Ocean's Application株式会社

独自のインターネットサービスの開発や、仮想通貨のクラウドマイニングを手がけている、Ocean's Application。
同社が開発しているのは、時間帯とキーワードでイベントを探せる検索サービス「inTime」。例えば、「2018年9月30日15時　東京　アート」と入力すると、2018年9月30日15時に東京で開催されている、アートに関するあらゆるイベントの一覧が表示され、その詳細情報にアクセスできる。当面は日本全国をカバーさせるが、いずれは全世界にまで広げる。目下、α版を開発済（非公開）で、2019年春のリリースを目指している。

「inTime」の開発に着手した経緯について、創設者／CEOの村田 啓氏は次のように説明する。
「時間を持て余している時、『今、どこで何が行われているのかが簡単に俯瞰できるものがない』と気づいたんです。ならば、自分たちでつくってみようと、最初は趣味的な動機で始めてみました」
普通は行きたい場所が先にあって、次にスケジュールを組み立てるのが旅行や外出の手順。その逆は、あるようでなかった。
「Facebookにもその日のイベントを一覧化して見られる機能はありますが、あくまでもFacebookの中にあるイベントだけです。そこで僕たちは、ネット上に公開されている、あらゆるイベントを横断的に検索表示するエンジンの開発を目指しました」とCTOの清水武史氏は言う。

「inTime」のビジネスモデルとしては、当面はジオマーケティングなどの広告収入を想定。「ただし、せっかく新しいサービスを開発するからには、ビジネスとしても新しいカタチを追求していきたい」と村田氏は意気込む。

目下、同社の収益源となっているのは、仮想通貨のクラウドマイニング。2017年の仮想通貨の高騰で当面の活動資金を獲得でき、これを基に自分たちのペースでの「inTime」の開発を可能にしている。なお、今後も仮想通貨のクラウドマイニングは主要な収益源として継続させていく。取り組んでいる仮想通貨は「Bitcoin」、「Cardano ADA」のフルノード管理に加え、マイナーな種類にもチャレンジする予定。
「ブロックチェーンに関連する研究にも取り組んでいきたいと思っています」と清水氏。

村田氏と清水氏は、同じ1995年の生まれ。15年に、Facebookの95年生まれのコミュニティで、その幹事同士として出会った。
「僕はその時、『inTime』のアイディアを持っていたのですが、エンジニアではないので、どう形にしていったらいいものかと考えあぐねていたのです。そんな時に、エンジニアリングがわかる清水君に出会えたので、声をかけたのが発端です」

村田氏は、多摩美術大学で芸術論を専攻していたが、16年に中退しフリーの身として仮想通貨のクラウドマイニングを手がけるなどしていた。一方の清水氏は、現在、横浜国立大学で機械学習を研究している現役の学生。その傍ら、「inTime」の開発を手がけている形だ。

Ocean's Applicationの創業の思いについて、村田氏は次のように語る。
「今の日本では、プログラマーやデザイナーといった、コンテンツをつくるクリエイターは薄給のままで、ないがしろにされていると感じています。こんな現状を見過ごしたくはありません。そこで、こういったクリエイターが集まって、充実した仕事や生活の環境が得られる会社をつくりたいとの思いがあります」

清水氏の考えは、次のとおりだ。
「私は電気系から情報系に専攻をシフトしたのですが、プログラミングの世界を外から見ると、よくわからない部分がたくさんあって、入りづらさを感じたのです。かなり自信がないと入ることをためらう人が多いのではないかと。そこで、敷居を下げて間口を広げ、初学者でも気楽に入って来られるような環境をつくりたいと思っています。そうして、学生インターンに来てもらい、楽しく学びながら経験を積める場にしていければ、と考えています」

今後の組織づくりのビジョンについて、村田氏は次のように話す。
「会社づくりのコンセプトからしても、ヒエラルキーのないフラットなチームにしていきます。1人1人がやりたいことをミッションとして、その調和を取りながら進めていきたいですね」
「研究開発を手がけるチームを設けたいと思います。そこで最先端の知見や技術を得ながら、プロダクトやサービスに反映させていくというスタイルを取りたいですね」と清水氏は補足する。

同社がオフィスを構えているのは、台場の「the SOHO」の一室。ベンチャーなどのスモールビジネスが集まる、スタイリッシュなオフィス・コンプレックスだ。
「ここは、来客との打ち合わせや全体のミーティングのために確保している拠点です。もちろん、ここで仕事をするのもありですが、基本的にリモートワークOK、フルフレックス勤務OKです。自分の業務をきっちりやっていれば。」（村田氏）
台場には、手ぶらでBBQができるスポットなど遊び場もそろう。「そこでワイワイ楽しむ時間も大切にしたい」と清水氏。

政治学にも強い関心を持つ村田氏は、求める人材像について、次のように語る。
「僕たちが掲げる理想の人物像の一つに、リベラルアーツを体得している人物があります。リベラルアーツとは、哲学、歴史、社会科学、自然科学、芸術、教育、外国語などの基礎的学問のこと。ではなぜ、これを重視するのか。技術というのは人々を豊かにする一方で、容易に戦争など非人道的なことに転用できてしまう危険な可能性を常に孕んでいます。それをさせない力が、リベラルアーツにあると確信しているからです。「技術は目覚ましく進歩しつつも人々の心を無視すべきではありません。人工知能・拡張現実・オーグメンテーション技術など目新しい技術は生まれていますが、それらがどのように社会が扱うのか或いは問題を起こしてしまうのかは答えが出ていません。Ocean'sでは答えのないこれらの問いに向き合い続けることになるでしょう。自分の技術や才能を誰かのために使いたいと願うような、そんな精神の持ち主と共に仕事ができるといいなと思っています。」

今、同社にジョインすれば、まさに創業期のコアメンバーとなれる。会社というより、大学の研究室やゼミのような雰囲気が濃いチームで、若いメンバーと可能性のあるサービスづくりにチャレンジする仕事。ありきたりな環境には飽き足らない人にとって、見逃せない募集といえるだろう。