IT業界の課題を解決するために
1999年にネットバブルが崩壊し、IT業界は「三重苦」を背負うことになった。高額な投資の割にお客様の事業に役立たないシステム、労働集約的職業となってしまったITエンジニア職、そして海外製品一辺倒で日本発の技術が育たない土壌である。
そんな業界に強い危機感を感じ、会社を立ち上げたのが、ウルシステムズ株式会社 代表取締役社長の漆原氏だ。ITに関わる人なら誰もが感じているであろう、これらの問題を解決したいと、2000年に起業、同氏に共感し設立以降集まった同志は300名を超える。
知的財産『ULBOK』を核に知識集約型のコンサルティングとソフトウェア開発
同社の事業はITコンサルティング、およびコンサルの現場で得た知見を集約したソフトウェアの開発の二つだ。
コンサルタントの使命は、顧客企業のIT部門において、企業の戦略や方向性と業務の両方を正しく理解し、最適なIT構築を行うことだ。経営陣の考えがIT部門に正しく伝わっていない・業務フローがIT部門に正しく理解されていない・ITプロジェクト管理が出来ていない・ITスキルが不足しているといった原因から生まれる、あるべきシステムの姿と現実の間の大きな「ギャップ」を埋めることが「役に立っていないIT」を復活させるための最重要事項であると同社は考えている。
「我々は、顧客の名刺を持ち、ITの発注者である顧客の側に立つからこそできる仕事を、いわば『CIOの両手・両足』となって実行するのです。」と同社の立ち位置を説明する漆原氏。
コンサルが現場で得る業界・業務の知見は、全てが同社のナレッジとなる。同社では、『ULBOK(UL systems Body Of Knowledge)』と呼ばれるナレッジサーバを構築、全コンサルタントがそこに自分の知識を登録し、集約させ、共有している。そして、『ULBOK』に蓄積される集約知をもとに研究開発投資を行い、業界のニーズを先取りした先端ソリューションを自ら構築することが、同社の第二の柱であるソフトウェア事業である。
情報サービス・製造・流通サービスに特に強み
同社のターゲットは、日本が最も得意とする産業分野のトップ企業だ。すなわち情報サービス・製造・流通サービスの3つである。これらの企業は非常に高度なグローバルビジネスに挑戦し続けており、その中でITが演じる役割は大きく、重要だ。ビジネスとITが切り離せなくなった昨今では、ITが企業の心臓であるとも言われる。そのIT部門に業務や開発技術に強いコンサルタントのチームを送り込む。
IT部門の現場では、役に立たず「お荷物」となったシステムを前に、ベンダーと社内各部署・経営陣との間で板挟みになり困っている人たちがいる。彼らと共に考え、最適な解を与え、問題の解決まで伴走するのがコンサルタントの役割なのだ。
同社のサービスのリピート率は70%を超える。これは、コンサルタント達が、顧客と一体となって真剣に仕事に取り組み、それが確実に成果に結びついているからだという。
尚、近年、特筆すべきは流通業界で、RFIDやSCMシステムの普及でこれまでにない流通革命が起きようとしている中、旧態依然とファックスや電話を利用し続けている企業間をインターネットEDIで結ぶというシステムを同社が独自に開発をした。業務を理解し、先端技術を把握しているからこそ提供できるソリューションである。
事業の企画から業務の最適化、ITアーキテクチャの設計、ソフトウェア開発まで心臓部をお客様の現場で行い、高い評価を受ける同社。
「IT部門にある重要な『ギャップ』を埋め、IT業界の課題に解を与えたい。付加価値の高いサービスを提供しているお客様に評価される事業体として確実に育てていきます。」と漆原氏は強調する。
顧客のために真摯に取り組むコンサルタント達
今、本当に必要とされているサービスにも関わらず「誰もやっていない・できない」からこそ躍進する同社。成長意欲と、自ら誇れる技術、他の知見を吸収する力、そして顧客のために仕事をしたいという価値観を持っている事が、同社のコンサルタントとして働く上で最も求められることである。
コンサルタントは顧客先にて仕事をするため、晴海トリトンスクエアにあるオフィスにはいないことが多いが、毎月1回は全社ミーティングが行われる。社員の雰囲気をたずねると、「真面目で実直、勉強熱心な人が多いです。実力主義で組織もフラット、各人が強みを持って切磋琢磨し合っています。」と人事担当者は話す。
コンサルタントとして活躍しようという社員のために、社内では頻繁に勉強会が行われる。入社後3週間は、コンサルティングスキルを培う研修があり、活躍中のコンサルタントから直々に指導を受ける。これは毎回非常に好評だという。また、同社はたびたび出版社やインターネットメディアより執筆を依頼されており、手を挙げた社員が任されるが、業務の合間を縫っても多くの社員が積極的に執筆に関わろうとするという。仕事の後の自宅でも自主的に勉強したり、プログラムを組んだりと、地道に成果をあげるための準備を行っている人が多い。そんな社員を漆原氏は「最高の仲間」と言う。
一人ですべてができるわけではない。それを自覚し、だからこそ、他のエキスパートと共に力を合わせて顧客のために最も有益なサービスを提供するのが同社の社員だ。そんな環境であれば成長のスピードは速いだろう。
だからといって、コンサルティング会社の一般的なイメージである「Up or Out」の世界ではないと漆原氏。健全な刺激を与え合いながら、同社のコンサルタント達が成長を続けるのも、漆原氏の「IT業界の問題」を解決したいという真剣な願いが社内で脈々と受け継がれているからだろう。
ウルシステムズ 株式会社の社員の声

30代前半
2015年11月入社

30代前半
2014年04月入社
チームで...続きを読む

20代前半
2017年04月入社