教育のエコシステムを推進するEdTech企業
株式会社インフォザインは、教育業界をITの力で変革するEdTech分野でソリューションを提供している2001年にスタートした企業。近年、特に力を入れているのは、ルクセンブルクのOAT社が開発した国際標準に準拠したCBTプラットフォーム「TAO」をベースとした新サービスの提供だ。
CBT(Computer Based Testing)とは、コンピューターを用いたテスト。教育分野では、IT化の一環として、コンピューターを利用して行われる試験の導入が、大学などの教育機関や学習塾、資格認定機関などで運用が進んでいる。「TAO」は、問題作成からテストの実施、結果提示、問題管理まで、アセスメント(評価)テストを実施するための各種業務をカバーし、国際的標準規格に完全準拠していることから、OECDの学力調査や文部科学省のCBTにも採用されている。
「SaaSソリューションであるインフォザインの『TAOクラウドJP』は、Webブラウザ上でコンテンツを追加することで、オンラインでテストを始められます。インフラ構築のノウハウやコストは不要です。セキュリティ面でも高い信頼性があります」(常務取締役 管理グループシニアマネージャー・菅原 聖)
CBTは、既に一部の資格試験では活用されているが、小・中学校での導入実績はまだ極めて少ない。小・中学校では紙ベースのテストが中心で、コンピューターを使ったCBTの導入に対して、文部科学省や各地方自治体の教育委員会は慎重な姿勢を示してきた。しかし、コロナ禍による授業スタイルや学校運営の変化、『GIGAスクール構想』の推進で状況は一変したという。
「CBTを活用すれば、小・中学校の授業や学校運営は大きく変わります。これまで、小・中学校にITを活用するためのネットワークはなく、クライアント端末も数えるほど。CBTを使える環境にはありませんでした。しかし、GIGAスクール構想が進み、児童生徒1人に1台のコンピューターと高速大容量の通信ネットワークが整備された今、CBTをはじめとするEdTechサービスの活用が本格化し日本の教育が大きく変わろうとしています。」(菅原氏)
文部科学省や地方自治体の教育委員会はCBTの導入に向けて動き出しており、インフォザインはCBTプラットフォーム「TAO」を提供すべく多くのプロジェクトに参画している。
「文部科学省は、全国学力・学習状況調査(全国学力調査)のオンライン化に取り組んでます。全国学力調査は、全国同日一斉に実施されるため、CBTでも現行と同様に実施すると、サーバやネットワークへの負荷が大きくなるなどの課題があります。しかしTAOは、OECD(経済協力開発機構)が実施する学力調査PISAでのエンジンとして採用された実績があり、大規模での実施においても高い信頼性を誇ります」(菅原氏)