総資産約3.8兆円、従業員数4,300名以上の"Big Baby Start-up”
世界最大級のエネルギー企業として成長を続けている株式会社JERA。同社は2015年4月に東京電力と中部電力のジョイントベンチャーとして誕生。その後、段階的に両社の燃料事業、海外発電事業を統合し、2019年4月には、国内火力発電事業などの承継を完了し、本格的に始動した。設立間もないスタートアップ企業でありながら、その総資産は約3.8兆円(2019年度)で、従業員数は4,300名以上。いわば"Big Baby Start-up”だ。
その気概は社名にも表れている。「JERA(ジェラ)」という社名は、「日本(Japan)の エネルギー(Energy)を新しい時代(ERA)へ。」という同社の事業コンセプトの主要な文字をつなげたもの。日本発の企業としてエネルギーの新時代をつくっていくという強い想いが込められている。
現在同社は、「世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供すること」をミッションとして掲げ、エネルギー開発・調達や発電事業、電力・ガス販売事業など、様々なエネルギー事業を世界中で展開している。
同社の強みは、LNG(液化天然ガス)などの資源エネルギーの開発・調達から、輸送・受入、国内外での電力発電、ガスも含めた販売まで、エネルギー供給における一連のバリューチェーンを一貫して担っていることだ。エネルギーという人々の日々の生活になくてはならないインフラ産業の上流から下流までを、自社で一貫して手がける会社は世界的に見ても他に類を見ない。この強みを最大限に活かし、世界各国が抱えている様々なエネルギー問題に対して、国や地域の実情やニーズに合ったソリューションを提供することができるのだ。
その実績はいずれも日本・世界トップクラスだ。国内発電量はわが国の発電電力の1/3に相当する約2,925億kWhで、発電に関する技術力の指標と同時に、自然環境への優しさの目安にもなる発電効率は世界最高クラスを誇る。また、燃料となるLNGの取扱量は約3,500万トンと世界最大級の規模に及び、世界のLNG市場における最重要プレイヤーのひとつといわれる。。そして、海外で推進しているプロジェクトは、世界10ヶ国以上・25件以上に達しており、エネルギー事業の幅広い領域を網羅している。。最近では再生可能エネルギーを今後のコア事業の一つと位置付け、世界各地で洋上風力発電や太陽光発電など、再生可能エネルギー事業の開発にも積極的に取り組んでいる。
事業拡大に伴って業績も順調に推移している。ここ数年の売上高の推移を紹介すると、2017年度は前年度比61%増の2兆2,351億円、2018年度は前年度比22.4%増の2兆7,807億円、2019年度は前年度比46.7%増の3兆2,800億円と、右肩上がりで急成長中だ。
ベンジャマ サミ氏
全社を挙げてデジタルトランスフォーメーションを推進中
現在、JERAでは世界で戦うグローバルエネルギー企業を目指し、2025年までのICT戦略を策定し、全社を挙げてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。
ICT部門では、戦略の実行部隊として、グローバルITプラットフォームの構築をはじめ、クラウドベースソリューションの開発、情報セキュリティシステムの構築、ビッグデータ解析によるAIソリューションの開発など、様々なプロジェクトが進行中。2020年3月にはわが国のエネルギー業界で他社に先がけて基幹システム(SAP)をクラウド上で稼働させ、大きな注目を集めた。今現在もそれに続くビッグプロジェクトが進行中であり、業界のトップランナーとして目が離せない存在といえる。
また同時に、ベンダーマネージメントのシステム化や、ICT予算が適性に投資されているかを精査する仕組みづくりなど、ITやデジタル化の経営資源のマネージメントを通じて、強固な経営基盤に繋げていくためICTガバナンス体制の構築にも力を入れて取り組んでいる。こうした取り組みには、デジタル化に向かって闇雲に突っ走るのではなく、かけがえのないエネルギー事業を支えるインフラ企業として社会に対する強い責任感を持ちながら、ICT技術を使いこなそうという同社の使命感があらわれている。
同社でエンジニアとして活躍する最大の魅力は、売上3兆円を超える巨大なビジネス基盤をベースに、スタートアップ企業と同じように、ゼロベースでデジタル・ICT基盤を企画・設計・開発・構築する機会が豊富にあることだ。常務執行役員 Global Chief Information and Digital OfficerとしてICT部門を統括するベンジャマ サミ氏は次のように語る。
「私たちはAIやクラウドなど最先端のICT技術を駆使してゼロベースで仕組みづくりに取り組んでいます。新しい技術に対して躊躇しませんし、多彩なアイディアや発想が自由に飛び交うので、エンジニアにとっては刺激に溢れ、成長できる環境です。また、JERAは新しい会社で組織もフラットです。大企業にありがちな社内での根回しなど、よけいなことに気を使う必要はありません。また、エンジニアの場合、自分が携わっているシステムやネットワークがどこでどのように使われるかがわからないと不安ですが、私たちは実際にシステムやネットワークを使用する事業部門のみなさんと一体なって、戦略的に開発や構築に取り組んでいます。自分たちの手がけているものが数年先にどのような部門で、どんな風に使われ、事業に貢献するのか、といった見通しが利くので、高いモチベーションを維持しながら開発に取り組めます。同じように、システムやネットワークをつくるにしても、出来上がったものを納入するだけの立場とは異なりますので、責任感も違いますし、大げさに聞こえるかもしれませんが、エネルギーを通じて社会に貢献するというスケール感を味わえるのが醍醐味です。」。
DXを推進し、同社が目指すのは、データをもとに経営やマーケティング戦略、人事など様々な意思決定を行っていく“データドリブンカンパニー”への変革だ。
「ビジョンとして考えているのは、ICT部門を会社のコンサルティングを担える部隊にすることです。ビジネスで何か技術的な問題が起きた時には、ベンダーではなく、まずICT部門のメンバーに相談し、ソリューションを提供できる体制を整えます。そして、ゆくゆくは私たちが構築したプラットフォームやセキュリティシステムなどのIT技術そのものを商品として提供していきたいですね」。(サミ氏)
海外出身者も数多く活躍するグローバルな環境。フレキシブルな働き方ができる!
JERAのグローバル本社のオフィスは東京都中央区日本橋の日本橋高島屋三井ビルディング内にある。東京メトロ銀座線・東西線「日本橋駅」直結で、通勤などにも便利なロケーション。現在、20代から50代まで約100名のエンジニアが活躍しており、平均年齢は35歳前後。そのうち約15%が中途採用したメンバーだ。企業カルチャーについて、サミ氏は次のように語る。
「10%が海外出身者で、多彩なバックグラウンドを持ったエンジニアが活躍しています。私自身はチュニジア出身。そのほかアメリカ、ウクライナ、インド、中国、イラク、フィリピン、ベトナム、バングラデシュ出身のエンジニアがいます。国籍や人種も多様なメンバーが集まって、議論を交わし、それぞれの役割に沿って行動し、互いを励まし合いながら、プロジェクトを進めていく。それがJERAの日常風景です」。
社員一人ひとりの状況に応じて、フレキシブルな働き方ができる環境を整えているのも同社の特徴だ。フレックスタイム制を採用しており、コアタイムは10時から15時。新型コロナ流行前からテレワークを導入していた同社では、コロナ感染防止のため、全社的にテレワークを推奨することになった際にも、シームレスに移行することができ、2020年8月時点ではICT部門のエンジニアの約90%がテレワーク中。完全週休2日制・年間休日120日以上、残業は月20~30時間程度と、プライベートも大切にしながらメリハリをつけて働くことができる。資格取得支援制度や人事部主催の英語レッスンなどスキルアップをサポートする制度も充実している。
そんな同社が求めるのは、クリエイティビティとイマジネーションを備え、自ら考え行動できる人材だ。
「例えば上司から『これをやってください』という指示を受けた時、何か変だと思ったら『ここはおかしいのでこうした方がいいと思います』と言える人に来ていただきたいですね。何も考えずに言われた通りにやるだけならロボットと一緒です。ロボットは採用したくありません。私たちは今新しい仕組みづくりに挑戦しています。それは簡単なことではありません。時には失敗や苦しみもあるでしょう。しかし、そうした失敗や苦しみをプロセスとして受け止め、乗り越えていくことによってビジネス課題を解決する力が身に付きます。技術だけではなく、ビジネススキルも磨きたい方にとってJERAは最適な環境です」。(サミ氏)
日本発のグローバル企業として成長を続ける同社は、これまで培ってきたスキルや経験を活かし、エンジニアとしてさらなる高みを目指したい方にはおすすめだ。