株式会社ブレイン

広島市に本拠を置く株式会社ブレインが開発した『経営ナビシステム』は、中小規模の会社経営者にとって強力なアイテム。日々の作業実績、損益事業をPC、スマホでリアルタイムに確認可能なシステム。売上管理・人件費管理・経費管理・損益管理・作業分析・経営分析と、経営者が会社の舵取りをするのに必要な数字を、一つのツールで管理できる。

売上、人件費、経費を管理する中で、日次、週次、月次の作業損益が可視化される。どの工程が利益貢献したのか、あるいはどの工程に課題があるのか、改善ポイントをあぶり出すことができる。

『経営ナビシステム』の中でも目玉となるのが「人件費管理」。独自開発の管理システムとして特許出願中。適正な人件費マネジメントには、適切な人員配置が必要。『経営ナビシステム』を使えば、それが実現する。

「人件費予測をシステム化することで、最適なシフト配置が可能となります。各工程でどれだけの人件費が発生しているかリアルタイムで把握でき、どの工程でどれだけのコストが発生しているか分かり、改善もピンポイントで対応することができます。各作業工程のコストを日計で把握できるシステムは他にはありません」（システム管理部長・岡田秀明氏）。

中小規模の会社は、経営者が現場を把握して管理しているところも少なくない。しかし、経営者が一人であれもこれも把握するには、システム化が必要。『経営ナビシステム』は、まさに中小規模の会社経営者が現場を把握するために作られたシステムだ。

「従業員300名程度の会社であるブレインは、山口県を中心に広島・沖縄等全国で事業を展開しており、代表の吉野は全国を飛び回っています。以前は、部署ごとにExcel等を使ってそれぞれ個別に経費管理をしていました。それでは会社の経営状態をリアルタイムで把握するのが難しく、経営者が会社の現状を一元管理できるシステムを導入しようと、色んなツールを検討しましたが、どれも求めている機能をすべてカバーできておらず、自社で開発しました」（岡田氏）。

自社のために作ったツールだが、『経営ナビシステム』は同じような悩みを持つ経営者にとっても役に立つ。今後は自社での運用だけでなく、中小企業をターゲットにシステムの販売も視野に入れて開発を進める。

中小規模の会社経営者が自社の経営状態をリアルタイムに把握できるシステム『経営ナビシステム』を開発した株式会社ブレインの本業は「事業再生」。その中で『経営ナビシステム』が存分に活用されている。

企業が経営難に陥ることには様々な理由が存在するが、企業が健全な経営を維持して存続するには、人・モノ・金・情報等、経営資源の分析が重要。管理システムを導入して分析と予測をし、課題解決に向けたプラン作成をする等、経営の「見える化」を図ること。そのための管理システムが『経営ナビシステム』なのだ。

「全国に約380万社の事業会社がある中、事業計画書を作成している会社はわずか5%といわれています。『経営ナビシステム』を活用すれば、事業計画書を作るために必要な自社の分析が容易になります。『経営ナビシステム』は、今後もブラッシュアップを続けて、より使いやすく効果が期待できるシステムに進化させます」（岡田氏）。

ブレインが手掛ける事業再生は、もちろん経営分析だけではない。中長期計画未来予想図を描いて将来展望の計画、あるべき理想の姿を作り上げ、問題のあぶり出しから整理、分析、アイデア・ビジネスモデルの立案まで具体的な改善を進める。そして、長期計画から3年毎の中期計画まで事業計画を作成して、その実現に向けて各所でサポートする。

事業再生だけでなく、その後のアウトソーシングを手掛けているのが、ブレインの特長だ。特に、起業のきっかけとなった「物流事業」では、企業の流通機能全般を一括して請け負うアウトソーシングサービス「3PL（サードパーティーロジスティック）」を提供している。

「ブレインの3PLは、積極的なIT活用で人材、コスト管理をはじめ、受発注、在庫状況を可視化し、高品質・高効率な運営を行います。沖縄に物流倉庫を展開し、物流コンサルティング、請負を全国で展開しています。ブレインでは4温度帯物流センターを所有しているため、食品加工等幅広い流通加工にも対応できます」（管理部課長・内山直子氏）。

大手物流倉庫で中国地方一帯、庫内仕分けや、メーカーでのプラスチック製品の原材料の梱包、封入業務、通販会社での商品仕分け等、東証一部上場企業からの業務請負及び人材派遣も広く展開している。

広島に拠点を置くブレインだが、本社は山口県大島郡周防大島町にある。2006年に中国地方の中堅物流企業の3PL事業の運営会社として設立されたのが、同社の始まりだ。翌年には、地元大島の農林水産加工工場、山口県周南にある大手化学工場へ人材派遣を開始。さらにその翌年の2008年に、周防大島で運送業を開業した。

その後も、通関代行やリサイクル品・倒産品の買い取りと販売等、色々な事業にチャレンジし、福井で大手通販会社の請負をしたり、広島で運送事業をしたりと、活躍の場も広げてきた。

中でもユニークな取り組みが「農業」だ。

「豊かな自然に囲まれた大島で、大地から恵まれた農産物を守りたい、という思いから、農産事業が発足しました。農産物の生産から加工・出荷まで、幅広く地域に貢献しています。農業生産者の『高齢化』という問題を抱える周防大島町で、未来に残せる農業展開の確立、そして農業生産者との共栄共存を目指しています」（内山氏）。

大島の農業における高齢者・後継不足問題を重要視し、積極的に休耕田や耕作放棄地の借り上げを行っているブレイン。島内に約17か所の農地を所有し、 同社の青年アグリ部と農地の所有者である農家との協力体制で、大島の特産物でもある「みかん」の農地を管理・開拓している。

「農産事業を立ち上げるに当たり、新たな人材の発掘・育成をする『青年アグリ部』を発足させました。青年アグリ部を当社農産事業の中核と位置付け、生産・管理・収穫・流通と様々なセクションに従事しています。 また、農家の高齢化、後継者不足問題への試みとして、青年アグリ部では、農薬散布、草刈り、摘果、袋かけ、防除、収穫や害獣駆除の作業を引き受けています」（内山氏）。

そのほかにも、ブレインでは、自社農園で育てたみかんを丸ごと1個使った周防大島の『まるごとみかん大福』の製造販売も手掛けたり、長門市のご当地グルメを発掘・創造・発信することを目的に開催されたB級グルメグランプリのメニュー開発をしたり、日本女子プロゴルフツアー（LPGA）ツアーの「アースモンダミンカップ」において前夜祭、プロアマ戦、大会期間中のグッズ販売ブース、飲食ブースの制作・運営を手掛けたりと、ユニークで多彩な事業展開をしている。

「当社の多彩な事業展開を継続するにも、ITテクノロジーが必要となってきます。現在は沖縄のグループ会社にエンジニアがいるだけですが、今後の展開を見据えて広島事業所でもエンジニアの部隊を発足させます。最初に入ってくるエンジニア達と一緒に、組織をイチから作り上げていきたいと考えています。新規事業には積極的な社風を持った会社です。一緒に面白い事業を作り上げていきましょう！」