株式会社cotree

「やさしさでつながる社会をつくる」を企業理念に、日本最大級のオンラインカウンセリングサービス『cotree（コトリー）』を運営している株式会社cotree。

創業者の櫻本真理氏は1982年生まれ。大学卒業後、証券会社にて株式アナリストとして勤務。2010年に退社後、複数のスタートアップやプロジェクトに携わり、2014年5月に同社を設立した。サービス立ち上げの経緯について櫻本氏は次のように語る。

「2014年当時の日本では、メンタルの不調を抱えていることを周りの人に言いづらかったり、誰に相談していいのか分からなかったりするケースが多い状況でした。ちょっと調子が悪いなと感じてメンタルクリニックに行っても、診断して薬を処方されて、また来てくださいと言われるだけで、背景にある生き方の問題や働き方の問題に向き合う機会がほとんどない状態だったんですね。欧米ではカウンセリングやコーチングを当たり前に受けられるのに、日本ではまだ認知が低く、使ったことがある人も少ないですし、どうやって使っていいのかも分からない、探してもいいところが見つからないというのが課題感としてありました。より多くの人がカウンセリングやコーチングを気軽に受けられるようにしていきたい。そんな想いから『cotree』というサービスを立ち上げました」

現在、同社ではオンラインカウンセリングサービス『cotree』と、個人向けオンラインコーチングサービス『cotreeアセスメントコーチング』を提供している。

「カウンセリングサービスには、話すカウンセリングと書くカウンセリングの2種類があり、マッチング診断を通じて自分に合ったカウンセラーとマッチングして、自分に合った方法で相談ができます。話すカウンセリングとコーチングサービスは、オンラインでカウンセラーやコーチと繋がって直接話ができる形態です。書くカウンセリングは、マイページの中で、カウンセラーとメッセージのやりとりができるサービスです」（櫻本氏）。

ここ数年、利用者は急増しており、オンラインカウンセリングサービスの累計利用件数は10万を突破した。

「2014年に立ち上げた当初は、月に数件といったレベル感でしたが、この2年で一気にご利用者数が伸びました。その背景には、カウンセリングやコーチングというサービスがより一般的なものになりつつある市場自体の成長と、コロナ禍によってオンラインでのコミュニケーションに抵抗感を持たない方が増え、オンラインでカウンセリングを受けたい方が増加していることがあります。幅広い年齢層にご利用いただいていますが、一番多いのは30～40代の女性です」（櫻本氏）。

今cotreeではさらなる成長フェーズに向けて、組織の拡充を急ピッチで進めている。現在は、サービスを開発する「Productチーム」、ユーザーサポートを担当する「Customer Successチーム」、カウンセラーをサポートする「Therapist Successチーム」、利用者拡大を担う「Marketingチーム」、総務・経理等のバックオフィスを担う「 corporateチーム」などがある。（2022年7月時点）

その中でエンジニアとデザイナーで構成される「Productチーム」では、これまで別々なシステムだったカウンセリングサービスとコーチングサービスを、一緒に扱うことができる統合的なプラットフォームの開発に取り組んでいる。同社の開発体制について平山和樹氏は次のように語る。

「現在は社内のエンジニア、デザイナーと、外部制作会社や業務委託のエンジニア、デザイナーがチームを組成し、お互いに連携しながら開発を進めています。全員がcotreeのミッションやビジョンをしっかりと理解した上で、『サービスを利用する時に、こんな機能や使い方が実装されていたらユーザーにとっては助かるよね』と、ユーザーファーストの姿勢でサービス開発に取り組んでいるのが特徴です」

同社の魅力は、組織の中で重要な役割を担いながら、自社のシステムやプロダクト開発に集中して取り組めることだ。

「少数精鋭のベンチャーなので、社員一人ひとりの言動が会社に与える影響は大きいですね。エンジニアやデザイナーも経営陣と密にコミュニケーションを取りながら開発を進めており、自分の仕事が会社の成長に直結していることを実感しながら仕事に取り組むことができます。そして、ユーザーにとってより使いやすいサービスは何かだけを考えて、プロダクトづくりに集中できるのも大きな魅力だと思います」（平山氏）。

そんな同社が求めるのは、ユーザーがどんなサービスを求めているのかを、しっかりと想像できる人物だ。

「カウンセリングやコーチングのユーザーさんは年齢・性別も様々で、相談の内容も一人ひとり全く違います。当社のサービスを利用いただく様々な人が、何を求めているのか、どんな機能があれば使いやすいと感じていただけるのか、ユーザーさんの気持を想像できる方に来てほしいですね」（平山氏）。

現在、cotreeは代表の櫻本氏や業務委託スタッフも含めて約30名体制。20～30代の若手が中心となって活躍している。

オフィスは東京都港区六本木のシェアオフィス「Kant. co-office」内にある。現在はコロナ禍の影響もあり、全員がリモートワーク中。同社のメンバーについて櫻本氏は次のように語る。

「人に対して優しいメンバーが多いですね。人の痛みを想像できて、それを解消するサービスを作ることに対して、熱い想いを持ったメンバーが集まっています。そして、自分達が提供しているカウンセリングサービスやコーチングは社会にとって必要なものであると全員が確信していて、そんなサービスを提供できることにやりがいを感じてくれています」

完全週休2日制（土日祝日休み）で、年間休日は120日以上と、ワークライフバランスを大切に働くことができる環境を整えている。10時から19時の勤務時間内に集中して仕事をするようにしており、残業は月10～20時間と少なめだ。社員のスキルアップをサポートする制度としては、関心がある書籍の購入費を会社が負担する制度などがある。

今後のビジョンとしては、現在展開しているオンラインカウンセリングサービスと、オンラインコーチングサービスを、さらに多くの人に利用されるサービスへと成長させていきたい考えだ。

「おかげさまで2014年の設立以来、ほぼ毎年2倍のペースで成長を続けてくることができました。そして今、社会の変化の中で苦しむ人や、自分で生き方を選び取って変わっていかなければならないと感じている人が増えており、私達のサービスがますます必要とされていると実感しています。そんな中、より多くの皆さまにサービスを届けていくために、当社の組織も変化していこうとしています。カウンセリングやコーチングといった領域に興味を持つ方に是非来ていただいて、一緒にサービスと市場を作っていきたいですね」（櫻本氏）。

社会に必要とされているサービスづくりに携わりたい人は、是非一度話を聞きに行ってみてはいかがだろう。