間というより、お客様のパートナーという気持ちでお客様のオペレーションをいかに効率化させるかを考え、実現させることにやりがいを感じています」とインプリテーション&サポート スーパーバイザーの髙橋麻羽氏は話す。

インプリテーション&サポート コンサルタントの馬場真人氏は次のように言う。
「私も以前、ホテル業界でソリューションを使う立場にいました。逆の立場になって、使う側のオペレーションをイメージしつつ提案し実現できた時は喜ばしく思います。また、現地では経験したことのない問題が必ずと言っていいほど出現します。そんな時は海外の開発センターに相談し、ソリューションの改善に役立てることもできます。日本で求められる品質レベルをグローバルにフィードバックすることも手応えのある仕事ですね」

なお、事業規模が拡大中の同社では、24時間365日対応するカスタマーサポートチームを立ち上げることになり、そのスタッフを求めている。
「ホスピタリティ業界に貢献したいという熱意を持ち、お客様の期待に応えられる人材で固めたいと考えています。ホスピタリティ業界の方は、他社のサービスに対する評価は極めて厳しいと言えるでしょう。だからこそ成長しやすい環境があると確信しています。是非アクセスしてください！」と中野氏は呼び掛ける。

「テクノロジー・IT企業にとって、私たちはサービス企業としてスタートしたという点でまったく異なります。そのため、サービスとサポート＝業界の"お客様に寄り添う"テクノロジー企業という点は私たちのDNAです。」（中野氏）