株式会社ファーストコミット

主にテレビ業界向け業務システムの設計・開発をおこなっている株式会社ファーストコミットは、エンタープライズ業務の再構築やシステム化をターゲットにしたスタートアップ企業だ。2020年7月に設立され、東京都渋谷区松濤に本社を置く。

代表取締役は、苅谷翔太郎氏と車拓哉氏が共同で務める。苅谷氏は早稲田大学を卒業後、株式会社リクルートホールディングスのネット領域に新卒入社し、入社4年目で社内起業制度「NewRING（現RecruitVentures）」で準グランプリを獲得。リクルート社内の新規事業組織で、複数の事業立ち上げに携わってきた。

また、スマホでテレビが見られるTOKYO MX（東京メトロポリタンテレビジョン株式会社）のアプリ「エムキャス」の企画立案および開発にもあたり、テレビ局への販路拡大に多大な貢献を果たした。

もう一人の共同代表の車氏は、しくみ製作所株式会社の代表取締役も務める。行動よりもモノを考えることが好きなタイプで、物理や数学が得意分野。東京工業大学に入学後はアカデミックな道に進もうと、博士課程にまで進んだ。しかし、ひょんなことから始めたアルバイトがきっかけとなり、ITベンチャーの立ち上げに関わるようになった。

技術面では早くからRailsを取り入れ、自社サービスの立ち上げや、結婚情報誌「ゼクシィ」（株式会社リクルートマーケティングパートナーズ）の中核を担うサービス開発を担当。同時に、経営企画、採用、組織づくり、技術選定などの実務経験を積んだ。現在は札幌を拠点に、完全リモートなどの挑戦的な試みに取り組んでいる。

2人の立ち上げメンバーは、5～6年にわたり上記のような仕事を一緒にしてきた仲間同士だ。主なターゲットをテレビ業界に定め、その業務に使用されるシステムをさらに発展させ、別の業界に拡大していくためにファーストコミットを立ち上げた。案件はクライアントとの直接契約で、実績ベースの紹介を中心に、基幹放送局、キー局、中京の地方局などから仕事を受注している。

ファーストコミットは、「やらねばならない」業務の変化を顧客とともに設計し、先端技術と組みあわせることで企業価値を上げる“グロースカンパニー”を標榜している。主な業務内容は、（1）業務システムのデザインおよび開発と、（2）プロジェクトデザインおよび開発、（3）開発プロジェクトの設計、の3つだ。

（1）業務システムのデザイン・開発の領域では、理想の業務を設計し、現場に受け入れてもらえるよう、変化をうながすシステムをつくる。最近では技術が指数関数的に進化していることを受け、より良い業務がつくれるチャンスがどんどん増加している。しかし最先端の技術を導入しただけでは、現場レベルではなかなかついてきてくれないのが現実だ。ファーストコミットは現場の人に使ってもらえるシステムを意識し、業務の箱と中身をセットで最大化できるような設計を目指す。

（2）プロジェクトデザイン・開発の領域では、プロジェクトに関わるすべての企業が、1つの目的を達するための協力体制を設計する。近ごろはマルチベンダーでの開発など1つのプロジェクトに多くの企業が関わることが多くなったが、ファーストコミットはプロジェクトの意思決定方法やコミュニケーション設計、スケジュールやタスク管理まで、パフォーマンスを最大化できるチーム設計にあたる。

（3）開発プロジェクトの設計では、「いま、イチからつくるなら、をつくる」をミッションに、顧客の事業にコミットするシステムをつくる。利権や負の遺産、企業リレーションなどの“しがらみ”に配慮しつつ、それらを理解したうえで、目まぐるしく変化する技術やマーケットに対して「イチからつくるなら、こうあるべき」を想像し、理想と現在のギャップをどう埋めるのかを愚直に考えて実行していく。

今後はテレビ業界での知見や経験を活かし、他の業界への展開を進めていく。「必要な変革」を顧客とともにつくり、新しい未来をつくる事業を応援していく。

2020年11月時点の従業員数は3名（代表取締役2名、取締役1名）で、いずれも、デザイナー、エンジニア、ディレクターとして豊富な経験をもつ。平均年齢は30代中盤で、全員男性だ。

この3名はすべて他社の代表取締役を務めており、それぞれの仕事に責任をもちながら、ファーストコミットの業務を推進している。全員が異なる場所で、忙しいなか仕事をしているため、ミーティングは必要最小限。チームワークとコラボレーションにより、新しい業務管理システムの創出に取り組む。

今回の採用では、（a）プロジェクトマネージャー、SE、（b）エンジニア、プログラマーの、2つの職種を想定している。

（a）プロジェクトマネージャーの主な役割は、さまざまな企業が入るプロジェクトチームでのスケジュール管理だ。タスクを洗い出し、スケジュールを整理して、それをチーム間で共有したり、進捗管理をおこなったりする。

やり取りはオンラインでおこなうケースが多いため、人当たりの良さや、ていねいなコミュニケーションが求められる。複数人が参与するプロジェクトでのプロジェクトマネジメントの経験や、ファシリテーション、コンサルティングのスキルがあれば役立つだろう。

（a）SEは、エンタープライズ向け事業展開の経験や、システムコンサル会社または大手システム会社でのSIerの経験が歓迎される。現在はシステム開発の案件が多いため、IT系のシステム開発経験があれば、スムーズに仕事をはじめられる。

（b）エンジニア、プログラマーは、サーバーサイド（Rails）やインフラ系（AWS）に強いことが必須。プロジェクトマネージャーなどの経験があれば尚可だ。

（a）（b）共通して求められる人物像は、重厚長大な業務フローを根気よく、一手ずつ、地道に進められること。3つのバリュー（自ら機会を創出する「挑戦者精神」、意思をもって設計する「圧倒的当事者意識」、現場に使われるシステムにこだわる「現場主義」）への共感もポイントとなる。