太陽光発電事業で成功。IT事業へフィールドを拡大し、アプリ開発を開始
2015年10月に三重県伊勢市で創業し、太陽光発電設備の設置・販売事業を手掛けてきた株式会社AMAZE。太陽光発電業界の発展とともに順調に成長を続けてきた同社は、2020年にこれまでとは畑が異なるIT業界へも進出。8月には通信系アプリケーションの開発プロジェクトをスタートさせ、着々と足場固めを進めているところだ。
「基本部分をイメージしやすいのがLINEです。LINEアプリを開くと、メッセージ、電話やビデオ通話ができ、SNSも兼ね備えています。ニュースを見ることもできます。アプリがひとつあれば、ほとんどのことができます。これと似たような形でひとつアプリを開けば業務が完結するビジネスツールを開発しています」(代表取締役・入江豪)
ただのメッセンジャーアプリとは異なり、B to Bを強く意識したアプリケーションで、業界や企業固有の業務に対応しているのが特長だ。
「太陽光発電事業を例に説明すると、お客様から『土地がある』と問い合わせがあったら、すぐに見積書、シミュレーション、画面の配置図の3つの書類を用意する必要があります。けっこう手間のかかる作業なのですが、最終的に契約に至らないこともあるため、できれば時間を使いたくない業務でもあります。そこで、土地の形を入力しただけで、上記の3つの書類が用意できるアプリがあったら便利です。今後はアプリを購入してくださった企業が属する業界に特化した機能を作り、基本部分に追加していきます 。普遍的に使える通話・メッセージ機能にプラスして、個々の業界に特化した機能が加わるのが当社アプリの特長です」(入江氏)
アプリケーションで業務の効率化ソリューションを提供する狙いがある。多業種の業務の研究が必要になるが、主力事業の太陽光発電事業があるため同社の経営は安定しており、 しっかりと利用者が納得できる“いいもの”を作り上げていく計画だという。
この企画の根底には、同社の企業理念とも言える『三方よし』の発想もある。『三方よし』とは近江商人の言葉でビジネスの「売り手」の一方と「買い手」の一方が納得するのは当然として、「社会貢献」の一方を加えてはじめてよい仕事となるという意味。同社が開発するアプリケーションで業務を効率化することで、誰もがお金や時間を損することなく仕事が進められるようになり、社会が豊かになってほしいという意図が込められている。
社内に新しい「ITの空気」を吹かせて、新しい「人」と流れの創造を目指す
太陽光発電事業で成長を遂げた株式会社AMAZEが、2020年に新規事業を開始し、活躍する分野としてITを選んだ理由を入江氏に伺った。
「3月にAWSが障害を起こしたというニュースをふと目にして、もともと私がパソコンのハードウェア、ソフトウェアに興味を持っていたこともありましたが、AWSやクラウドについて詳しく調べていくうちに将来性を感じたからです。それで事業化を決意しました」(入江氏)
ここ3年ほど、新規事業開始への課題感があり研究を続けていたという同社。ちょうど資金を用意できたタイミングだったとはいえ、閃きから一気に準備を進めて新たに事業部を新設。前述した通信系アプリケーションの開発にまでこぎつけている。この決断の背景にはどんな想いがあったのだろうか。
「IT事業に関して、正直、興味はあっても知識はあまりない状態でした。異業種への進出になるわけですが、とはいっても不安はありませんでした。現在、アプリケーション開発は国内トップクラスの技術者をVPoEとしてアサインし進めています。
自分よりも知見のある人と一緒になって、未来を考え、変えていきたいという発想でした」(入江氏)
一人ではなく、チームを作ってIT業界に挑んでいくことがカギとなったようだ。そこで、これまでITに関係のない業務を担っていた同社社員にもAWSやクラウドに関する講習を受けてもらい、社内に「ITの空気」を持ち込み、新たにIT分野での経験者を正社員として迎えることでIT事業の歩みを確実なものにしようとしている。現在は業務委託で参加しているメンバーがリーダーシップを発揮してくれていることもあり、前述したアプリケーションの開発は順調に進んでいる。決して困っている状態ではないが、入江氏はその先を見て動いている。
「今後のことを考えると、正社員としてフルコミットでジョインして頂きたいと感じています。CKO(最高知識責任者)とまではいいませんが、いずれ立場的にはそのようになっていただきたける方にジョインしていただきたいと思っています」(入江氏)
同社では、未来を見据え、IT事業を自走できる状態へと導く意欲を持ったメンバーを求めている。
地方企業の強みとしてフレキシブルな働き方を選択可能。Iターン、Jターンも歓迎!
現在、アプリケーションの開発はオンラインで行われており、株式会社AMAZEのIT事業は三重県伊勢市だけでなく、全国各地で進行している。この点について入江氏に聞くと、
「今、開発してくださっている方々に直接お会いしたことがないくらいで、ZOOMだけでお願いしています。働く場所については、在宅勤務も結構です。東京や大阪など都市部にエンジニアが多いこともわかっています。伊勢にある当社ではフレキシブルな働き方でエンジニアに参画してもらえればと考えています」(入江氏)
何より重視しているのは、これまでの経験。同社では、リーダーとして開発経験があったり、プロジェクトを引っ張ったりした経験があり、IT事業を通じて成長をしたいという人物の参加を求めている。入江氏が述べたように都市部から在宅で勤務することもできるし、三重県伊勢市へ移住してIターンやJターン、Uターンで働くことも可能で、引っ越しの相談にも乗るとしている。同社では「仕事をしっかりする」前提で柔軟な働き方を認めている。
黙々と仕事をする社員が多いという同社。社員に話を聞いても「素直で真面目な人が多い」「静か」との声が返ってくる。安心してじっくり仕事に取り組める環境が整っているようだ。
「今回のプロジェクトでもそうですが、期間限定で参加していただいてもいいと思っています。参加して判断していただければと思います。私がこう言っているということは、仕事のしやすさや待遇を含めた環境面について、入社された方に納得していただける自信があるからです。一度、当社の社内の雰囲気や仕事ぶりを見てほしいと伝えたいです。私たちがこれから作っていくアプリケーションは未来です。その未来を作るための仕事、アプリを文化として浸透させるためにがんばっていくので、その夢を一緒に追いかけませんか?」
社会情勢の変化が激しい今、変化への柔軟に対応しながら『0から1を作りたい』『地に足をつけたモノづくりをしたい』と考える人には魅力的な仕事だ。