株式会社日本ピュアシステム

株式会社日本ピュアシステムが誕生したのは、1991年のことだ。27年という社歴はIT業界においては長く、大阪で事業基盤を固め、2011年から東京営業所を開設して進出するなど、着実に拡大路線を歩んできている。設立当初は、大手生命保険会社の基幹システム開発を中心に手掛けていたが、年を経るごとに取引先との信頼関係を深め、不動産や建設、鉄道、製造、卸など顧客の幅も徐々に広げてきた。近年は、Ruby言語の普及にも力を入れており、「Rubyアソシエーション認定システムインテグレータ」の認定を取得。Ruby図書館情報パッケージやRubyによる子育て支援サイト、施設管理システムなどの導入も手掛けている。

バブル経済の崩壊やリーマンショックといった荒波を乗り越え、着実に成長を続ける同社の強みはどこにあるのか。その問いに、代表取締役を務める奥出邦且氏は「お客様と真摯に向き合う姿勢」だと答える。

「お客様を前にしたとき、私たちが考えるのは、お客様が困っていることをシステム開発によっていかに解決するかということです。困っている内容によっては、難易度が高く他の会社が二の足を踏むような案件もあります。当社は、あえてそこに飛び込んでいき、結果を出すことで信頼を得てきました。プロジェクトが炎上して収集がつかなくなっているところに入り、火消しをしたことも幾度となくあります。ただし、顕在的課題はもとより、潜在的な困り事までくみ取って解決するには、お客様とコミュニケーションを重ねて課題の本質を見抜く力が必要です。課題の本質を見極めたら、それを解決できるシステムの形を描き、開発メンバーへ的確に伝え、動いてもらう力が欠かせません。つまり、技術力だけでなく、お客様と技術者の双方と密なコミュニケーションを図り、つなぎ役を十二分に果たすマネジメント力も不可欠の要素となるわけです。当社は、創業以来、この技術とマネジメントの両輪を共に磨き続けることで、お客様と開発者とのつなぎ役としての存在感を高めてきました」（奥出氏）

難易度の高い案件や炎上案件などを引き受けると聞くと、ハードな労働環境を想像するかもしれない。しかし、同社のすごいところは、本気で社員を大切にし、社員の働く環境やキャリアアップについても真摯に向き合っているところだ。

日本ピュアシステムでは、お客様先に常駐して開発に従事するSES事業が大半を占めている。そのため、最低でも月に1回は営業担当者が現場をまわりランチミーティングなどを通じて現場の声に耳を傾けている。

「稼働が多いようであればお客様と交渉しますし、チャレンジしたい案件があるということなら、その希望を叶えるべく、可能な限り動きます。キャリアアップについても『キャリアプラン・シート』を作成してもらい、将来のありたい姿から逆算してその時々に伸ばすべき力に合わせてアサインするプロジェクトを吟味しています。もちろん、すべてが希望通りにいくわけではありませんが、会社として希望を叶えるための努力は惜しみません」（ITソリューション東京事業部 部長・中野充博氏）

リーダーやマネジメント層との面談機会もあり、上層部が社員の声を真摯に聞こうとする姿勢を徹底しているため、意見を発しやすい雰囲気が定着しているという。社員同士の交流にも力を入れており、年4回、全社員が集まる機会にはさまざまなイベントを実施。毎年、社員旅行を実施しているのだが、行き先は国内と海外の両方を準備するという。

「お客様先の都合や本人の考えで、海外へ行きたい人もいれば、国内旅行を希望する人もいます。だから、海外、国内両方を用意して行きたいほうを選べるようにしているのです。当社の企業理念は、人こそもっとも大切な資産・財産だと考え、人と人、人と社会とのコミュニケーションを大切に、お客様や社会に喜びと感動を与えることです。しかし、その世界を実現しようと行動している社員が疲弊し、仕事に後ろ向きでは意味がありませんし、理念の実現など不可能です。だから、社員が力を発揮できる環境づくりに気を配り、社員を大切にするのは当たり前のことだと考えています」（奥出氏）

このような会社の方針や社長の人柄に共感し、ファンのように「会社の成長に貢献したい」と考える社員が集まっているのも同社の大きな強みになっている。そのことを示す事例の一つが、育休後の復帰率の高さだ。近年女性社員が増えたことで、育休取得者が増えてきたが、全員が復帰。お客様も同社を信頼し快く時短勤務を受け入れてくれるのだという。

普段はお客様先に常駐しているため、社員がバラバラの場所で働いているが、日本ピュアシステムの一員であるという思いが強いため、何かあったとき容易にみんなのベクトルがそろい、大きな力を発揮する。また、同じ会社の仲間だと思うからこそ、後輩を育てようという意識が強く、面倒見も良くなるのだ。こういった一体感や日本ピュアシステムの一員という意識が、仕事に対する責任感も強め、“お客様も納得する確かな仕事”につながっているのだろう。

日本ピュアシステム東京事業部が立ち上がってからおよそ8年。少しずつ人員と取引額を増やしてきた。しかし、引き合いは人員の増加速度を大きく上回ってきており、現状では止む無く断っている案件も数多く発生しているという。そこで、東京事業部を本格的に拡大し、東京圏における日本ピュアシステムの存在感を増していこうと大きく踏み出すことにした。

「数年のうちに現状の14名体制から50名体制を目指していきます。人員を増強するにあたって、育成の仕組みなど、事業所としての体制も整えていこうと考えていますし、引き受けるプロジェクトについても大規模案件ばかりではなく、せっかく東京という多様なプロジェクトに 出会える市場にいるのだから、AIやIoTなど、先端技術を扱うプロジェクトにも挑戦していこうと思っています」（奥出氏）

しかし、事業所を拡大するには人材が必要であるため、「東京事業部を一緒に大きくしていく仲間を求めている」と中野氏は語る。

「お客様の信頼も厚く、上流工程から参画する案件が非常に多いのが特徴です。そのため、人が好きな方、人と話すのが好きな方がいいですね。机に座ってパソコンとだけ向き合う方がいいという人は向かないと思います。プロジェクトマネジメントのスキルを最初から持っていればありがたいですが、当社は基本的に人物・人柄重視で選考するので、企業理念や仕事観に共感し、人と接することを楽しめるかどうかがベースになります。そこから先は、どのように成長したいのか一緒に考えていきましょう」（中野氏）

東京事業部は、まさにこれから形をつくっていこうというフェーズにある。それだけに、エンジニアとしてお客様に喜びや感動を与える面白さだけでなく、組織をつくっていく醍醐味も味わうことができる。ここに魅力を感じ、多くの仲間と共に成長する喜びを分かち合いたい、人好きのあなた、一度、同社の話を聞いてみてはいかがだろうか。