ケイデンス・デザイン・システムズ（ジャパン）ビー・ヴィ

半導体やシステム製品の設計を自動化するソフトウェアであるEDA（Electronic Design Automation）ツールをはじめ、ハードウェア製品、半導体開発用IP（Intellectual Property）、設計サービスを、半導体メーカーやシステムメーカーに提供しているケイデンス（米NASDAQ上場）。EDAソフトウェアのリーディングカンパニーとして、世界23ヶ国に拠点を展開するグローバル企業だ。

「ケイデンスは1988年にEDAツールを手がけるSDAシステムズ社とECAD社の2社が合併して誕生しました。ちょうど80年代後半から90年代前半にかけては、半導体設計の仕組みが大きく変わった時期でした。それまでは、設計から製造まで一貫して行う垂直統合型の半導体メーカーが主流で、EDAツールも自社開発していました。しかし、半導体技術が先端化してきたことからEDAツールを自社開発するのが難しくなり、内製からEDAツール開発会社への移行が進んでいったのです。それに伴ってEDA市場が急激に拡大し、ケイデンスも急成長しました。その後、30年以上にわたってEDA市場をリードし続けています。2020年度の世界のEDA／IP市場規模は115億ドルでしたが、ケイデンスの売上は26億8000万ドルで、25％に迫るシェアを実現しています。さらにEDAのみで見るとシェアは約30％に上ります」（日本ケイデンス・デザイン・システムズ社　営業/Sales Director　萩原　篤志氏）

ケイデンスの強みは、長年にわたって培ってきたComputational Software（演算ソフトウェア）と呼ばれるソフトウェアの技術だ。

「私たちソフトウェア会社にとって、技術的なノウハウを持った優秀な人材をどれだけ抱えることができるかが非常に大事です。当社は全世界で約9000名の従業員がいますが、その約80％がエンジニアです。約7500人ものスタッフが、開発エンジニアおよびお客様の技術サポートを行うアプリケーションエンジニアとして活躍しています。また、R＆D投資を積極的に行っており、ソフトウェア業界全体で見ても、売上に対するR&D投資比率が高いのも特徴です」（萩原氏）

ここ数年、スマートフォンなど電子機器メーカーや自動車メーカーといったシステムメーカーが、技術を差別化するために半導体を自社で設計するようになってきている。それに伴って半導体メーカーが中心だったケイデンスのユーザーは、システムメーカーにまで広がっており、業績も好調に推移。直近3年間は2桁成長を続けている。

日本ケイデンス・デザイン・システムズ社は、日本支社として、EDAツールをはじめとするケイデンス製品の販売、サポート、設計支援サービスを行っている。

「現在、日本ケイデンスは約200名体制です。そのうち7割の約140名が、お客様の半導体設計をサポートするアプリケーションエンジニアとして活躍しています。残り3割が営業部門、マーケティング部門、総務・経理などスタッフ部門のメンバーです。さらにアプリケーションエンジニアの部門には、EDAツールのサポートを担当するエンジニアの部署と、設計IPをサポートするエンジニアの部署の二つの部署があります」（萩原氏）

同社の魅力は、ワールドワイドに事業を展開するグローバルな環境で、世界最先端の技術に触れながらスキルを磨けることだ。

「当社がお付き合いしているお客様は、各分野のリーディングカンパニーとして最先端の電子機器やシステムを設計・開発されています。しかも製品がまだ世に出る前の設計段階から関わることができるので、最先端技術に携わりたい方には非常に魅力的な環境です。また、グローバル企業なので、日々の業務で海外拠点のメンバーとコミュニケーションを取る機会がたくさんあります。例えばアプリケーションエンジニアの場合、お客様から例えば『より消費電力を低くできないか』といったご要望に対応するために、そのツールを開発した海外のR＆D部門のエンジニアに問い合わせをするといったことが頻繁にあります。私たち営業も戦略策定などで海外拠点とのやり取りは多いですね」（萩原氏）

また、役職や部門間の壁がないフラットな環境で、オープンで風通しの良い企業カルチャーも同社の大きな魅力の一つだ。

「当社はオープンで、社歴や年齢、役職の上下に関係なくコミュニケーションが活発な文化があります。お客様の成功を第一の目標として、みんなで力を合わせて結果を出していこうという『ワンチーム』の考え方が全社員に浸透していて、部門間の壁も全くありません」（萩原氏）

そんな同社が求めるのは、自ら考えてどんどん行動に移すことのできる人材だ。萩原氏は次のように語る。

「言われたことをただこなすというより、自分から新しいことを見つけて『こうやったらいいのではないか』という提案型の思考ができる方に来ていただきたいですね。グローバル企業で自らの力を試したいというチャレンジ精神のある方を歓迎します」

現在、日本ケイデンスでは20代から60代まで幅広い年齢層の社員が活躍している。中途採用のエンジニアも多く、前職は同じくEDAエンジニアだった人をはじめ、最近では同社のEDAツールを使って半導体やシステムの設計に携わっていた人も増えている。

本社オフィスは、神奈川県横浜市港北区の新横浜中央ビル内にある。JR・横浜市営地下鉄『新横浜駅』直結のビルで、非常にアクセスがいいロケーションだ。現在はハイブリッド環境で社員は業務に取り組んでいる。職場環境について萩原氏は次のように語る。

「アメリカ本社も含めて“従業員ファースト”という理念を重視しており、従業員が働きやすい環境を整備しています。例えばコロナ前から小さいお子さんがいて出社が難しい社員はリモートワークも可能とするなど、社員一人ひとりの生活スタイルに合わせて、柔軟な働き方ができるようにしています。また、社員に過度な疲労が蓄積しない様に年間で10日程 Global Recharge Day（全世界オフィス一斉休暇日）を設けています。産休取得率も高い水準を維持しており、女性も多数活躍中です。このように、男女共にワークライフバランスを大切にできる環境が評価され、ケイデンスは過去6年間にわたり、米Fortune誌の『働きたい会社ベスト100』にランキングされ、世界中で働きがいのある会社として選ばれています」（萩原氏）

※日本ケイデンスは、Great Place to Work® Institute Japanの2024年「働きがいのある会社」ベスト１００に選出され、中規模部門6位にランクインしました。

社員同士がコミュニケーションを深めるイベントとしては、全従業員が参加する立食スタイルの食事会や同じ趣味を持つ社員が集う同好会などがある。また、クリスマスには社員のご家族にギフトを贈っています。（萩原氏）

社員のスキルアップをサポートする制度としては、業務で使用するソフトウェアがきちんと使いこなせるようになるための社内教育トレーニングを行っている他、英会話学校の費用の一部を会社が補助する制度がある。

「情報通信技術は急速なスピードで進化を続けており、半導体やシステム市場は今後ますます拡大していくことは間違いありません。そんな成長市場の製品開発に不可欠なEDAツールや設計IPなどの開発、販売、サポートを手がける当社は、国内に限らず、グローバルなチームメンバーと刺激のある仕事ができる環境です。また、実績を正当に評価する風土があるので、若くして責任あるポジションを任せられるチャンスも豊富です。ぜひ当社で豊かなスマート社会を一緒につくり出していきましょう」（萩原氏）