不動産業界で働く人達の生活に良い変化をもたらしたい思いが開発の起点
株式会社iimonは、不動産賃貸・売買の仲介業者向けに業務効率化ツールを提供する不動産DX企業だ。不動産業界で長年にわたり経験を重ねた代表と取締役の3名が2019年11月に設立した。非効率な事務作業が多いという現場の課題を肌で感じてきたことから、不動産情報入力の自動化ツールをはじめとする自社サービスの開発に取り組む。
サービス第1弾・第2弾ともにリリースから2年を待たずして、導入数は800店舗を超えた。好調なスタートを切った同社は、サービスのブラッシュアップを進めると共に、新たなツールを次々とローンチする計画だ。
成長を加速する同社は、掲げるビジョン・ミッション・スタイルに共感を抱く仲間を求める。
共同創業者であり代表取締役CEOを務める島田州平氏と、共同創業者で取締役 COOの後藤光弘氏は、中途入社した大手不動産仲介会社の同期として出会った。退職後も両氏は別会社の役員を同時期に務める等、ビジネスパートナーとして親交を深める。その後、Webマーケティング支援を行う会社を経営していた後藤博一氏(共同創業者 取締役 現CMO)と出会い、意気投合。
不動産業界が抱える課題への懸念や仕事観、組織づくりに対する考えが一致した3名は起業を決意する。彼らの思いを具現化するために設立したのが同社なのだ。
3名が感じた「不動産業界が抱える課題」とは、どういったものだったのだろうか。
「不動産仲介事業は、各社が同じ物件を扱うのでそもそも商品の差別化が難しい。そのため仲介手数料の値下げ交渉を受け入れる等、水面下で値下げ合戦が起きています。そうなると売上を上げるために、スタッフを増やさずに業務量を増やすという構造になりがちです。力を入れるべき接客に時間をかけられなくなればサービスは低下して、ひいては顧客満足度の低下を招きます。悪循環のままでは業界全体が衰退してしまう。僕達は強い危機感を抱きました」と島田氏らは懸念を露わにした。
ここまでの危機感を持つ根底には、不動産と不動産業界が好きという率直な思い、そしてお客様に喜んでもらいたいという心からの願いがある。
当初は業務の工夫等で改善を試みたが、劇的な効果は感じられなかった。また既存のRPAツールを使用してみたものの、不動産業界の現場に則していないため使いづらかった。
「いいものがないなら、自分達でつくろう」
現場がどう使いたいかを熟知する自分達ならば、皆が欲しがるものをつくれるはず。この実感が不動産DXという事業領域の起点となった。