FunTre株式会社

FunTre株式会社は学生時代から化学の研究に取り組み、大手外資系メーカーで日本と海外の化学品や商品の輸出入業務に従事していた代表の谷田部氏が、Webにおける動画集客コンサルティング事業を主軸として2011年5月に興した会社だ。なぜ化学の研究者だった谷田部氏がITの世界へ軸足を移すことになったのか、そこには日本と世界とのとあるギャップにジレンマを感じたことがキッカケだったと話す。

「日本には素晴らしい技術やサービスがあるにも関わらず、世界から見ると日本の地位は決して高くはありません。その原因は情報発信が下手で、多くの技術やサービスがほとんど知られていなかったからです。この状況を打破するために情報力の発信を強化すべく、着目したのが動画の活用。本当に良いものを世界中に発信する手段を自分たちでつくろう、研究しようと立ち上げたのがFunTreなのです」（代表取締役・谷田部敦）

設立当時は会社員との二束のわらじであったが、様々な動画ソリューションを提供してからは多くの引き合いを受けることとなり、会社の業績が拡大すると同時にWebマーケティングを活用した経営コンサルティング事業を展開するなど、様々な形で企業の経営サポートを行っている。

これまで数々の企業に対する経営コンサルティングを通じて、Webマーケティングツールを提供してきたFunTre。しかし、日本におけるマーケティングはまだまだ世界レベルには追いついていない状況にあるという。

「アメリカではマーケティングの最高責任者であるCMOは企業全体の63％を占めているというのに、日本はまだ0.3％と足元にも及ばない状況。しかも、データを無視した根拠のない手法を用いるケースが大半です。これは日本にマーケティングの教科書となるものが存在せず、人材も育っていないことが原因にあります」（谷田部社長）

そこでFunTreが行ったのが、Webマーケティングに特化したスクールの運営。そして日本発のマーケティングツールの開発である。特にツールにおいては海外では当たり前のように様々な開発が行われているが、日本においてはまだ立ち遅れている状況にあるという。実はこの状況もマーケティング展開の遅れにつながっていると、谷田部社長は指摘する。

「英語によるオペレーションとなりますので、人材の少ない中小以下の企業は導入を回避する傾向にあります。日本語によるツールを提供することでそこを解消したいのも、自社でツール開発を行う理由でもあるのです」（谷田部社長）

現時点ではどのようなマーケティングツールを開発していくか、まだ具体的なところまでは決まっていないという。これから具体的なことを決めていくにあたっては、エンジニア一人ひとりのアイデアを持ち寄り、話し合いを行った上で形にしていく方針である。これはFunTreが経営コンサルティングやWebマーケティング以外にも、保育園や美容室などITおよびマーケティングとは違う領域での事業拡大を行っていることにも関係している。

「当社は基本、自由な会社です。社員に対しては『自分自身に天井をつくらない』という考えのもと、やりたいことは積極的に提案することを推奨しています。会社はその実現に向けて全力で応援する。保育園や美容室も、社員からの発案によって事業化したケースです。自社開発ツールにおいても、エンジニアがおもしろいと思うアイデアを形にすることで、クライアントニーズを先取りしての提案を実現していきたいと考えています」（谷田部社長）

まだ4名体制の開発チームであるが、これからエンジニアの人数が増えていくことで多くのアイデアが蓄積されていくはずだ。自分たちでつくりたいツールをつくる醍醐味は、組織の拡充に伴って大きくなっていくはずだ。同時に組織の成長に自分自身が関与することで、今までに感じたことのないビジネスの醍醐味も得られるだろう。

FunTreのワークスタイルは、働く場所を一切問わないフルリモート。そして就業時間も定例のミーティングを除けば、朝から夜にかけて自由にスケジュールを動かせるフレキシブルさが大きな特徴だ。FunTreの評価基準はプロセスにおける努力ではなく、あくまでも成果が中心軸。期日通りに質の高い結果を出せれば、朝が遅くなろうが夜は完全にプライベートに当てようが、社員の裁量に任せているのだ。

こうした自由度の高い環境づくりを徹底しているからこそ、FunTreには数多くの女性スタッフが活躍している。しかもその多くが子どもを育てながら、家族との時間を確保した上で仕事を両立させているのだ。フルリモートも実はコロナ禍以前から導入・推奨がはかられていて、もはやそれが当たり前の状況となっていることも大きな特徴だ。

自由な環境のもとで自由に働く。自律的かつ未来志向のエンジニアにとって、FunTreは理想を追い求めるのに十分な会社といえるだろう。