株式会社CURBON

株式会社CURBONは、「『撮る』を力に。写真で世界を豊かにする。」をビジョンに掲げ、国内最大級の写真を学べるサイトの運営や、全国を網羅する写真家ネットワークを活かした法人向け撮影サービス等を展開する企業だ。
写真にクリエイティビティとコミュニティの力を加えて、撮るだけに留まらない写真を軸にしたビジネスのエコシステム構築に取り組んでいる。
目指すのは「生まれた瞬間から知らずして『CURBON』に触れている世界」だ。
自社サービスを通じて写真がもたらす豊かなライフスタイルを提案し、人々の生活に深く根差したいと考える。
成長を加速するためにアクセルを踏み込む同社は、目指す世界観の実現へ向けて共に疾走する仲間を求める。

創業者であるCEO武井宏員氏は幼少期からアメリカで暮らし、現地の大学卒業後、アメリカに本拠や拠点を持つ複数のグローバル企業で勤務。ラグジュアリーコスメブランドではアジア全域のプロダクト流通を統括する等、ビジネスの第一線で活躍してきた人物だ。
元々アートが好きでクリエイティブに興味があった武井氏は、ある日ふとカメラを手にした。そこからビジネスマンの傍ら、フォトグラファーとしての活動を開始する。
「ラグジュアリーコスメはブランディングが欠かせません。ブランディングにはビジュアルが不可欠で、写真の持つ圧倒的な力を実感していました。自分自身で写真を撮るようになってさらに写真の魅力に取り込まれていき、120％の力を注ぎたいと思うように。会社を辞めて起業しようと決めたのは、完全に写真がきっかけです」と武井氏は言う。
写真が好きならば自身がフォトグラファーとして独立する道もあったはずだが、なぜ起業だったのだろうか。
「元々起業意欲が強く、大学生の時にも起業を経験しています。自分の立ち位置や経験を見直した時に、自分が写真家としてプロになるよりも写真に関わる人達の架け橋になる方が強みを発揮できると考えました」と話す。
こうして2018年に設立したのが同社なのだ。

創業してすぐに立ち上げたのは、写真を学びたい人が集うプラットフォーム『CURBON』だ。これから写真を始めたい人から本気でスキルを伸ばしたい人向けの長期プログラムまで、様々なレベルと目的に応じたオンライン講座や座学による写真教室を開催する。写真の編集技術や撮影方法を動画講座として配信する有料・無料のe-ラーニングも好評だ。
『CURBON』は、ユーザーが一方的に講座を受けるばかりではない。学生・若年層向け、母親・父親向けといったコミュニティを主導・運営していて、交流や情報発信の場としても活用される。その他『Lightroomプリセット』(写真編集用テンプレート)や、カメラメーカーとのコラボレーショングッズ販売等、カバーする領域は広い。
写真好きのクリエイター集団だからこそ、ユーザーが求めるサービスを提供できるのだ。
こうしてファン層の拡大を進めて、立ち上げから4年で2万人のユーザーを擁する国内最大級の写真の学びサイトとなった。
「『CURBON』は、写真好きの人達によく知られるサイトになりました。お金を払ってまで学ぼうという、写真への熱量が高いユーザーが多いのが特徴です」と武井氏は言う。

構築した基盤を活用して、2021年4月から本格稼働を開始したのがクリエイターと法人を繋ぐ総合撮影サービス『Creators Base』だ。
同社が持つフォグラファーやモデルのネットワークを駆使したPRサービスや、コラボレーションイベント・プロジェクトの企画実施、委託撮影サービスの提供等を行う。
中でも好調なのは、委託撮影サービスだ。撮影相談から見積もり、フォトグラファー手配、撮影実施、納品、データ管理に至るまで、必要なやりとりの全てを『Creators Base』上で行える。品質とスピード感、システムの使い勝手の良さが揃うことから、早くも数々の大手企業に利用される。

武井氏は「『CURBON』でクリエイターに学びを提供し、スキルアップしたクリエイターとカスタマーを『Creators Base』で繋いでビジネスに貢献する。このように写真を軸にしたエコシステムを実現して、今後もさらに進化させます」と力強い。
前章で触れた通り、同社が目指すのは「写真で世界を豊かにする」ことであり、「生まれた瞬間から知らずしてCURBONに触れている世界」だ。
既存の枠に収まらない未来像を描き、toC、toBの両面で事業を展開する。
「写真にまつわるサービスを提供する個人や会社は多くありますが、我々は全く新しい市場を開拓しています。全国規模かつ、ここまでのスピード感を持って、クリエイターにもカスタマーにも貢献する企業は他にないでしょう」と自信を見せる。

社員数が急増する同社では新しい人が加わるのが日常的で、人が馴染みやすいカルチャーだ。
「当社はスピード感が持ち味。新たなメンバーとの距離感を一気に縮められるからこそ、『部外者感覚』がすぐに払拭されてスピード感を保てます」と武井氏は言う。
東京以外の地域にも社員がいるため、フルリモート勤務者は多い。Web会議ツールを使って業務開始時に顔を見ての対話を行ったり、チームコミュニケーションツール上に自由に出入りしてつぶやけるチャンネルを設けたりと、コミュニケーションロスに陥らないよう気を配る。
武井氏は、「クリエイターの集まりなので、雇用形態や働き方等、かっちりとした枠組みを決めて指示通りに動いてもらうというよりは、自分で考えて色々やってほしいと思っています」と話す。
武井氏自身が「10回失敗しても1回成功したら、それは成功。失敗を恐れて行動できないぐらいなら、行動して失敗した方がいい」という考え方を持つ行動派だ。それだけに社員にも失敗を恐れず、主体的に判断した上での行動を期待したいという。

社名はCuriosity（好奇心）とBorn（生む）を組み合わせた造語だ。好奇心を掻き立てることで生まれる無限の可能性という意味が込められている。
「当初は写真好きのためにという思いでサービスを始めました。しかし、それだけでは、事業として成功させるには足りません。ビジョンを実現していくために、メンバーには『クリエイターとカスタマーのために』という両面を強調したい。クリエイターのためにも客視点を大切にしたいですし、自分達がクリエイターだからこそできることがあると思っています」と武井氏は話す。
現在同社では事業拡大期に突入するに当たり、考えや理念を言語化してメンバーに伝える準備を進めている。

またクリエイターに学びを提供するだけでなく、メンバーのスキルアップにも積極的だ。外部から毎月エキスパートを招き、勉強会を開催する。興味ある分野の方が自発的に学べるだろうという考えから、やはり写真やクリエイティブに関するテーマが多い。
写真に興味がなかったエンジニアが感化されて自然と写真を始め、写真好きになったというエピソードはとても同社らしい。

武井氏はGreen読者に向けて、「コロナ禍によってネット上での情報発信と共有が加速し、写真市場は活性しています。日本最大規模のフォトグラファーネットワークを持つ我々は強みを活かして、この成長市場でさらなるサービス拡大を目指します。一緒に新たな世界に挑戦しましょう」と力強く呼び掛ける。
IPOも視野に勢いを増す同社へ参画するチャンスを逃さないでほしい。