日本のエンジニアの生産性を向上させる アトラシアン製品の国内導入実績No.1

同社は「価値あるツールを世界中の多くの人が使えるようにすること」を目指す、ツールソリューション事業を展開する企業だ。

代表取締役 大貫 浩氏
自らも会社設立前はエンジニアとして活躍しており、その経験が現在の経営にも活かしている。
リックソフト株式会社は「価値あるツールを世界中の多くの人が使えるようにすること」を目指す、ツールソリューション事業を展開する企業だ。2009年から、日本で『Atlassian(アトラシアン)』社製のソフトウェア開発用ツール群の販売、導入支援サービスを開始。国内では2社しかないアトラシアン社提携企業の『プラチナエキスパート』を獲得する等、躍進を続けている。
同社の強みは、日本の“第一号”としてアトラシアン製品の導入支援をして得た経験、ノウハウ、知識、技術の蓄積が豊富なこと。支援の根底には、海外で広く使われている優れたツールを単に紹介するだけでなく、考え方の部分までを伝えることで、日本のソフトウェア開発力向上に貢献したいという想いがあったという。代表取締役の大貫浩氏に当時の状況を伺った。
「私達がアトラシアン製品を扱い始めた2009年当時、日本のアジャイル開発環境は海外に比べると遅れていました。そこで、専用の管理ツールを使って効率よく、生産性よく仕事をした方が良いということを、半分コンサルをしながらクライアントに使ってもらって、本当に価値を出してもらえるようにしながら販売してきました」
アトラシアン製品の信頼性の高さも、同社の強みに繋がっている。
「ツールという世界で見ると、他社製やオープンソースのツールとの競争があります。グローバルなアンケート結果で見ると、アジャイル関係ツールで一番使われているのがアトラシアンの『Jira(ジラ)』で58%でした。他のツールも良い製品ですが、古くからある製品(Jira)の方が実績も信頼もありますね」
そんな強みを活かして、サービス導入時の設計から、プラグイン開発、運用サポートに至るまでワンストップで提供し続けてきた同社。大手ネットワークサービス会社、大企業、研究機関等のクライアントを獲得し、導入実績は国内No.1となっている。
「年間に販売しているクライアント数は現在、300社から400社ぐらいです。累積すると、既に数千社には導入していただいています」
日本の技術者が良いツールで真の実力を出せる状況にしたい、との思いから事業を展開してきた同社
国内で確かな実績を積み上げ、海外への市場展開を進めている。
国内における技術開発環境の向上はもとより、海外で成功している日本のソフトウェア企業の先駆けとなる

同社が開発したサービスは、すでに日本だけでなく、60カ国での販売実績があり、導入社数が1000社を超える見込み。

海外に子会社を作り、日本だけでなく、世界のフィールドで戦うための準備も着々と進めているという。
リックソフト株式会社は、これから、どのような方向を目指しているのだろうか。
「アトラシアン製品の販売、導入支援はもちろん続けていきますが、『Alfresco(アルフレスコ)』や『Tableau(タブロー)』といった、様々なもののデジタル化をサポートする製品の導入支援を強化していこうと考えています。もうひとつの柱が、当社が開発した、アトラシアン製品を強化・補完するアドオンといわれているソフトウェアです。最初、日本向けに開発したものですが、現在は日本より海外市場の方が金額ベースで上回っています」
このアドオンは、既に60ヶ国以上で販売実績があり、導入社数も1,000を超える見込み。同社は、これをきっかけにグローバル化への道を歩み始めている。
「はじめはソフトウェアやツールの輸入が主でしたが、今後は輸出の部分を強めていこうとしています。当初は、海外で売れるアドオンを作れなかったのですが、悩みながらやり続け、ようやく手法を掴んできました。いずれ、当社のアプリケーションは別のプラットフォームで一人立ち出来るようにしていきます。すでに『Ricksoft,Inc.』という海外子会社も作り、本格的に海外に出ていこうとしています」
海外進出には大貫氏のソフトウェア開発への想いも込められている。
「海外で成功している日本のソフトウェア企業は多くありません。その壁を突破していける会社にしたいと思っています。当社がアトラシアン製品の取り扱いを始めたときは、まず、日本の整っていない環境で開発をしている技術者達のことを考えました。当時の日本企業のしきたりとして、サポートがないと会社のツールとして導入できないということもありました。そこで当社が環境を整えて、日本の技術者が良いツールで真の実力を出せる状況にしたいという想いがありました。その出発点から事業を展開して進んでいくうちに、海外でも通用するソフトウェア製品を作れる技術者や開発チームの母体となるような会社になっていきたいと考えるようになりました」
同社は、自社開発のソフトウェアを携え、活躍の場をワールドワイドに拡げようとしている。
フラットでフランク。残業も少ない働きやすい環境から世界へ羽ばたく

自社が提供しているツールを実際に社内で導入し、業務の効率化を実現。そのため残業も少ないという。

社員の希望に沿うように、複数のキャリアパスを用意。成長意欲がある人にはおすすめの環境だ。
リックソフト株式会社は、働きやすい環境作りにも積極的に取り組んでいる。
「業務改善をするツールを売っているのに、自分達ができていなかったら駄目ですから。実際に使っていた方が説明にも説得力が生まれます」
社内はフラットでフランクな環境。そうしているのは、縦割りの組織ではツール等の本当の価値や新しい情報をキャッチアップしにくいから、という合理的な理由もある。業務は効率よく進められており、残業も少ないという。会議室の名前を世界の観光地名にする等、随所に遊び心も活かされている。
社員の教育体制も整い、2018年からは新卒の採用も開始している同社。中途社員の学びも強力に後押しする構えだ。また、世界進出を見据えていることもあり、英語力の強化にも余念がない。
「実は、アトラシアン製品の認定資格(ACP=Atlassian Certified Professional)の試験は英語なんですね。製品のことを知っていても、英語が少しは読めないと回答できません。技術ドキュメントも最新のものは英語のことが多いですが、学ぶ姿勢のある人であれば問題ないですね」
海外で行われるアトラシアンサミットにも出展している同社。“英語が喋れなくてもとりあえずコミュニケーションをとるように”と送り出すこともあるという。そんな同社にはどんな人が合うのか、伺った。
「やはり自分から課題に気付ける人ですね。こうすればクライアントや世の中が喜ぶんじゃないかなと考えて、ぐいぐい進んで行きたいとか、人の2倍3倍先で何かやってみたいとか、技術力を身につけてグローバルで活躍したいという人と仕事をしたいですね」
同社では、社員のキャリアパスをいくつか用意して、成長意欲に応えている。
「その人が持っているポテンシャルを発揮して、成果を出せるようにするのが会社の仕事だと考えています。組織化する人、もしくは組織化して仕事をしたいと思ってる人はそちらへ進めます。かたや『自分は職人なんです』という人にはエキスパートへと登っていく階段を用意してあります」
働きやすい環境で、グローバルで評価される仕事をしてみたいと考えている人は、ぜひ、同社にチャレンジしてみてほしい。
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