株式会社サクヤ

システム開発会社の株式会社サクヤ。自社メディアサービス／プロダクトの提供およびSES事業を手がけており、「Javaによるスクラッチ開発においては、日本一の実力があると自負している」と代表取締役の滝口秀典氏は言う。

現在提供している自社メディアサービスは3サービス。

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【1】案件ナビ
日本最大級のフリーエンジニア・フリーデザイナー向けに案件を紹介する求人サイト。多数の業務委託による常駐案件を掲載している。企業側と求職者側のニーズを汲み取り、双方のメリットを最大限にするようコーディネート。円滑にプロジェクトに参画できるようサポートし、慢性的な人手不足状態にあるIT業界の業務効率化に貢献している。

【2】請求ナビ
SES業界向けERPパッケージ。自社のSES事業を管理する仕組みをブラッシュアップし、SaaSとして提供している。SFA、CRM、契約・請求、入出金管理といったSES事業者の基幹業務に必要な機能をすべて取りそろえるサクヤの主力商品だ。
多くのSES事業者は、Excelを用いてエンジニアの管理を行っているが、「管理対象が80人を超えるとパンクし、スケールできなくなる」（滝口氏）という。『請求ナビ』は、エンジニアごとのワークフローやステータスを何千名でも簡単に管理でき、一連の業務プロセスを強力にバックアップする。

【3】HRクラウド
人事・労務・給与・勤怠・経費精算といったHumanResourceの管理をクラウド上で実現する。複雑な権限設定でも高速にレスポンスする、サクヤの技術が詰まった製品だ。現在モニター会員によるトライアル運用を行っている。

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通常ならば、それぞれ数100人月以上を要する、これらのシステムを開発、保守、運用しているのは、数人の精鋭部隊。それを可能にしているのが"日本一"を自負するJavaの技術力だ。

サクヤのJava技術のコアとなっているのが、独自開発によるプログラム自動生成ツール。データベースのテーブル情報から設計情報を抽出し、プログラミングを自動化するというものだ。これにより、例えば500～1000クラスのファイル作成を、わずか10～20秒で行うことができる。「開発費1億円規模のプログラムにおける複雑なロジック以外の60～70％を、数日で開発できる」と滝口氏。劇的に生産効率の向上を実現させた。
「同様のツールはほかに聞いたことはありません。Rubyであればつくることができるでしょうが、Rubyでは巨大ECポータルのようなスケールのサイトや、証券の受発注システムのようにミリ秒単位でリクエストを送るようなミッションクリティカルなシステムには適応しません。それらはJavaで構築されるのが普通です。この自動生成ツールがあるからこそ、当社のような規模でも基幹システムをものにすることができるのです」（滝口氏）

「インターネットで多くの人を幸せに」を企業理念とし、"日本一"のJava技術を用いて新たなサービスをどんどん提供していく。

滝口氏は機械商社の営業職を経て、26歳でプログラマーにキャリアシフトする。システム開発会社で1年ほど先輩についてJavaを習得し、3年目の2002年にフリーエンジニアとなる。Javaの発展期という追い風にも乗り、ありとあらゆる案件を経験し、プロジェクトマネジメントにも携わった。
「開発要員が集まらなかったり、開発期間が短すぎたり、要件がコロコロ変わったりと、悪条件が重なるプロジェクトで命を削る思いをしながら随分鍛えられました。20年分の仕事を3年間で経験した感覚です。しかし、いろいろな能力レベルのエンジニアを数十人寄せ集めたプロジェクトでは、プログラムのレベルもバラバラ。こんなことでは品質を確保できず、プロジェクトは成功できません。その時、自分が任されたプロジェクトは絶対に成功させたいと思ったのです。ならばどうすればいいかと考え、当時あったO/Rマッピングツールをヒントに、Javaの自動生成ツールをつくればいいと思いつきました。それがあれば、均質化と効率化が同時に実現できるからです」と滝口氏は述懐する。

この自動生成ツールにより、「ただの一度も、スケジュールや予算をオーバーさせるという失敗をしたことがない」とフリーランスのPMとして大活躍する。しかし、最上流のゼロからプロジェクトに関わることはかなわなかった。そこで、05年に業界4位の規模を誇る伊藤忠テクノソリューションズに入社し、数十名のエンジニアを従えて3～4億円規模のスクラッチ開発案件を6～7件手がける。
「面白かったのですが、最終的には受託ではなく、自分が『こういうモノがあったらいい』と発想したプロダクトをつくりたいと思いました。そこで、13年に再度独立し、当社を設立しました」（滝口氏）

【40年後に時価総額100兆円】
滝口氏が掲げる壮大なビジョンだ。時価総額100兆円とは、すなわちApple、Alphabet（Google）クラス。その実現のために、20年後までに1兆円、10年後までに500億円以上、そして5年後までの上場と、段階的な目標を定めている。
「メルカリさんは創業5年で時価総額3000億円となるサービスをつくりました。まずは1000億円以上を集められるサービスをつくります」と滝口氏は意気込む（インタビュータブ参照）。

メディアサービス事業と並びサクヤの主要事業であるSES事業。多くのエンジニアがお客様のシステム部門を支える存在として活躍している。今後、採用するエンジニアたちもSES事業に携わる。

サクヤでは、SES事業をエンジニアの成長の場と考えている。メディアサービス事業では得られない経験をSES事業より得ることができる。

一例として、案件の規模について考えれば、世の中には百万円以下の案件から数百億円、数千億円の案件まである。規模が大きくなればなるほど、プロジェクト管理の難易度は上がる。
現時点ではメディアサービス事業では数億円の案件が上限。しかし、遠くない将来、数十億円、数百億円規模の案件が発生する。その時に活きてくるのがSESで培ったプロジェクト管理スキルだ。

SESでは短いサイクルで様々な案件に参加し、様々な技術を習得することも可能だ。メディアサービス事業に携わるメンバーは、深く狭く技術を学びがち。SES事業に携わるメンバーが、どんどん新たな技術を手に入れることで、大いに刺激を受ける。
対して、サクヤの看板を背負ったメディアサービスには全社員の注目の的。新たなサービスがリリースされれば、皆が刺激を受ける。
メディアサービス事業のメンバーとSES事業のメンバーは、年齢が近いメンバーも多く仲も良い。適宜、メンバーの入れ替えもあり、互いに刺激を与え合って成長していく関係にある。

サクヤは日本一の会社、世界一の会社を目指している。その為には、日本一、世界一の人が必要だ。「人が何かをやるからには、本気で日本一、世界一を目指さなければならないのではないかという考えがあります。ですから、エンジニアには『日本一の技術力がなければ意味はない』、営業には『業界No.1でなければ意味はない』とよく話しています」と滝口氏。日本一、世界一の技術力を身に着けていくことを、会社も応援している。