株式会社キーワードジャパン

独立系情報サービス会社として、システム開発やインフラ構築・運用・保守を手掛け、順調に成長を続けている株式会社キーワードジャパン。同社はシステムエンジニアだった現・代表取締役の佐々木努氏が1990年12月に独立して設立した。以来、30年以上にわたって、無借金・黒字経営を続けている安定企業だ。

「当社は創業以来、本業のIT事業に専念し、堅実で健全に無借金経営を続けてきました。その間リーマンショック等、大変な時期もありましたが、三歩進んで二歩下がり、逆に二歩進んで三歩下がるといった感じで、コツコツと実績を積み上げてきました。財テクを目的とした不動産投資や株式投資は一切やっておらず、財務体質は非常に健全です」（佐々木氏）。

同社では、金融・通信・製造業・官公庁・ゲーム・医療・物流等、幅広い業界の業務システム・アプリケーション開発や、サーバ・ネットワークの設計・構築・運用・保守等を手掛けている。特に銀行・証券・生損保・クレジット会社向け等の金融系システム・アプリケーション開発の実績は豊富だ。取引先には大手SIerや大手IT企業がずらりと名を連ねる。

現在、同社では20代の若手から50代のベテランまで約170名のエンジニアが活躍している。システム系に携わっているエンジニアとインフラ系に携わっているエンジニアの割合はほぼ半々。マネージメント層は、マネージャー4名、プロジェクトマネージャー8名、プロジェクトリーダー10名という体制。プロジェクトごとに2～25名がチームになってクライアント先で仕事に取り組んでいる。

「当社ではIT業界で最も重視すべきは人だと考え、人間力を備えた人材育成に力を入れています。そして、社員一人ひとりがエンジニアとしてのプロ意識を持って、お客様から言われたことだけをやるのではなく、プラスアルファの付加価値を付けて技術を提供するよう心掛けています。その結果、当社のエンジニアは、大手メーカー等お客様から高い評価をいただいています」（佐々木氏）。

ここ5年間の業績の推移を見ると、13億5,000万円（2015年11月期）→14億円（2016年11月期）→15億円（2017年11月期）→15億5,000万円(2018年11月期)→16億円（2019年11月期）と着実に売上を拡大。新型コロナ感染拡大の影響で多くの企業が苦戦する2020年度も、前年度を上回る利益を確保した。

キーワードジャパンの魅力は、エンジニアが働きやすい環境を徹底的に整備していることだ。その結果、社員の定着率は95%と非常に高い。

まず、配属するプロジェクトは、一人ひとりの経験・スキルを考慮しながら、最大限本人の希望を考慮して決定する。開発先には自社チームの一員としてアサインし、基本的に一人で行くことはない。入社5年目で、現在大手メーカーでアプリケーション開発に携わっているI氏（29歳）は次のように語る。

「前の会社では、今と同じくクライアント先常駐でシステム運用・保守に携わっていました。しかし、自社の社員は自分一人という状況で、困ったことがあっても相談する人がおらず、一人で悩んでいました。会社に言っても何も対応してくれず、結局体調を崩して退職することに。当社ではそんな事情を話して、先輩社員が沢山いるプロジェクトに配属してもらったおかげで、スムーズに仕事を始めることができました。また、こんな仕事に携わりたいという希望も遠慮なく言えます。私も入社3年目にアプリケーション開発にチャレンジしたいと上司に伝え、今は希望通りの開発プロジェクトに携わっています」

I氏以外にも、ネットワークの運用・保守を手掛けていたエンジニアがネットワーク設計・構築に携わったり、プログラマーからSE、SEからプロジェクトリーダーにステップアップする等、活躍中のエンジニアが多数いる。

経験・スキルをしっかりと評価し、満足いく待遇としているのも同社の特徴だ。ITエンジニア経験者の場合、全員前職の月給を保証している。例えば一人で業務を完結できる人なら月給30万円以上、マネージメント経験があり、成果を出してきた人は月給50万円以上という実績もある。

「私自身も当社に転職して給料が上がりました。賞与も年2回しっかり支給されます。残業も少なく、あっても一日1時間程度。月平均20時間以内で、定時退社することも少なくありません。会社全体の有休消化率は92%と高く、遠慮なく取得できるのでゆとりを持って働けています」（I氏）。

退職金制度、家族手当（配偶者月1万円、子供一人あたり月5,000円）、資格取得支援・報奨金（基本情報技術者1万円支給、応用情報技術者6万円支給等、資格のレベルに応じて10～30万円まで支給）等、福利厚生や各種手当も充実。産休・育休を取得後、復帰して活躍中の社員もおり、育休は男女共に取得実績がある。

現在、キーワードジャパンのエンジニアの平均年齢は約31歳で、20～30代の若手が中心となって活躍している。男女比は男性8割、女性2割の割合。本社オフィスは東京の主要ターミナル駅の一つ「池袋駅」から徒歩約7分のオフィスビル内にある。同社の企業カルチャーについて代表の佐々木氏は次のように語る。

「アットホームな社風ですね。定期的にグループミーティングを行う等、社員同士のコミュニケーションは活発で、社歴や年齢に関係なく、お互いに意見が言い合える風通しの良さがあります。帰社日等、みんなが集まる場では、後輩のエンジニアが先輩にこれからのことについて相談していたり、技術について熱く語り合ったりしている光景を見かけることも多く、いい雰囲気だと感じています」

社員同士が親睦を深める機会として、コロナ前は帰社日（2月・4月・9月）、新卒入社者歓迎会、暑気払い、社員旅行、忘年会といったイベントを行っていたが、現在は中止している。

「この状況になって、あらためて顔を合わせて話し合う大切さが分かりましたね。今はネットを使って、営業担当が社員一人ひとりに仕事で困っていることはないか、何かストレスを感じていることはないか等、小まめにヒアリングしてサポートしています。私自身も社員専用のWebページを通じて社員に対して定期的にメッセージを発信しています」（佐々木氏）。

同社は2019年1月に、健康保険組合連合会東京連合会から、健康優良企業（銀）として認定された。これは、企業全体で健康づくりに取り組むことを宣言し、一定の成果を上げた場合に認定される制度だ。

「健康は全ての基本です。以前当社でインフラのスペシャリストとして活躍していたエンジニアがいました。しかし、健康を害してしまい、結局は退職してしまったんですね。そんなことが二度とないよう、私は常日頃から社員には健康を大切にするよう口を酸っぱくして言っています。そして、定期健康診断とストレスチェックの実施を徹底する等、健康的に働ける環境づくりを進めています」（佐々木氏）。

黒字経営を続けながら、社員達が「ずっとここで働き続けたい」と思える会社を目指し、常に働きやすさの改善に努めている同社。長く安心して働くことができる環境で、エンジニアとしてスキルを磨きたい方、リーダーやマネージャーへのステップアップを目指したいにはおすすめだ。