シュンビン株式会社

シュンビン株式会社は、中小企業の売上を上げるトータルプランニングを手掛ける会社だ。京都市伏見区に本社、東京と福岡にオフィスを置く。具体的な事業内容は、ブランディング、商品の企画やラベル・化粧箱などのパッケージデザイン、オリジナルデザインの容器類（ガラスびんやPETボトルなど）の販売、Webサイト制作および運用支援など。そのほか、建築デザインや古民家再生、新規事業立ち上げサポートなど幅広い。

事業の成り立ちは、1900年（明治33年）に和樽の製造工場「津村商店」として設立されたことに始まる。創業の地である伏見区は酒どころ。1947年に京都容器工業となり、一升瓶の洗浄などを手掛けた。2004年に現社名に社名を変更し、2017年には京都容器工業の設立から70周年を記念して、CIを実施した。ロゴには知恵の輪がモチーフされ、知恵を絞って問題を解決しようという姿勢が表されている。

代表取締役の津村元英氏は、2001年の時点で廃業の危機にあった現シュンビンを、19年ほどの間に年商9億円にまで育て上げた。慣れ親しんだ既存事業から撤退し、自分たちでデザインしたガラス瓶を日本全国に販売し始めたのが最初の変革となった。2015年からは建築デザイン事業がスタートし、Webコンサル・EC支援事業も年々その規模を拡大している。

シュンビンはアイデアの提案だけでなく、実行力をもって顧客の課題解決に取り組みカタチにしていくことで成長を遂げてきた。売上アップのための企画サービスを“すべて”代行。店舗デザインの設計やファンづくりのためのブランディングも、一手に行う。また、Webサイトやダイレクトメールの企画を中心に、継続的に売り上げを上げるためのデジタル販売促進支援・コンサルティングも提供する。

シュンビンの特徴は、
（1）中小企業に特化した企業開発型サービス
（2）売上アップのためのトータルサポート
（3）一貫体制による独創性のある企画・デザイン
の3点に集約される。

（1）企画開発型サービスでは、中小企業に特化。単なるデザイン提案に留まらず、デザインした資材を完成品まで責任をもって仕上げる。ラベルやパッケージなどデザインを得意とし、資材や形状に応じて最適な方法・工場を選択して顧客のイメージをカタチにする。また、シュンビンはパッケージ以外にも建築デザイン事業も手掛けており、古民家や酒蔵を活用した店舗づくりなどにも実績が多い。

（2）売上アップのためのトータルサポートでは、顧客が抱える課題に対してあらゆる分野の専門スタッフが対応する。ラベルやパッケージ、建築のほかにも、びんのデザインやカタログ、新聞広告、ポスター、封筒、什器、Webなど幅広くデザイン。びんのデザインでは「ガラスびんデザインアワード2008」最優秀賞や、鹿児島県知事賞など受賞している。さらに、「顧客の売上を上げることで自社の売上を上げる」をミッションとし、ブランディングやコンサルティングも手掛ける。

（3）一貫体制による独創性ある企画・デザインでは、営業、プランナー、デザイナー陣がヒアリングから企画、提案、計画実行までをチームとして一貫して担当。一般の企画・デザイン会社と比べて営業人員に対しての製造工程割合が高く、営業、プランナー、デザイナーの構成比はほぼ同人数。このため、よりクリエイティブな提案力が実現できている。このバランスの良い専門チーム体制を強みに仕事の品質を高めていこと、これこそがシュンビンの成長の原動力だ。

さらに、Webの分野では15年以上のWeb制作・運用実績があり、100社以上のオンラインショップに関与。ブランディングやダイレクトマーケティングの領域でも真価を発揮している。ブランディングでは、顧客に対して幹部メンバーとシュンビンで約8時間から15時間をかけて方向性を共有する「ブランド戦略検討会」を実施している。

2021年8月現在の従業員数は社員39名　パート5名（合計44名）で、女性も多く活躍している。本社は2016年5月竣工と新しく、デザインは自社の建築デザイナーがデザインした。壁や床などの素材、家具も社員みんなで選定。まず目を引くのが特徴的な外観で、壁は半円を描くような丸みのあるフォルムだ。ここには「変化に反発するのではなく、それを受け止めて成長する」というシュンビンの姿勢が表現されている。建物に入るとガラスが多用された解放感のある吹き抜けになっている。

さらに2021年9月に自社オフィスを改装し、フリーアドレス体制に変更。
「S：Park（スパーク） - シュンビンらしいアイデアを生み出す空間づくり」をテーマとし、1Fから3Fまで目的に応じ自由に利用ができるクリエイティブな空間に生まれ変わった。

インテリアは遊び心たっぷりで、居るだけで創造力を刺激してくれる。会議室にはTV会議システムが導入されているほか、社内外に広く利用可能なセミナールームもある。商談/応接室は全部で5つあり、一つひとつ異なるデザイン。くつろいで打ち合わせができるよう、畳敷きで掘りごたつがある和室の応接室もある。

人材育成では、特に決まりきった研修制度などは設けられていない。少人数のため、OJTを中心とした実践的な社員教育が行われている。Webサイト制作・運用を担当するコンサルタントは、Webの制作・運用でこの道15年以上の経験があり、100社以上のオンラインショップに携わってきた実力派。ほかにもデザインや商品企画のプロが揃っており、彼/彼女らから直接いろいろなことを学ぶことができる。

倒産の一歩手前にあったシュンビンがここまで成長できた理由。それは、「中小企業の企画部を代行する」ことが存在意義だと思い至ったことに始まる。この姿勢に共感した仲間が集まり、盛り上げ、業界でも一目置かれる存在へと成長してきた。単なる「業者」ではなく「パートナー」として、顧客と一緒に売上アップのために汗を流す。このミッションに共感できる人にとっては、とても面白い場所に違いない。