複合機メーカーからICTソリューション企業へ。顧客企業の成長に寄与
富士ゼロックス東京株式会社は、複合機やプリンターの世界的メーカーである富士ゼロックスの国内事業を牽引する販売会社です。私たちがお客様にお届けしている価値は、「Better Communication」。進化した複合機のみならず、先進のITテクノロジーを駆使して、お客様の様々な課題を解決するのが使命である。
富士ゼロックスグループは、国内に31の販売会社を整備しエリアマーケティングを強化する。なかでも富士ゼロックス東京は、数多くの企業と情報が集まる東京23区を活動フィールドとし、社員数、売上高、経常利益ともに31社のトップに立つ。
そもそも富士ゼロックスは「オフィスの複写機」で成長を遂げてきた企業であり、今でもその進化系である複合機のイメージが強い。複合機は同社の強みであり、核となる事業領域であることに変わりはないが、今は、ICTを活用し、お客様の生産性向上や経営課題の解決に資するソリューションの提供にも注力。複写機メーカーからICTソリューション会社へと変貌を遂げてきた。
そのお客様は、大手企業から中堅・中小企業まで。なかでも、これからの日本を背負って立つ「中堅・中小企業」、そして「グローイングカンパニー」を担当できるのがマーケットの特徴であり、働く上での魅力だ。
「複合機に自社製品以外の商材も組み合わせて、お客様のビジネスに必要なものを全てワンストップで提案、提供するソリューションサービスが特長です。お客様は中堅・中小規模が中心ですが、近年急成長を遂げている大手企業なども当社で担当しております。さまざまな企業規模のお客様を対象に、ビジネスの中心である東京23区のお客様との関わり合いを持つことができるのも、面白さの一つです」。このように業容を説明するのは、人事部人事採用グループの沼田美希氏だ。ICTソリューションの提供を通じて、お客様の成長に資することは、同社におけるやりがいの一つでもある。
課題解決の主流は業務コンサルティング提案。RPAなど最新技術も
具体的なソリューションをいくつか紹介する。やはりドキュメント関連が強く、効率的な情報共有環境を構築するベーパレス化ソリューションや、図面や技術文書などの高度に専門的な文書を電子化し業務プロセスを効率化するソリューションなどは、富士ゼロックス東京が取り扱う代表的なソリューションだ。そこにネットワークやクラウド化なども組み合わせ、一連の業務を最適化する。定型業務を自動化するRPA技術を組み合わせ、文書の格納や、人手に頼っていた発注書の受理と関連部署への連絡を自動化するなど、最新の技術も取り入れている。いずれも複合機を切口に、様々なビジネス上の課題を解決する形で、ソリューションの提案へと発展していくケースが多い。
また、Microsoft社の『Office365』をベースに、社内外での業務遂行や情報共有、セキュリティ対策を実現し、場所にとらわれずに働ける環境を提供するワークスタイル変革のソリューションは、自社導入して実現した知見をソリューション化したものだ。このように自社で実践したものを、同社では「言行一致」と呼び、積極的に提案している。
「例えば、ワークスタイル改革のソリューションであれば、労務管理のルールなども含めた具体的な運用方法までをすべて、お客様のご予算、従業員規模、業界などに合わせた形で提案します。自社で実践して蓄積した知見に加え、富士ゼロックス本体と全国31社の販売会社間で事例の情報をデータベースし、共有することで、このような提案が可能になっています」(沼田氏)。
これらのソリューションは、ソリューション営業の担当者が、まずお客様先を訪問してヒアリングし、確度が高まってきた時点でソリューションコーディネーター(SC)が同行し具体化。その後、システムエンジニア(SE)が要件定義を行い、具体的な構築に向けて進めるという流れになる。富士ゼロックスの製品だけでなく、他社の製品も自在に組み合わせて、最適なソリューションを構築するのが特徴で、特にSEについては「一般的なSEとは役割が違うかもしれません。コンサルタントに近いです」と、沼田氏は説明する。導入において開発が必要になった際は、外部のベンダーをパートナーに開発を行うケースが多い。SEは、これらのプロジェクトマネジメントを行うのだ。
「中途入社の方は、開発経験をベースに、コンサルティング的な上流の仕事に携わりたいと言って来てくれるケースが多いです」(沼田氏)。なお、開発経験があり、営業職への志向や適性がある場合は、営業とSEの橋渡しとなるSC職が適しているだろう。
沼田美希氏
2009年に新卒で入社。5年半CE(カストマーエンジニア)としてキャリアを積んだ後、2014年10月に現部署へ異動
「輝くテレワーク賞」優秀賞受賞。社員を大事にする「働き方改革」先進企業
富士ゼロックス東京は、会社全体がショールームだ。富士ゼロックスのソリューションを活用して最先端の働き方を実践。その知見を、先述の「言行一致」としてお客様に展開する。今でこそ一般化しているが、サテライトオフィスを活用した「場所にとらわれない働き方」も他社に先駆けて実践した。富士ゼロックス東京は、西新宿の本社以外に日本橋、神保町、虎ノ門、渋谷、池袋、上野、五反田などに拠点があり、どこの拠点に出勤してもいい。出退勤はログで管理し、在宅勤務もお客様先への直行直帰も可能だ。自分の裁量で効率的に行動できるため、残業時間は全社平均で月20時間程度と少ない。
このような取り組みが評価され、2017年度には「テレワーク推進企業等 厚生労働大臣表彰“輝くテレワーク賞”」優秀賞を受賞した。ファシリティーの充実に加えて、人事制度面での支援が優れていることが評価された。沼田氏は言う。「他社では、在宅勤務は、基本は介護、育児をする人のために導入することが多いのではないかと思います。当社はそのような事情を問わず、性別も職種も関係なく、誰でも申請すれば利用でき、その結果、残業時間を大幅に削減できました。この労務管理のルールや運用などの知見は、ソリューション開発に活かされています」。
2011年度には、社員を大事にする社風で、子育てサポート企業を認定する厚生労働省の「くるみん」マークも取得した。実際、育児休業を終えて戻ってくる女性社員は多い。また、年次有給休暇を時間単位で取得できることもあり、男性社員もごく普通に保育園の送迎を担う。「働く場所フリー」と年次有給休暇の時間取得を組み合わせれば、かなり柔軟に働き方を調整でき、男性女性問わず、ワークとライフの両立がしやすい。これらの効果もあり、離職率は全社平均で2-3%程度と低く、長く働く人が多い。
ソリューション企業への移行に注力し始めた約15年前に、事業拡大を目指して採用したキャリア採用の社員は、今もほぼ定着して活躍している。管理職に進むなどポジションも上がり、ソリューション事業の中核メンバーとなっている。現在、さらなる事業拡大を目指して、改めてキャリア採用に注力しているところだ。
バーベキューやボーリングなど、社員同士の交流行事も多彩だ。社員にやさしい会社だけに、集う社員もやさしく穏やかで、真面目な人が多い。良き環境で効率的に仕事ができ、キャリアモデルとなるような人々も多数いる。何より仕事がおもしろい。長く腰を据えて働き、成長したい人にとっては最適な会社だろう。