クービック株式会社

クービック株式会社（Coubic Inc.）は、クラウド型予約システム「STORES 予約」をはじめ、サロン当日予約システム「Popcorn (ポップコーン)」など各種インターネットサービスを企画・運営する会社だ。設立は2013年10月で、東京・五反田に本社を置く。習い事サービスが主な取引先だが、医療・健康・介護など幅広い業種業界に拡大。近年はIT企業や大手企業の導入実績も増え、2018年4月時点で導入実績は5万5000カ所を突破した。現在では予約の合計流通額は約 60 億円を扱う規模にまで成長し、2017年5月にはグロービス・キャピタル・パートナーズと米国・DCM ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資を実施するなど事業拡大に向けて動いている。

メインサービスである「STORES 予約」は、誰もが簡単に使えるローカルビジネス向けのビジネスツール。ホームページ作成から予約・顧客管理まで、ビジネスの運営をより円滑にするサービスを一元的に提供している。予約をはじめとする業務のムダを徹底して解消し、オーナーとユーザーがもっとカンタンにつながるプラットフォームとして開発。あらゆるサービスがそれを必要とする人のもとへ、スムーズに行き渡る社会の実現を目指し、業界初のクラウド予約システムを運営する企業として、マーケットを牽引していく。

代表取締役を務める倉岡寛氏は、東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻を2007年に修了すると、グーグル株式会社に新卒で入社した。2011年4月からはグリー株式会社に移り、米国の GREE International Inc の立ち上げやPlatform 事業の企画責任者、新規案件プロジェクトの事業部長を歴任した人物だ。

グリーを退職する際、自分自身が不便に思っていたことを解決するシステムをつくろうと思い立ったのが創業のきっかけ。同氏は何かの予約をするにもいちいち電話をしなければならないとことに面倒さを感じていた。その原因にはビジネスオーナー側が簡単にシステムを導入できない現状があることに気づき、予約システムに構築に着手した。

【NEW】2020.8.4　クービック株式会社はhey(ヘイ)グループへの参画を発表
ECサイト構築サービスやキャッシュレス決済サービスを提供するhey(ヘイ)は、クービックの全株式を取得しグループ化すると発表。同時にシリーズEラウンド、70億円を超える資金調達を完了している。新型コロナウイルスによって大きなダメージを受けた事業オーナーたちに新しい価値を提供し、過去最高の業績を更新していたクービック。EC・決済に強みを持つheyの「STORES」ブランドにクービックの予約領域が加わることで、”統合型”のデジタルインフラを目指していく。

2014年4月からサービスを開始したクラウド予約システム＆顧客管理システム「STORES 予約」は、事前決済機能や自動メール・SMS機能などの各種機能を盛り込んだ業界初のクラウド予約システムだ。また、サロンに特化した予約サービス「Popcorn」は、直前でも予約可能なサロンをWebやアプリを通じて簡単に探し、予約することができる。日本語以外にも英語、中国語、韓国語のインバウンド対応も実施済みで、「Popcorn」だけで予約から決済まで、日本人・外国人に関わらず簡単に済ませることができる。

予約や顧客管理システムは従来からあるツールだが、それを誰もが簡単に使えるのがポイントだと倉岡氏は語る。スマートフォンの普及にともない、外出時でもモノやサービスの購買行動が当たり前の時代。Eコマースの普及など日進月歩の進化を遂げている一方で、サービスの提供側では予約手続や顧客管理、支払方法など多くのムダな時間や手間が依然として残されている。また、サービスを提供する側も大企業から個人経営まで多種多様な形態があり、最近は自分らしい働き方を求めて事業を始めるケースも増え、内容は多様化の一途をたどっている。

クービックは、それら無数のサービスと人をつなぐ仕組みを生み出し、PCを持っていなくても、スマートフォン一台でさまざまな管理や操作ができる環境を提供。この手軽さを強みに、急激に広がるユーザーニーズに歓迎されている。

今後の展開としては、「予約」の裏側に存在する「集客」や「顧客管理」にもサービスや機能の充実を図っていく。同時に、エンドユーザーに対し圧倒的かつ最高の予約体験を提供するプロダクトを準備中だ。オーナーとユーザーを簡単につなぐ「サービス流通プラットフォーム」として、最高のサービスに出会いたいユーザーと、最高のサービスを提供したいビジネスオーナーが、スムーズにつながる世界を実現していく。

2018年4月時点の従業員数は15名弱で、平均年齢は30歳。男女比は男性：女性＝3：1の比率で、新卒・中途比率は3：7。2017年12月には五反田駅から徒歩3分の場所に本社オフィスを移転し、全面に窓がある明るい開放感あるオフィス環境で活発なコミュニケーションが交わされている。全員がプロフェッショナルとして、意識高くクライアントの課題解決に本気で取り組んでいる風土だ。

企業カルチャーとしては、年齢や性別などに関係なく情熱をもって活躍できる環境がある。職種の枠を超えて誰でも参加可能な透明性の高いオープンミーティングを実施し、全員が納得感を持って、それぞれの仕事に取り組むことができる。社内行事は、お酒を飲みながらの全社カジュアルディスカッションを週1回のペースで実施しているほか、達成会や忘年会が開かれている。また、年に1回、社員全員でイベントを楽しむ機会もある（2017年は三浦半島で実施）。

クービックは会社のバリューとして3つの行動指針を掲げ、これらを実行できる人材を求めている。
1つ目は「あるべき姿から考える」で、できる/できないではなく、あるべき姿を実現するためにどうやったらできるかを考え抜くことを大切にしている。あるべき姿を意識し、そこに到達するためにどうするかを考えようということだ。

次は「納得感を高める」で、仕事をしていく中で意見がぶつかりあうことはあるとしても、その中でお互いが納得感を少しでも高められるよう、チームワークで考え行動する。成果やアイデアが頭ごなしに否定されることはなく、「本当はこう思うが、上司に言われたから仕方なくやります」という空気も一切ない。

最後が「現状打破する」で、一人ひとりがプロフェッショナルとしてオーナーシップを持ち、新しいことにチャレンジしたり、いつもとやり方を変えてみることを重視する。ITベンチャーとして求められる解決力が刻々と変わる中、自らが変化することで自発的に対応できることを強く求めている。