イノベーションガレージ株式会社

イノベーションガレージ株式会社は、企業と人のイノベーションを支えるデジタルイノベーションプラットフォームを築くことを志し、2021年7月に設立されたスタートアップ企業。「世界中の叡智をあなたの手に」という理念の下、企業がイノベーションのために必要としているDX人材を、世界中の人材データベースの中からフルオンラインで探し出すことができるプラットフォームサービスをリリースし、独創性と利便性に富んだプロダクト開発に挑んでいる。

「私達は企業と人にとって革新的で驚きに満ちたプロダクトを、日本の小さなGarageから世界に向けて生み出していくことを目指して、この会社、『innovation Garage』を立ち上げました」

そう語るのは、代表取締役社長の三浦大地氏。三浦氏は、エンジニアとして国内大手コンサルティングファームの創業に携わり、会社の東証一部上場を技術と経営の両面から支えた経験を持つ人物だ。

経済産業省の発表によると、日本のIT人材は、2030年には最大で79万人不足すると試算されている。このままではIT人材の不足がイノベーションの遅延を引き起こし、グローバル化する世界経済の中で、日本企業の競争力が失われてしまうと、三浦氏は警鐘を鳴らす。

その解決策として同社が打ち出したのが、企業と世界中のDX人材を繋ぐプラットフォームサービス『ContactEARTH matching』だ。同サービスの特徴は、イノベーションを目指す企業が、日本中、さらには世界中の知見を持った人達にアクセスし、その叡智をフルオンラインで活用できること。AI、ディープラーニング、セキュリティー、デジタルマーケティング等の各分野で活躍するDXエキスパートのデータが登録されている。現在、新規登録者数は毎月100人以上に上り、5年後には約10万人の登録が想定されている。

同サービスを利用すれば、企業はコンサルティング会社やSIer等に仕事を依頼する場合に比べて、DX人材の確保にかかるコストを大幅に下げることができる。さらに、自社社員のスキルを可視化しデータベース化できる機能も併せ持っていることから、既に、通信会社、電機メーカー、食品・化粧品メーカー等、多数の大手上場企業で導入されており、三浦氏は大きな手応えを感じているという。

「Webサイトの問い合わせボタンに『Contact us』と書かれていることがよくありますが、一つの会社に問い合わせるだけでなく、世界中の叡智を持った人達にボタン一つで何でも相談することができれば、きっと面白いのではないかと思い、私達のプロダクトを『ContactEARTH』と名付けました。テクノロジーの力を最大限に発揮して、このサービスが日本企業のイノベーションを促進するプラットフォームとなるよう、育てていきたいと思います」と、三浦氏は語る。

企業と人のイノベーションを様々な角度から支援するために、同社では現在、『ContactEARTH matching』の運営と並行して、さらに多彩なプロダクトの開発が進められている。第2弾となるサービスのリリースを2022年春に予定しており、今後5年以内に合計七つのプロダクトをリリースする計画だ。

2022年春にリリース予定の『ContactEARTH Quick』は、デジタルに関するあらゆる疑問について、専門家に「気軽に」「クイックに」質問することができるチャットサービス。その後も、フルオンラインによるハイセキュアなイノベーションプロジェクトをマネジメントするためのツールや、同社が提供する全てのサービスに対応した決済プラットフォーム等をリリースする予定だ。

同社の挑戦は「toB」の分野だけに留まらず、フリーランスで働くDX人材を対象とした「toC」サービスのリリースに向けても、着々と準備を進めている。現在開発中の『ContactEARTH By セルキャリ』は、デジタル人材のためのセルフキャリア・マネジメントアプリだ。自分のスキルとキャリアパスを可視化する機能や、転職サイトへの登録情報を一括管理する機能を搭載し、個人におけるキャリアプランの構築と実現をサポートする。他に、肩書のないフリーランスのDX人材が、大手企業とアポイントを取れるように支援するエージェントサービスの立ち上げも計画しており、フリーランスの活躍を全面的にバックアップしたいと考えている。

「私は近い将来、高いスキルを持ったフリーランスのDX人材が、大手企業と対等に仕事をできる時代が来ると思っています。そのために、フリーランスで働く人達をサポートできる仕組みを築き、個人の多様な働き方に、イノベーションを巻き起こしたいと思います」（三浦氏）。

誰でも転職をする時は、前職の内容や待遇を基準に仕事を選ぶケースがほとんどで、自分が持っている本当の価値を、客観的に捉えられる人は中々いないという。しかし、パブリックな情報を基に、AIが個人の客観的な市場価値を弾き出すことが可能になれば、個人がもっと主体的に、キャリアを形成できるようになるかもしれない。

「私達が見ているのは、突拍子もない夢ではなく、ほんの少しだけ先の未来です。働く人達が社会の中で日々感じている『こんなことができたらいいな』、『こんな社会になったらいいな』という小さな思いを、テクノロジーの力でビジネスに変えて、一つひとつ実現したいと思います」（三浦氏）。

『ContactEARTH matching』が順調に滑り出し、これからさらに多彩なプロダクトをリリースするに当たり、同社は今、本格的な組織の形成に向けて動き出そうとしている。これから採用する人材が、イノベーションガレージという会社をつくる創業メンバーだ。

三浦氏は、自社の人材採用にかける思いを、次のように語る。

「弊社の採用で私が最も重視しているのは、『世の中に必要とされるものをつくりたい』という、思いがあるかどうかです。私自身もエンジニアですが、やはり、エンジニアの愛情がこもったプロダクトには、人の心を動かし社会を変える力があると思います。開発に使う言語や仕様は、各プロダクトの担当者に全て任せます。私達が思い描いているサービスを、自分が最適だと思う方法で形にしてくれたら嬉しいです」

2021年9月に入社したプロダクトエンジニアの小冨家翔氏は、プロダクトの開発全般を一任される裁量の大きさにやりがいを感じている。形が決められたものをただ作るのではなく、新しいサービスをどんな形にするか自分達でゼロから考えるところに、クリエイティブな仕事の醍醐味があるという。

また、2021年4月に入社したメディア事業部マネージャーの知花和輝氏は、最先端のデジタルマーケティング等の新しい技術を学んで、自分の知見を深められることに、大きな魅力を感じている。異業種からの転職に不安もあったが、「学びながらでいいから、やってみれば？」という三浦氏の言葉に背中を押されて入社した。入社後は、業務に必要なノウハウを専門のコンサルタントから集中して学ぶ機会を与えられ、教育の手厚さに驚いたという。

「社員みんながクリエイティブでいられる環境を用意することが、経営者としての私の役目だと思っています。新しいサービスを創り出すためには、様々な問題に突き当たることもありますが、常識にとらわれず、楽しく前向きに乗り越えて行けたらいいなと思います。世の中に必要とされるものを創り出すために、必要な技術や機材があるならば、極力、投資は惜しみません。イノベーションを目指して、一緒に、いいものをつくりましょう」と語る、三浦氏。

世界中のデジタル知見者に活躍の場をもたらし、日本企業のDXを加速させるために、イノベーションガレージという新たなクリエイティブ集団の挑戦が今、始まろうとしている。