ビークリエイト株式会社

15年のWeb開発経験を生かした新規事業の育成で新たな会社に生まれ変わろうとしているWeb制作会社がある。2006年創業のビークリエイト株式会社だ。

40代の社員が主流の会社に、次世代を担うメンバーを迎え入れ、新規事業を推進する一方、リモートワークを推進する等、会社の組織面も全面リニューアル。既存メンバーが現在の事業で収益を支えている間に、新しい会社に生まれ変わらせる。

温厚な社員が大半で、次世代が会社を作る姿を温かく見守ってくれるビークリエイト株式会社とは、どんな会社なのだろうか？現在の事業内容、新規事業のあらまし、次世代のメンバーに掛ける期待等を紹介したい。

ビークリエイト株式会社は、Webテクノロジーの良さを生かし、企業に価値あるものづくりを提供できるWeb開発のスペシャリスト集団。制作のカバー範囲が広く、Webサイト制作、Webアプリケーション開発、CMS構築、オフショア開発、イベントシステム開発等、年間600件を超えるWeb案件を手掛けている。

「人生100年時代、AI時代、グローバル時代の到来。自分たちが何を提供するのか、何を提供していくのかを哲学する。
ビジネスにおいても、「不変なも」のと「変化をしなければならないもの」があります。技術やデザインに偏らず、受け手視点のあり方や価値観を探求し、広く深くやわらかい視点を持つことが大切です。
当社で働くエンジニア、Webデザイナーはみんな、Webディレクターの役割を果たしています。クライアントが抱える課題に対し、外部のエンジニア・クリエイター達とプロジェクトチームを編成して柔軟に対応します。多くの才能あるエンジニア・クリエイターとの繋がりがあるおかげで、技術的に難しいプロジェクトや納期が厳しい案件でも対応することができ、お客様からの信頼に繋がっています」（代表取締役 Webディレクター・古渡徹也氏）。

大手代理店からの下請け案件がビークリエイトの仕事の大半を占めている。クライアントと直に折衝して最適なエンジニア・クリエイターでチームを編成して制作・開発に当たる。Webシステム開発の場合、上流工程をビークリエイトのメンバーが担当し、実際に開発はベトナムの子会社で働くエンジニアが手掛けるケースも多い。

「2018年にベトナムのホーチミンに子会社『B-CREATE VIETNAM Co.,Ltd.』を設立しました。当社の受託開発を担うだけでなく、一定期間、クライアントの専用のチームを用意して開発を行うラボ型オフショア開発サービスも提供しています。当社のベトナム法人を基盤に新設されたオフショア事業であるため、初期費用や運営費用を抑えられ、圧倒的な低価格でベトナムの超エリート層のエンジニアを活用することができます」（古渡氏）。

ベトナムスタッフの教育や管理をビークリエイトが受け持つため、ラボ型オフショア開発のサービスを利用するクライアントは、現地にスタッフを派遣することなく気軽にベトナムのエンジニアリソースを活用することができる。オンラインを介した簡単な英語でやりとりをするため、翻訳ツールを使った英会話で十分。ビークリエイトのベトナム法人で雇用した人材のリソースを100%提供する形だから、雇用契約も不要。退職金や社会保障も必要ない。

「気楽なオフショアをコンセプトにしたサービスです。ビークリエイトの受託開発を運営する延長で、クライアントに質の高いオフショア環境をリーズナブルに提供することができます。ビークリエイトのベトナムオフィスに社員を派遣することは可能です。現地スタッフと一緒に仕事をすることでモチベーションを上げやすく、業務効率が劇的に改善することもあります」（古渡氏）。

ビークリエイトのWebサイト制作会社としての強みは、圧倒的な数のWebプロジェクトで培った対応力と技術力にある。

「クライアントの要望をヒアリングして、それを実現するためにチームをビルドアップして牽引するのがビークリエイトの役割。当社のメンバーは、代理店からの信頼も厚く、エンドユーザーにも満足してもらえる仕事をしてきました。ただ、当社メンバーのヒューマンスキルに頼っている面もあり、属人性が強くなっているのが当社の課題。そこで、15年以上Web制作を手掛けた知見を生かしたWebアプリのプロダクト開発を新規事業として立ち上げました」（古渡氏）。

Web制作をする際、クライアントの狙いに沿って必要な機能を実装する。しかし、完全にオリジナルの機能を必要とするケースは稀で、同業種で共通したパッケージ製品があればWeb構築はよりスピーディーになり、コストも抑えられる。

「新規事業では、Webアプリのプロダクト開発を進めていきます。例えば、イベントサイトの予約や申し込み機能、コーポレートサイトのニュース機能等、Webサイトの機能ごとにパッケージ化することで、Web構築は効率化されます。ビークリエイトのWeb構築で使うことで、代理店はエンドユーザーにより早くて安いWebサイト制作を提案できます。さらに、同業他社のWeb制作にも活用してもらえように、製品を販売する予定です。15年以上、様々な業種・業態のWeb制作を手掛けたからこそ、当社はWebものづくり現場に必要とされる機能を理解しています」（古渡氏）。

フロー型のビジネスモデルである受託ビジネスから、ストック型のプロダクト開発事業にシフトしようとしているビークリエイト。同社に所属するエンジニアは、Web構築のディレクションを主な仕事にしているため、今回の新規事業については、外部から新しいエンジニアを向け入れて専任にする意向だという。

「これまでのWeb構築事業とは、別の組織を編成して新規事業に挑みたいと考えています。開発にはベトナムのリソースも活用してもらいます。日本のオフィスにいる既存メンバーとも協力して、Webアプリのプロダクト開発を推進してください」（古渡氏）。

既にパッケージ化する製品の計画はスタートしており、最初はその製品を完成に導くのが仕事。その後は、Web構築の中でパッケージ化が可能な機能を見つけ出して、プロダクトを次々に生み出していくやりがいを感じられる仕事といえる。

Webアプリのプロダクト開発で新規事業の育成を進めているビークリエイトだが、その目的にはもう一つの課題解決の狙いがある。会社の世代交代だ。

「長く会社をやってきて、私を含めて多くのメンバーが40代になりました。会社を存続させるために、若手の社員を増やして世代交代をしたいと考えています。そのため、新規事業を手掛けるメンバーは30歳前後の人材を想定しています。会社の収益は既存事業で確保できます。今いるメンバーで会社を支えるので、IT業界で培った経験を生かして、ビークリエイトの第2幕を作り上げてください！」（古渡氏）。

同世代ということもあって社員同士の仲がいいビークリエイトだが、今後は社風も変えていきたいと考えている。そのために、リモートワークを導入して、オフィスも移転して縮小した。

「今は私以外、出勤することが少なく、あれだけ賑やかだったオフィスが、今はとても静かです。元々外部の人材やベトナムのメンバーとチームで仕事をしていた関係もあり、リモートワークの土台はありました。とはいえ、メンバー間のコミュニケーションは今も大切にしています。SlackやBacklogを活用し、社員の提案で『Gather（ギャザー）』というビデオチャットツールを導入しました。バーチャルオフィスのアバターを操作してほかのメンバーとビデオ通話ができるというツールで、オフィスでのコミュニケーションをバーチャル空間で再現できました」（古渡氏）。

新しいコミュニケーションツールを試したり、通勤手当の代わりに在宅勤務手当を支給したりと、快適なリモートワーク環境を作るために会社もあれこれと工夫をしている。リモートワークは今後も継続する予定で、新規事業を手掛けるエンジニアは、日本全国、あるいは全世界のどこからでも参加可能だという。

「新しい会社に生まれ変わるために、思い切った改革が必要だと思っています。エンジニアはフルリモートでも問題なく働ける時代ですから、どこに住んでいても構いません。地方のエンジニア、移住したいエンジニア、通勤電車が苦手なエンジニアも大歓迎です。現在のビークリエイトを土台して、新しい世代のエンジニア活躍できる会社を作り上げてください。私を含めて既存メンバーもWeb構築で培った経験で全面的にバックアップします！」（古渡氏）。