エンジニアとしての成長と、芽生えた「地域を活性化したい」という気持ち
東京都港区に本社を置き、2020年1月に設立された株式会社D3(ディースリー)は、PHPフレームワーク・Laravelを使ったアプリケーション開発をメインの事業としている。受発注管理や在庫管理、予約管理、発送管理といった業務を担うアプリケーションを手掛けるほか、ECサービスのプラットフォーム『Shopify』を使ったWebサイトの開発、さらにはLINEによる予約システムの自社サービスとしての展開にも力を入れているのが、現在の同社の姿だ。とくに、ECサイトの作成・商材の在庫管理・決済・配送までを一括して管理し、サブスクリプションサービスとして利用できる『Shopify』の開発力に関しては「国内トップクラスという自負がある」と語るのは、同社の代表取締役・江口晋之介氏。その江口氏に、同社設立の経緯について聞いてみた。
「私自身、受託でのシステム開発という業務を7年ほど経験してきました。エンジニアとして働く中で、技術力の向上やスキルアップは達成できたという実感はあったのですが、次の目標として考えたのが“自分だけではなくみんなで頑張れる環境をつくりたい”ということでした。そこから、自分たちのつくったもので世の中の役に立ちたい、その活動を通じて北九州という地域を活性化させたいという思いにつながり、当社を設立することを決意したんです」。
代表の江口氏を含めた3名が創業メンバーとなった同社だが、現在手掛けている案件はWebサービスを手掛けてきたそれぞれが過去に関係性をつくった顧客からの受注が中心となっている。美容関係の顧客を中心とした顧客数は、設立からの短い期間で7社を獲得。それぞれの案件に対し、北九州市の拠点に在籍する3名と東京本社の5名の開発メンバーが対応している。Webディレクター、デザイナー、エンジニアそれぞれが裁量を持って業務を担当し、顧客のビジネス構築のサポートを行っているというのが同社の特徴である。
「メンバーそれぞれが、情報設計、プログラミング、UI・UXのスキルと知識を伸ばしながら、自由なスタイルで顧客とコミュニケーションを取りながら業務を進めることができるのが当社の魅力だと思います。Webサイトの制作に関してはデザインを重要視することはもちろんのこと、顧客のビジネスにとってメリットを最大化できるようなUI・UXの設計を充実させることにも力を入れていきたいと考えています」。(江口氏)
時代の変化と、それに対応する新たな取り組みが生み出す事業成長のサイクル
同社がその開発力を強みとしている『Shopify』は、小規模なECサイトから大規模なショッピングサイトまで、ビジネスのスケールを問わず幅広く対応できるプラットフォームとして近年注目度を高めているサービスだ。実際に大手企業の物販サイトのほかストリート系のアパレルブランドサイトまで、多種多様な導入実績を持っている。また、クラウド型のプラットフォームによる導入のしやすさ、世界中のエンジニアが開発・公開する追加機能の多様さという魅力も、このプラットフォームの人気に拍車をかけている。このサービスを活用し、自社での機能開発も行いながら顧客の要望に柔軟に対応し、受託案件数を伸ばしていきたいというのが同社の今後の目標だ。
「現在の事業コンセプトとして私が考えているのは、まずはWebサイト制作とECサイト開発の案件数を安定させる、ということです。その安定した基盤、足場を構築した上で、独自のアプリ開発や自社サービスの展開を進めていきたいというのが当社の目標。その目標のために、会社の体力を強くするようなしっかりとしたデザイナー・エンジニアの方々を増やしていきたいと思っています」。(江口氏)
企業としての体力強化を目指す同社において、自社に迎える人材には「学び続ける」姿勢を求めたいと、江口氏は考えている。移り変わりの激しいWeb領域の技術をキャッチアップし、変化に対応しながら顧客のニーズにマッチする成果物を提供していくためには、新しい知識を貪欲に吸収するマインドこそが必要になるということだ。
「以前はガラケーだったものがスマートフォンと中心になる世の中に変化し、そこからさまざまなデバイスが登場してきました。これからも、いろいろなデバイスや新しい技術が出るなど、変化は続くはず。その変化に対応するためには学び続けるしかありませんし、技術者やデザイナーは変化したデバイスに応じた結果を、自身の業務成果としてアウトプットする必要があります。そうした技術やデバイスの変化に対応し、常に制作者が自身のスキルをブラッシュアップできるような環境をつくっていきたいというのが私の考えです」。(江口氏)
設立から約1年の企業である同社の成長と、デザイナー、エンジニアが自身の成長をリンクさせながら日々努力できる。その成長が自社サービスの開発や新規ビジネスの発展を実現し、そこから生まれる利益がさらなる新サービスを生む。江口氏は、そんな事業のサイクルをつくり出すことこそ、自社の事業発展のカギになると語っている。
自分らしい働き方ができるから、熱意ある業務姿勢と成長意欲を維持できる
2020年1月のタイミングで、同社は大都市圏ではない北九州市という場所を開発拠点として選択したわけだが、そこにはどんな思いがあったのか。同社の創業メンバーの1人であり、人事業務を管轄する加藤大輝氏に話を聞いた。
「近年の世の中の動きとして、個人個人が働き方を見直すという流れがあると思います。北九州市は、多種多様な業種の企業が存在する関東圏や近隣の都市圏と比べると、働く上での選択肢は少ないと言えます。その状況の中で、WebやITといった業務に関連する人材のために自分たちが何かできないか、と思ったことは当社の設立のきっかけにもなっているんです」。(加藤氏)
自身も福岡で教育関連の事業を手掛ける加藤氏に加え、他の創業メンバーも東京都、大阪市、名古屋市といった都市での事業運営経験を持っている。その経験を生かしながら、デザイナーやエンジニアが自分らしく働ける環境をつくり出し、それを1つの選択肢として提示したいというのが、創業メンバーたちの当時の気持ちだったという。北九州市の人材たちが勤務先・通勤先として同社を選択し、オフラインでの関わり合いも含めた関係性の構築によって、自身の価値に気づいてほしいと、加藤氏は考えている。
「一人ひとりが人格を抑えられることなく、言いたいことが言える状況で活躍してほしいと思っています。精神面や心の安定があるからこそ、仕事への意欲を持ち続けながら成長することができます。まだまだ規模の小さい当社ですが、そうした環境づくりに取り組んでいる部分では他社に負けないと思っていますので、自分らしく働きたい、正しい評価で自分の価値を見いだしたいと思っている方に、ぜひ来ていただきたいですね」。(加藤氏)
同社では、残業が必要な場合は事前申請を必要とする勤務時間管理など、社員が無理なく働ける環境のための体制づくりにも力を入れている。今後は、評価制度のさらなる整備にも取り組む予定だと語る代表・江口氏は、転職者に向けて次のようにメッセージを送っている。
「私自身、制限や縛られることが嫌いで、人それぞれに合ったやり方で働くべきだと考えています。ルールがあるのは大前提ですが、その中で自分らしく働いてもらいたいですし、その人たちが正当に評価されることで常に成長を目指せるという環境をつくっていきたいと思っています。そんな当社に少しでも魅力を感じた方は、ぜひ応募してみてください」。
お客様を笑顔にできるようなサービスを一緒に作りましょう。