携帯電話でQRコードを読み取れるようになったのは、アイランドシックスのおかげ!?
2019年に創業25周年を迎えた株式会社アイランドシックスは、世界のIT分野をリードするイスラエル製のモバイルネットワークやクラウドの通信機・プラットフォームといったIT製品を輸入販売している。メンバーは9名と小規模だが、代表取締役を務めるトッド・ワルザー氏は、日本とイスラエル間の企業提携のパイオニアといわれる人物で、イスラエルにおける産官学との強固なつながりを有している。副代表の江副 浩氏も無線LANビジネス推進連絡会から出版された『Wi-Fiのすべて』の執筆陣に名を連ねるなど、通信業界を中心に多くの企業との人脈を築いている。
アイランドシックスという社名が表に出ることが少ないため認知度は決して高くないが、輸入販売を通じて同社が携わったビジネスは、日本のIT分野の先端を切り拓いてきたものが少なくない。その歴史は起業まもない1990年代中頃までさかのぼることができ、当時としては最新技術だったダムのIPベースの監視システムをMavix社と日本の会社との連携をサポートすることで実現している。
「携帯電話でQRコードが読み取れるようになったのも、当社がイスラエルの3GVision社の技術を日本企業に紹介し日本企業と技術をうまく融合することができたからです。元となった技術はイスラエルの軍事技術から派生したもので、携帯電話によるQRコード読取技術としては世界初のものでした。また、JRの駅やスタジアムなどで重宝されているホットスポットなどにも、当社が輸入販売したGoNETシステムズ社の長距離無線LANが採用されていますし、2016年には大手通信事業者がLTEバックホールにGilat Satellites社のSkyEdge II-c基地局システムを採用したりもしています」(ワルザー氏)
PFI事業(施設整備や公共サービスに民間資金とリソースを活用する手法)において、いち早くアクティブ型Wi-Fiタグを採用しより効率的に管理することに成功したといった事例もある。
「当社の強みはイスラエルの先端技術とイノベーションを生み出しているベンチャー企業に精通している、といことだけではありません。日本市場や日本の商習慣にも精通しているところが大きいのです。日本の市場は独特で、何でも輸入すれば売れるというものではありません。そのため、取り扱う製品を決める際は、技術や製品そのものだけでなく、日本のマーケットに適応できる企業であるかも吟味しています。それは、25年にわたって、海外ベンチャーの導入に携わり、日本市場で実績を積み上げてきた当社だからこそ可能な強みだと思っています」(ワルザー氏)
日本とイスラエル間の企業提携のパイオニアといわれる人物で、イスラエルにおける産官学との強固なつながりを有している。
イスラエルが得意とするHLS分野やプラットフォーム技術などに注力
株式会社アイランドシックスは、設立から5~6年ほどソフトウェア製品に着目した後、ネットワーク、ブロードバンドと時代の流れを半歩先取りしながらその時々の最新テクノロジーにフォーカスしてきた。そして今、力を入れているのが、プラットフォーム製品やHLS(国家防衛)、ロケーション技術だとワルザー氏は語る。
「KDDI総合研究所が昨年発表した、エッジコンピュータを活用した大容量データの通信制御機能の実証実験にも当社が取り扱ったSaguna Network社のMECプラットフォームが使われています。これはコネクティッドカーからの大容量データをMECで判断して優先度の高いデータをリアルタイムに送信する実験に成功したというものです。また、HLSはイスラエルが強みとする分野で、たとえばRT社製のスカイスターバルーンシステムは最大高度300mから地上の監視を可能にするヘリウムバルーンです。その性能は他社製を圧倒していて、風速20m/sでも安定した動画撮影が可能で最大1週間の連続運用ができます。」
近年、ドローンの活動が話題となっているが、ドローン検知・対策の世界的リーディングカンパニーであるNETLINE社の技術も取り扱っているし、モバイルネットワークのハッキング対策のための技術もある。Wi-Fiタグなどの先端ロケーション技術を取り扱う話も進んでいるという。
「このように、当社は常に日本の先端技術のマーケットニーズを予測しながら、毎年1つ、2つは取り扱う製品を増やし、クライアントの期待に応えられるラインナップの整備に力を入れています」
経営状況のほうも非常に安定しており、無借金経営を続けている。しかも、直近4年間は、毎年3~4割ずつ売り上げが伸びているなど、業績も好調だ。現在セールスとセールスアシスタントを兼務している中島美紗氏も入社当初「入社前は人数も少ないことから経営は大丈夫かと心配に思ったこともあったが、安心して働けるだけのしっかりとした経営基盤がある。今では人数が少ないこともあり、通常の会社だと10年かかって経験できるこを3年で学べる程色々と経験させてもらえているので、そこも当社の魅力だと思う」と語っている。今後は、社員20人規模を目指して会社も拡大していく予定だ。
独立性を重んじる社風で、チャレンジ精神が旺盛な人なら大きなやりがいを得られる
株式会社アイランドシックスが取り使う製品群は、これまで大手SIerやOEMパートナーを経由して大手通信企業をはじめとする多くの企業や官公庁などに採用されてきた。この実績を支えてきたのが、同社の優秀な社員たちであり、社員の独立性を非常に大切にする風土である。社員には大きな裁量が与えられており、難しい課題にも自らのアイデアをもって挑むことができる。しかも、仕事を通じて接するクライアント側の担当者は、意思決定層など決裁者に近いポジションが多く、視座の高い人たちとの中身の濃いビジネスを経験できるのだ。
「知恵を絞って担当製品をアピールし、お客様に認めてもらい採用を勝ち取る。その結果に対して自分自身の貢献度が高ければ高いほど、モチベーションも高くなっていきます。そんな手応えのあるビジネスを体感しやすいのが、アイランドシックスです。とはいっても、社内にギスギスした雰囲気などなく、会社は社員の意思を尊重してサポートし応援してくれますし、社員同士はざっくばらんに会話を楽しんだりしています」(中島氏)
ただし、独立性を重んじる会社だけに、受け身の人や指示待ちの人は向いていない。「困難なビジネスであるほどやる気がわいてきて積極的に挑戦するチャレンジ精神あふれる人が向いています」とワルザー氏は語る。
「当社は、規則などルールが少ない会社でもあり、社員自身が自分で自分を律し、主体的に仕事に取り組んでいくことが求められます。そのため、自分で計画を立てて実践する力や問題解決力なども試される環境だといえるでしょう。あとは明るい人がいいですね」
独立性を重んじる社風は、成長の機会にあふれた環境だといいかえることもできる。しかも、商談相手はポジションの高い人たちで、扱う技術は世界のIT技術をけん引するイスラエルの先端テクノロジーばかり。
「こういった環境にチャレンジ精神をくすぐられる人は、ぜひ当社の門を叩いてください。お待ちしています」(ワルザー氏)