シリコンバレーの仲間で起業!成長中のレンタルスペース予約サービス『インスタベース』!
株式会社Rebase(リベース)は、レンタルスペースの予約プラットフォーム『インスタベース』を手がけている会社だ。レンタルスペースと聞くと、貸し会議室やセミナー会場、貸しスタジオといったイメージが強いが、それだけではない。レンタルキッチンあり、サロンあり、一軒家あり、ありとあらゆるスペースがレンタルスペースとなり、そのスペースを舞台に展開される活動も多岐にわたる。Rebaseは「人と場所をマッチングする」という行為を通じて、様々な人の出会いや活動、夢に向かって踏み出す一歩などを支援する会社である。
同社の掲げるミッションは、「きっかけを生み出し、機会を創造する」。『インスタベース』の利用事例で、次のようなものがある。利用したのは「自分自身のヨガを広めたい」という思いを持つ駆け出しのインストラクターの女性だ。いきなりスタジオを構えるほどの資金もないなかで、『インスタベース』で格好のスタジオを見つけ、週に一度、生徒2人で自分のヨガ教室をスタートした。「一年後に訪問したら、教室は週3回、生徒さんは10人に増えていました」と話すのは、代表取締役CEOの佐藤海氏。佐藤氏は「彼女は『インスタベースがあったから夢を叶えることができました。ありがとうございます』と言ってくれました。その時、このサービスをやっていて良かったと心から思いました」と話を続ける。
『インスタベース』への登録第一号は、再開発エリアにあり、もうテナントに貸せないビルだった。1階では、ビルオーナーである呉服屋が営業していた。「オーナーさんは、このビルが人々の記憶に残ってほしいという思いを持っていました。実際、レンタルスペースの利用者さんと話す機会もあったようで、『ビルがきれい』、『着物屋さんのビルと言えば集まる人にわかりやすくてよかった』といった声を聞けて嬉しかった、やってよかったと言っていました」と佐藤氏。場所と人の思いを大事にし、そこから生まれる交流や活動を支援することを目的としているのが、『インスタベース』の特徴だ。
現在、登録スペースは全国に10,000カ所余り、ユーザーは約100万人だ。サービス開始以来、地道に増やしてきた。今後は提携先など外部の力も借りながら規模を拡大し、気軽に場所を借りて活動するという行動や価値観を根付かせるべく、サービスの充実を図っていく考えだ。
シリコンバレーで出会ったメンバーで創業。活動場所に困った経験が原点に
Rebaseはシリコンバレーで出会った仲間で創業した会社だ。佐藤氏は2010年に大学を休学してシリコンバレーへ。アメリカで大学に通いながら、いくつかのスタートアップの企業を手伝っていたときに、取締役COOの石田アレックス氏、同じく取締役CTOの高畠裕二氏などの仲間と出会い、「いつか何かサービスを立ち上げたいね」と夢を語り合っていた。その後、それぞれが帰国し、別々の会社に所属していたが「あの時の夢を実現しよう」と再び集まり、Rebaseが始動した。
事業ドメインをレンタルスペースの予約プラットフォームとしたのは、自分たちが切実に活動場所に困った経験があるからだ。「シリコンバレーでは、集まって活動できる場所が色々とありました。ところが日本ではなかなかない。当初は活動資金の余裕もなく、いきなりオフィスを構えるわけにもいきませんでした。長居ができて電源が使えるカフェを転々とするなど、こんなにも場所がないものかと思いながら、3人で事業計画を練っていました。ルノアールでAセットからDセットまでを順に頼み、1日居座ったこともありました(笑)。その経験から、個人が制限なく、もっと活動しやすい世の中を作りたい、自分たちがそれを解決するサービスを作ろうと思ったのです」。(佐藤氏)
2014年4月にRebaseを設立し、5月に『インスタベース』がスタートした。スペースのオーナーサイドから見た『インスタベース』の特徴は、掲載料やシステム利用料はかからず、予約が成立したときに手数料が発生する完全成果報酬型であること、料金や時間、利用制限など柔軟な条件設定ができること、およびWebでの集客やページ制作などのサポートが充実していることだ。これまでも、オーナーが「掲載したい」と思うようなプラットフォーム作りを心がけてきたが、サービスのさらなるグロースを目指し、対オーナー、対ユーザーの両面でサービスを拡充していく考えだ。
対オーナーは、現在の特徴に加えて、手持ちのスペースに対してより有効な活用方法を提案するなど、提供価値を向上させる施策を検討中だ。現在もアドバイスは行っているが、空きスペース活用への知見も蓄積していることから、今後はより体系化・仕組み化していく。対ユーザーは、掲載スペースの充実に加えてサイト自体の魅力も高める。「次はどんなスペースを使おうか」とワクワクし、友達にも紹介するなどの行動が起きるように、コンテンツの充実や動線の工夫を進めていく。いくつかの競合サービスもあるが、特に意識はしていないという。『インスタベース』が選ばれるように努力するのみだ。
Webで完結するのではなく、リアル世界の人の行動や人生も変え得るサービス
この事業を牽引する強力なエンジンとなる人物が、創業メンバーの一人である石田アレックス氏だ。元Uber Japanで、世界30カ国、200都市以上で展開するフードデリバリーサービス、『Uber Eats』の日本での立ち上げに携わった。このミッションに目途をつけた後、シリコンバレー時代の仲間で、親友でもある佐藤氏に合流した。世界最先端のシェアリングエコノミービジネスの経験を持つ石田氏は、『インスタベース』のサービスの可能性について、次のように語る。
「理論的には、余っている空間を貸し出すことに追加コストはかかりません。例えば『Uber Eats』なら新たに配達コストが発生し、参入するには追加売上と追加コストのバランスを考える必要がありますが、レンタルスペースの追加コストは清掃費程度。スペースが余っているなら、やらない理由がありません。掲載スペースはもっと増やせるはずです。一方ユーザー視点では、これまで使えなかった空間が、時間借りで使えるというオプションが増えます。気軽に場所を借りるという行動をパターンとして根付かせることにより、大きな可能性が生まれるビジネスだと思います。今はまだ、世の人々にレンタルスペースの知識も、使うという発想も浸透していません。それを広めるのが我々の役割であり、今後一層の力を入れていきたいと考えています」。
そのために必要なのが仲間だ。現在はリソースが限られているため、あえて手をつけていない課題もある。今後は仲間を得て、開発もビジネスの推進も加速させていく。「Webサービスで完結する仕組みではなく、『インスタベース』をきっかけにリアル世界の人の行動や人生が変わるほどの影響を与え得る点が、何よりのやりがいであり、おもしろさではないでしょうか」と、石田氏は付け加える。
シリコンバレーで夢を語り合った仲間が始めた会社だけに、メンバーが増えた今も、その思いはバトンリレーのようにつながり、社内の雰囲気は非常に良好だ。月に一度の全社ミーティングはピザとビールも用意し、事業の話のほか、将来の構想や夢の話でも盛り上がる。レンタルスペースももちろん使っている。「僕の誕生日に、みんなで渋谷のスペースを使ってパーティーをしました」と、笑顔で話すのは佐藤氏。このような楽しい空間と時間、経験を、『インスタベース』で世に広めていく。
まだまだこれからの会社であり、メンバーとアイデア次第で新しい事業などにも積極的に挑戦していくつもりだ。この仲間とともに、世の中をより良く、楽しく変えるような挑戦をしたい人は、一度、訪ねてみるといいだろう。