金融機関や行政機関等、堅めで信頼性が問われる領域を強みに
システム開発会社の、NEXT株式会社。ITbookホールディングス(東証マザーズ上場)の戦略子会社として、ITインフラ領域を中心にエンジニアリングサービスを手掛けている。
同社のサービス内容としては、クラウドやサーバー、ネットワーク、データベース、セキュリティといった分野における要件定義から設計、構築、運用・監視までをワンストップで提供。エンドユーザーは通信キャリアや金融機関等の大手や官公庁が多くを占める。
同社のユニークな点は、40代・50代のエンジニアが中心であることだ。技術的にもビジネス経験的にもベテランとして、SIerやエンドユーザーと共に客先常駐のプロジェクトに参画することで、信頼感を得ながらエンジニアの追加導入交渉や別案件の開拓・獲得に力を発揮する強みがある。
また、グループの主要構成会社であり、主に自治体等の行政機関や金融機関を対象にITコンサルティングを手掛けるITbook株式会社と連携し、スマートシティ構想、行政機関における情報システムの標準化やRPA推進等のDX、国の「GIGAスクール構想」等、教育のICT推進といったプロジェクトにも関わる。
そのほか、導入コンサルティングから開発・保守、アップグレードといったサービスもワンストップで手掛けている。
「金融機関や行政機関等、比較的堅めで信頼性が問われる領域を特に強みとしています。法人のお客様は、上場企業であったり、資本金や従業員数といった要素で取引先を選ばせていただいています」と、戦略企画担当は話す。
IT業界の多重下請構造の打破がポリシー
同社は、2015年にITbookホールディングスグループに加わり、事業をスタートさせた。2021年8月までの6年間で、東京本社のほか、西新宿、立川、横浜、湘南(藤沢)、船橋、柏、静岡、心斎橋の9カ所にオフィスを展開。社員数も全員がキャリア採用の正社員として418名まで増やすという急成長を見せている。
「都心部まで行かなければ就業先が見つからないという考えを変えたい」と戦略企画担当。その上、各エリアに点在する大手企業の子会社に営業をかけ、実績をつくって親会社にアプローチするという戦略拠点にもなっている。
そんな同社のポリシーは、IT業界の多重下請構造を打破すること。戦略企画担当は次のように説明する。
「大手企業等の大規模プロジェクトは、大抵がプライムである大手SIerの下に2次請け、3次請け、4次請けと重なる構造となっています。下の方のレイヤーは、部分的な開発等を短納期・低料金で行わなければならない場合がほとんどで、そうであるがゆえにブラックになりがちな環境が温存されてきました。当社は、こうした問題を是正すべく、直請けや大手SIerの2次請けとして全ての業務を完遂し、3次、4次を出さないことに徹しています」
同社が取引企業をクライアントに選んでいるのも、こうした構造を変えることによる波及インパクトが強いからだ。オフィスの多箇所展開も、エンジニア採用やクライアント獲得拠点としてこのポリシーを具体化させる舞台装置といえる。
技術領域別の組織で専門性を深める
2021年8月現在、社員数は418名で、平均年齢は40歳、男女比率は7:3という組織だ。
エンジニアが在籍するビジネス推進本部は、サービスデザインビジネスユニット(BU)、ITインフラストラクチャーBU、プラットフォームマネジメントBU、アプリケーションマネジメントサービスBU、ソリューションサービスBU、インダストリアルBUの技術領域別に構成され、それぞれのBUにはさらに細分化された技術領域別の統括部が設けられている。
「各部ごとに専門性を深めることが主目的の組織体制で、お客様ごとに営業部門の担当者が必要となる各部のエンジニアをアサインし、プロジェクトチームを組成するといった流れで事業を運営しています」(技術部門責任者 小林氏)。
したがって、技術力を高める勉強会等の取り組みは統括部ごとに様々な形で行われており、ベテランが多い環境にあって学べる機会は豊富にあるといえるだろう。
一方、前述のとおり、エンジニアに対しては人員の追加導入交渉や別案件の開拓・獲得が期待されている。
「こうした営業的な動きに対しては、インセンティブを設けて奨励しています。また、年間で100万円ほど昇給したエンジニアもいる等、技術だけでなくビジネス面でも総合的に評価する実力主義の風土があります」(技術部門責任者 細野氏)。
社員間のコミュニケーションや共有事項は、クラウド型ビジネスアプリケーション上の機能を活用して日常的に行われているほか、部単位でのオンラインミーティングが多い。「オンラインで飲み会をやる部署もある。そのほか、オフィスや事業部単位での交流機会が設けられている」と戦略企画担当は話す。
なお、キャリア採用の人材は3カ月間、会社にスムーズに馴染んでいけるようサポートが受けられる特別な部署に仮配属され、その後正式な部署に本配属されるという配慮がなされている。
そんな同社が求める人材像について、担当者は次のように期待を寄せる。
「当社はスピード感があるので、変化を楽しみながら新しいことにチャレンジし、それを成長に繋げていけるような方だと活躍しやすいと思います」
40代・50代で転職を考えているエンジニアには、見逃せない募集といえるだろう。